●竜山文化【りゅうざんぶんか】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
竜山文化
りゅうざんぶんか
Long-shan culture
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デジタル大辞泉
りゅうざん‐ぶんか〔‐ブンクワ〕【竜山文化】
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世界大百科事典 第2版
りゅうざんぶんか【竜山文化 Lóng shān wén huà】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
竜山文化
りゅうざんぶんか
中国の黄河中・下流域で仰韶(ぎょうしょう)文化に次いで興った新石器時代晩期の農耕文化。中国読みでロンシャン文化ともいう。1930~31年に李済(りさい)、梁思永(りょうしえい)らによって山東省歴城県竜山鎮の城子崖(じょうしがい)遺跡が調査されたとき、上下二層ある文化層のうちの下層から多数の石器、貝器、骨角器とともに黒色磨研の土器(黒陶(こくとう))が発見され、黄河流域の重要な先史土器として注目された。竜山文化の名はこの遺跡名に由来する。その後、河南省安陽県後岡(こうこう)遺跡において、仰韶文化層の上に竜山文化層、そしてその上に殷(いん)代の文化層の層序関係が発見され、この文化の編年的位置が定まった。さらに1950年代に河南省陝(せん)県廟底溝(びょうていこう)遺跡の調査において、下層の仰韶文化層のすぐ上の層が仰韶文化から竜山文化への過渡的性格のものであることから、竜山文化が仰韶文化から連続発展したものであることが確かめられた。
竜山文化の広がりは仰韶文化よりもはるかに広く、しかも各地域ごとに特徴をもって成長して著しい地域差を示している。したがって竜山文化は、早期の廟底溝第二期文化、河南竜山文化(後岡第二期文化)、陝西(せんせい)省竜山文化(客省荘第二期文化)、山東竜山文化の四類型がある。さらにまた、周辺部にも大きな影響を与え、北は渤海(ぼっかい)を隔てて遼東(りょうとう)半島に伝わり、西北にも伝わって斉家(せいか)文化を生み出した。揚子江(ようすこう)流域の良渚(りょうしょ)文化もその例である。竜山文化の特徴は、土器製作にろくろを使って緻密(ちみつ)で堅く卵殻のように薄い黒陶がつくられたことである。黒陶の器形には鼎(かなえ)、鬲(れき)、斝(か)、甗(げん)、(き)などの三足器があり、こののちずっと続く中国の陶器や青銅器の基本的な器形がだいたい出そろっている。住居は竪穴(たてあな)式のものであるが、床面に石灰を塗り固めるものが盛行した。磨製石器は一段と精巧なものとなり、石や貝製の鎌(かま)、骨製の鋤(すき)、木製の鋤(耒(らい))など新しい農具が登場し、農業経済は著しい発展を遂げた。さらに動物の骨を焼いて吉凶を占う卜骨(ぼっこつ)の風習が始まった。すでに青銅製品が登場していることや土器製作の専業化など、生産の各分野における著しい技術的な発達は、古い生産関係を打破して高文明の生まれる諸条件を整え、やがて夏(か)王朝を生み出す母体となった。したがって竜山文化は、その後ずっと繁栄してゆく中国文明の母体ともいいうる黄河文明の中核をなしているのである。C‐14による年代は紀元前2500年から前1700年を示している。
[横田禎昭]
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旺文社世界史事典 三訂版
竜山文化
りゅうざんぶんか
1930〜31年山東省竜山 (ロンシヤン) 鎮城子崖で発掘された黒色磨研の土器を黒陶といい,それを含む文化を竜山文化と呼ぶ。山東や河南を中心に,北は遼東半島,西は陝西 (せんせい) ・甘粛,南は江蘇・浙江 (せつこう) ・湖北に及び,その起源は河南の廟底溝遺跡の第2期文化(前3000〜前2500)に求められる。磨製石器が増加し,石包丁や石鎌,貝製品が発見されている。骨占いを行い,家畜を飼って,農耕技術の進歩も著しい。
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