●笄【こうがい】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
笄
こうがい
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デジタル大辞泉
けい【笄】[漢字項目]
かんざし。かんざしをさす。「笄年/加笄」
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こう‐がい〔かう‐〕【×笄】
1 髪をかき上げるのに使った、箸(はし)に似た細長い道具。銀・象牙などで作る。
2 女性の髷(まげ)に横に挿して飾りとする道具。金・銀・水晶・瑪瑙(めのう)・鼈甲(べっこう)などで作る。
3 刀の鞘(さや)の差表(さしおもて)にさしておく篦(へら)状のもの。髪をなでつけるのに用いる。
4 「笄髷(こうがいわげ)」の略。
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世界大百科事典 第2版
こうがい【笄】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
笄
こうがい
女性の髪飾りの一種で、棒状をなしているのが特色である。最上級品はべっこうでつくられ、象牙(ぞうげ)、金銀の蒔絵(まきえ)のなかには螺鈿(らでん)を施したものもある。まがい物のべっこうは馬爪(うまのつめ)でつくられ、色はべっこうに比べると淡い。最近は、合成樹脂に薄いべっこうを張り合わせたものもある。だいたいその形は細長い棒状で、両端を角切りにしたり、楕円(だえん)形にしたり、なかには花笄といって差し込み式になって、両端に手の込んだ牡丹(ぼたん)などの花を細工したものもある。また大きな耳かきを細工したものもある。花笄は、婚礼の際に花嫁が文金高島田に挿すもので、松竹梅や鶴亀(つるかめ)をあしらった寿(ことぶき)模様が多いのは、髪飾りとして一段と華やかにするためである。また日常生活では、若い人たちは笄の一方だけに花鳥の飾りをつけるのを普通とした。
元来、笄は、当初は女性よりも男性の用いるもので、髪かきとして用いられた。つまり冠帽をかぶっていた時代には頭髪が蒸れ、また戦乱が日夜打ち続くようになってからは絶えず冑(かぶと)をかぶっていたため、髪をかく必要があり使われ始めたことによる。頭をかくために、柔らかく曲げられる金属が用いられた。女性が用いるようになったのは、江戸時代になって下げ髪を始末するためであり、笄を利用した髪形の笄髷(まげ)の発生につながる。江戸時代初期の材料は、鯨(くじら)や鶴の脛骨(けいこつ)が用いられ、べっこうが用いられたのは元禄(げんろく)時代(1688~1704)、蒔絵は8代将軍徳川吉宗(よしむね)の享保(きょうほう)の改革(1716~45)以後である。
笄の華やかな発達は、遊里と関係が深く、仏像の光背のように挿すようになったのは寛政(かんせい)の改革(1787~93)以後で、錦絵(にしきえ)の世界からこれを知ることができる。そして、民間でも2本挿すのが普通となったばかりでなく、上方(かみがた)では笄ざしというものを紙でつくり、これを、髪を結うときに髷の下に結び付けて、この中に通すようになった。明治になって、日本髪よりも手早く簡単に結える束髪(そくはつ)が流行してから、しだいにその影が薄くなったが、それでもその命脈は、第二次世界大戦までは年配者の間にわずかに残っていた。
[遠藤 武]
『喜田川守貞著『類聚近世風俗志』(1934・更生閣)』▽『貴志孫太夫稿本『鵜真似草子』(安政年間・国立国会図書館本)』
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精選版 日本国語大辞典
こう‐がい かう‥【笄】



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