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第一次集団【だいいちじしゅうだん】

大辞林 第三版

だいいちじしゅうだん【第一次集団】
日常的に直接接触し、相互に一体感と連帯感を共有している集団。家族・近隣集団・遊戯集団など。アメリカの社会学者クーリーが創出した集団の概念。 → 第二次集団

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

第一次集団
だいいちじしゅうだん
primary group
アメリカの社会学者C・H・クーリーが『社会組織』(1909)のなかで提唱した集団概念。典型的には、家族、遊戯集団、近隣集団にみられるように、その特徴は人々の対面的face-to-faceな親密な接触primary contactに基づく結合からなり、成員間には「われわれ」ということばで示されるような強い共感・一体感が共有されている。こうした構造的特徴は、子供にとって自己概念や人間性human natureの形成に関する、いわば苗床のような第一次的重要性をもつ集団であるとされた。すなわち、子供の自己概念の形成は、彼が信奉する人々(重要な意味をもつ他者)の彼自身に対する評価に規定され、そこから子供の誇りや自尊心、恥や虚栄の感情が生まれる。また、第一次集団での経験を通して、愛や奉仕、フェアプレーの精神、真実や正義などのいわゆる第一次的価値理念が内面化される。このような人間性形成のメカニズムは文化差を超えて普遍的であり、またこのような第一次的価値理念は、より複雑な全体社会の統合の基礎として機能しているとした。クーリーはまた、開放社会における民主主義や世論の結晶化も、こうした潜在的な道徳的統合力なしには機能しないと論じ、他方、社会の産業化とともに、物質主義的価値観が第一次集団の機能を衰退させつつあることも指摘した。
 クーリーの理論は、民主主義に関するその楽観論が批判されているほか、とくにL・L・バーナードは、大規模な組織は第一次集団と異なり、派生的・特殊的な価値理論がそのプロセスを統制していると批判した。なお、表面的・非人格的な、打算的・契約的な第二次接触に基づく第二次集団secondary groupの概念や、組織のなかの小集団の第一次集団的機能に注目した擬似的第一次集団pseudo-primary groupの概念などがその後使われるようになった。[大塩俊介]
『C・H・クーリー著、大橋幸・菊池美代志訳『社会組織論』(1970・青木書店)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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