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童話【どうわ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

童話
どうわ
児童文学の一ジャンル。主として幼年者を対象とした「お話」。またドイツ語のメルヘン Märchenの訳語にあて,空想的な物語をさす。「童話」の語の使用は,江戸時代後期に黒沢翁満 (おきなまろ) が『童話長編』 (1857) を著わし,舌切雀,桃太郎,勝々山,猿蟹合戦,花咲爺,浦島太郎などを長歌に詠じたのが,まとまった文献にみえる初めである。『浦島太郎』などの説話は,御伽草子や,赤本黒本などで一般に広まり,「わらべものがたり」「むかしばなし」などと呼ばれていたが,明治期の 1894年頃巌谷小波 (いわやさざなみ) が「お伽噺 (とぎばなし) 」の呼称を用い,一般化した。これら伝承物語とは別に,明治期には直接児童を対象とした創作,翻訳物がつくられるようになり,小波,久留島武彦らによる童話口演が行われた。 1910年には小川未明の童話集『赤い船』が生れ,大正に入ると,児童文芸雑誌『赤い鳥』,『金の船』 (のち『金の星』) ,『童話』が相次いで発刊され,近代的な児童文学としての「童話」が定着,多くの創作童話の秀作が生れた。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

どう‐わ【童話】
子供のために作られた話。昔から語り伝えられてきたおとぎ話伝説寓話(ぐうわ)などを含む。狭義には特に創作された物語をさし、日本では鈴木三重吉小川未明らによって発展した。
[補説]書名別項。→童話

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監修:松村明
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どうわ【童話】[書名]
童話雑誌。大正9年(1920)コドモ社より創刊選者西条八十。大正15年(1926)7月号をもって終刊

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世界大百科事典 第2版

どうわ【童話】
子どものための物語の呼称であるが,概念広狭の差があり,時代の変遷によってもさまざまである。現在はメルヘンMärchenの,または空想性を主とした創作の意に限ろうとしているが,かならずしも適切とはいえない。種類,様式別に,幼年童話,生活童話などと呼ぶこともある。童話という言葉の意味を時代順にたどると,次のようになる。江戸時代には昔話の意に使った。曲亭馬琴は《燕石雑志》(1811)の中で,〈昔より童蒙(わらわべ)のすなる物語〉と呼び,山東京伝は《骨董(こつとう)集》(1814‐15)の中で〈むかしばなし〉としている。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

どうわ【童話】
子供のために作られた話。古くから伝えられたおとぎ話や寓話ぐうわなどのほか、創作された物語があり、日本では巌谷小波いわやさざなみの「こがね丸」(1891年)が近代童話の初めとされる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

童話
どうわ
説話の諸形式を基礎として自由に創作された、子供をおもな読者とする文学の一形式。ことばそのものは、江戸期の山東京伝(さんとうきょうでん)が随筆『骨董(こっとう)集』上編(1814)のなかで「むかしばなし」と読ませ、曲亭馬琴(ばきん)も同じく随筆『燕石襍志(えんせきざっし)』(1810)で「わらべものがたり」と読ませて使っている。ともに子供にふさわしい昔話をさしていた。
 明治期に使われた最初の例は、木村小舟(しょうしゅう)の『少年文学史』明治篇(へん)下巻(1942)によれば、1899年(明治32)に開発社という出版社が「修身童話」という幼児向きの読み物を発刊したときであるという。木村は同書で「同じく昔物語、或(あるい)は伝説口碑の類も、これを文学的に取扱ふ時は、お伽噺(とぎばなし)といひ、それが教育的に描かれた場合には、お伽噺といはずして童話と称する――中略――かういふ一種の見方も、もはや今日よりすれば、亦大(またおほい)に異論もあらうが、此(こ)の当時は、大体かやうに区別を立てたものであつた」と述べている。事実、蘆谷蘆村の『教育的応用を主としたる童話の研究』(1913)および『童話及伝説に現れたる空想の研究』(1914)での童話は昔話をさしている。
 童話が新しい意味をもって使われたのは1918年(大正7)創刊された雑誌『赤い鳥』からである。創始者鈴木三重吉(みえきち)は発刊パンフレットに「童話と童謡を創作する最初の文学的運動」と創刊の主旨を述べたが、この場合の童話とは、小川未明(みめい)のいう「……子供の心境を思想上の故郷とし、子供の信仰と裁断と、観念の上に人生の哲学を置いて書かれたものは私達の求める『童話』であります」(『金の輪』序文、1919)とほぼ同じものであっただろう。これは、子供を無垢(むく)な心の持ち主とする児童観と、新しいものの考え方が生まれた大正という時代が生んだ子供の文学の概念であった。
 1918年の米騒動や小作争議、労働争議、1920年の第一次世界大戦後恐慌などは人々の目を現実に向けさせた。子供の文学にも現実への関心が深まり、童話にもたとえば千葉省三(しょうぞう)の『虎(とら)ちやんの日記』(1925)、坪田譲治(じょうじ)の『善太と汽車』(1927)など子供の日常を描き、非現実的要素のないものが増えた。そして、それは、プロレタリア児童文学運動などによってさらに進み、写実的な短編小説に近いものまで生まれるに至った。大まかな意味で昔話的形式を用い、非現実的要素が容認された想像の世界の物語から、写実的、日常的な世界の物語への童話の内容の変貌(へんぼう)であった。だが、写実的なのはいわば表面であり、内実は純粋に現実でない理想の小世界という意味で、やはり童話の枠内であった。
 第二次世界大戦後、小説的方法の発達で長編のリアリズムが主流になるとともに童話は子供の文学全体の名称でなく、本来の範囲を示す名称となった。[神宮輝夫]
『『日本の児童文学』(『菅忠道著作集1』1983・大月書店) ▽日本児童文学学会編『日本児童文学概論』(1976・東京書籍)』

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精選版 日本国語大辞典

どう‐わ【童話】
〘名〙 児童文学の一ジャンルで、民間に伝承されていたお伽話や英雄譚、伝説、説話、寓話(ぐうわ)などを含む。特に児童文学者によって童心を基調として児童のために創作された物語をさすことが多い。日本では明治時代の巖谷小波(いわやさざなみ)などを先駆として、大正時代、「赤い鳥」の児童文学運動によって盛んになった。
[補注]「随・燕石雑志(一八一一)四」に「童話(わらべのものがたり)」とある。

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