@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

窒素酸化物【ちっそさんかぶつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

窒素酸化物
ちっそさんかぶつ
nitrogen oxides
窒素の酸化物で,一酸化二窒素 (亜酸化窒素) N2O ,一酸化窒素 NO ,二酸化窒素 NO2 ,三酸化窒素 N2O3 など数種がある。 NO は,無色,単独での人体影響は少い。 NO2 は,赤褐色,刺激性の有毒な気体で,3ppm 前後で植物に影響があり,100ppm高濃度では動物に肺気腫を起し致死させる。労働衛生の許容基準としては 5ppmとされるが,人体に対する微量慢性の影響の研究はまだ始ったばかりで,短時間曝露でも 0.5ppmで肺胞異状が生じることがわかり,世界保健機関 WHOのクライテリア専門委員会でもこれが認められた。また窒素酸化物は,炭化水素と反応して光化学スモッグを合成し,さらに被害を発生させる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

知恵蔵

窒素酸化物
石炭や石油などの燃料中の窒素(N)や、空気中の窒素が、高温燃焼時に酸化されて発生する窒素と酸素(O)の化合物。発生時は一酸化窒素(NO)だが、大気中で酸化されて二酸化窒素となる。二酸化窒素は人体に有害で、呼吸器系疾患を起こす。製鉄所、発電所、工場などの固定発生源だけでなく、自動車、船舶、航空機などの移動発生源からも大量に排出される。二酸化窒素は、大気中で硝酸ミストとなり、酸性雨の原因ともなる。
(畑明郎 大阪市立大学大学院経営学研究科教授 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

ちっそ‐さんかぶつ〔‐サンクワブツ〕【窒素酸化物】
酸化窒素総称。ふつう大気汚染物質である一酸化窒素二酸化窒素混合物をさす。ノックスNOx)。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

栄養・生化学辞典

窒素酸化物
 NOxと総称.一酸化二窒素(N2O),一酸化窒素(NO),無水亜硝酸(N2O3),二酸化窒素(NO2),無水硝酸(N2O5)などをいう.

出典:朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

ちっそさんかぶつ【窒素酸化物 nitrogen oxides】
窒素酸化物NOxとは窒素の酸化物の総称であるが,大気中の窒素酸化物の大部分を占めるのは一酸化窒素NOと二酸化窒素NO2であり,また,これらは炭化水素との共存下で太陽光線の作用により光化学スモッグを生成するところから,一般にはNOとNO2総和を窒素酸化物と呼ぶ。窒素酸化物の発生源としては,,土壌中の微生物作用など自然現象に由来するものもあるが,近年工業発達とともに自動車および工場設備からの発生量が急速に増大し,光化学スモッグによる公害問題を引き起こすに至っている。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

窒素酸化物
ちっそさんかぶつ
nitrogen oxide

窒素の酸化物全体をさしていうが、普通は大気汚染源となる窒素酸化物をいうことが多い。通常の分析法では、一酸化窒素と二酸化窒素の総量が定量されるので、両者はまとめて窒素酸化物NOxとして扱われる。大気中で一酸化窒素から二酸化窒素が生成する反応は複雑である。大気の酸素による酸化反応は比較的遅く、これに、二酸化窒素が日光で解離して酸素原子を生じる反応、微量に存在する有機物によって窒素酸化物が消費されてオキシダントを生成する反応などが絡み合っている。

[守永健一]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

ちっそ‐さんかぶつ ‥サンクヮブツ【窒素酸化物】
〘名〙 窒素の酸化物。N2O, NO, N2O3, NO2, N2O5, NO3, N2O6 などあるが、これらを総称して、NOxで表わす。ガソリンエンジンの排気中にいろいろ含まれていて、大気汚染の大きな原因の一つにあげられている。→オキシダント
※吉里吉里人(1981)〈井上ひさし〉二〇「窒素酸化物を出さない自動車は」

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

化学辞典 第2版

窒素酸化物
チッソサンカブツ
nitrogen oxides

】NOxで表される化合物の総称.一酸化二窒素N2O,一酸化窒素NO,三酸化二窒素N2O3,二酸化窒素NO2,四酸化二窒素N2O4,五酸化二窒素N2O5,三酸化窒素NO3の7種類が知られている.【】公害用語としては,NOとNO2の総称.略称NOx.おもに燃料の燃焼によって生じる.このとき最初にできるものは大部分がNOであり,NOは空気中で酸化されてNO2となる.大部分は燃焼のときの高温により,空気中の N2 と O2 が化合してできるが(熱的NOx),一部は燃料中の窒素化合物に起因する(燃料NOx).そのほか,硝酸製造工場,火薬製造工場から排出されることもある.純粋なNO-O2混合物でのNOのNO2への酸化反応

(2NO + O2 = 2NO2)
は三分子反応の例として古くから知られている.この反応はNO濃度に関し二次であるため,NO濃度がいちじるしく低いとき(ppm 程度),その酸化はきわめて遅いが,普通の濃度ではすみやかである.都市の汚染大気中でのNOの酸化反応は複雑であり,純粋なNO-O2混合物の場合とは同列に論じられない.都市大気中のNO2の環境濃度は都市により年平均値0.01~0.06 ppm で,一方,人工的汚染のない自然界でのNO2濃度は約0.004 ppm である.窒素酸化物の発生源は移動発生源(自動車など)と固定発生源(工場,事業所など)に大別され,発生総量における両者の割合は都市により大きく異なる.窒素酸化物の有害性に関しては,NOについては知られていないが,NO2は呼吸器深部の末梢気道に病変をもたらし,また感染症に対する抵抗力を弱める.動物実験の結果では0.5 ppm でこれらの悪影響が観察され,一方,ヒトに対する疫学調査では,NO2濃度年平均値約0.02 ppm 以上で持続性痰・咳の有症率の増加が認められる.NO2環境基準は1978年に0.04~0.06 ppm,またはそれ以下と定められた.NO2はそれ自身の有害性のほか,太陽光線中の300~400 nm の波長光を吸収して解離し,光化学スモッグの引き金反応となる.現在,わが国では,大気中のNOxの濃度測定には,おもにザルツマン法が用いられているが,ケミルミネセンス法,そのほかの方法もある.NOx発生の低減技術としては,良質燃料の使用,燃焼装置・方法の改良および排煙脱硝があるが,省資源の点からも,燃料の使用量そのものを節減する工夫も重要である.なお,NO2汚染のいちじるしい地域に対しては,NOx排出量が総量規制されている.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

Copyright © MORIKITA PUBLISHING Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

窒素酸化物」の用語解説はコトバンクが提供しています。

窒素酸化物の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation