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第三紀霊長類【だいさんきれいちょうるい】

日本大百科全書(ニッポニカ)

第三紀霊長類
だいさんきれいちょうるい
Tertiary primates

地質時代第三紀に生息した霊長類。化石の形でのみ知ることができる。中生代末に最初の哺乳(ほにゅう)類が出現し、続く第三紀に哺乳類は多種多様に適応放散した。霊長類はそのうちの一枝として分岐し、さらに分化し、進化した。霊長類が主として生息した森林環境は死後の遺体を保存させる条件が悪いため、出土する化石のほとんどは不完全な破片骨である。しかし、現生のサル類や人類は第三紀霊長類の後裔(こうえい)であるため、第三紀霊長類の研究と解明がいっそう必要である。暁新世には今日の原猿類の祖型が現れるが、大部分は北アメリカ大陸から発見されている。始新世になると原猿類からキツネザル的なものとメガネザル的なものが出現し、北アメリカばかりでなく、ヨーロッパやアジアからでも発見されている。漸新世の霊長類化石は数多くないが、エジプトのファイユームから、この時代の重要な化石である高等霊長類との近縁性が考えられるパラピテクスやアピィディウムやプロプリオピテクスが発見されている。中新世になると、プリオピテクスがヨーロッパ各地から出土するが、これはテナガザルの祖先と考えられている。さらに中新世後期から鮮新世初期にかけてドリオピテクスがヨーロッパ、アフリカ、アジアから発見されるが、これは現生大型類人猿の祖先とみられている。第三紀の末期である鮮新世にはヒト上科の進化が進み、その一つとして、オレオピテクスはヒト科の一員と考えられることもあったが、今日では否定されている。またラマピテクスは人類の祖先として重視されたが、今日ではオランウータンに近いシバピテクスの仲間と考えられている。そういうなかにあって、最古の人類と考えられているアルディピテクスや初期のアウストラロピテクス類、そしてホモ・ハビリスは第三紀鮮新世に端を発していることが明らかになっている。なお、オナガザルの祖先であるメソピテクスなどは鮮新世に属するが、これらオナガザルやオマキザルなど、新旧両世界の広鼻猿類・狭鼻猿類の起源はいまだはっきり断言できるものがない。

[香原志勢]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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