●第三紀【だいさんき】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
第三紀
だいさんき
Tertiary Period
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デジタル大辞泉
だいさん‐き【第三紀】
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世界大百科事典 第2版
だいさんき【第三紀 Tertiary period】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
第三紀
だいさんき
Tertiary
地質時代の旧区分の一つ。中生代最後の白亜紀と新生代最後の第四紀の間の、新生代の大部分を占める時期で、およそ6600万年前から258万年前までの時代をいう。「第三紀」は、以前は公式の用語であったが、2008年、国際地質科学連合(IUGS)により「新第三紀」と「第四紀」の境界について新しい定義が発表(2009年に批准)された際に年代層序の用語も見直され、古第三紀(暁新世(ぎょうしんせい)、始新世、漸新世)、新第三紀(中新世、鮮新世)の総称として使われる非公式用語となった。新第三紀に次の更新世を含める意見もあるが、一般には更新世は第四紀として区別している。
第三紀に形成された地層を第三系というが、一般には未固結な岩石からなる。第三系の層序区分は、古典的には1832年にライエルによる地層中に含まれる軟体動物化石のうち現生種の含まれる割合によってなされた。1970年代から、層序区分は、浮遊性有孔虫、珪藻(けいそう)、放散虫などの海生の浮遊性微化石による生層序や、古地磁気層序および放射性同位体による年代層序などを組み合わせて行われている。
ユーラシア大陸では、古生代以後存在したテチス海の縮小によって、古第三紀のおもな造山期や新第三紀の大隆起でヒマラヤ―アルプス山脈が形成された。それと関連して、南アメリカおよび南極大陸とともに一つのゴンドワナ大陸をつくっていたアフリカ、インドおよびオーストラリアが、ゴンドワナ大陸の分裂によって北上し、とくにインドはユーラシア大陸と衝突してヒマラヤ山脈の隆起をもたらし、アフリカはアルプス山脈の隆起をもたらした(プレートテクトニクス)。アメリカ大陸では、北アメリカのコルディエラから南アメリカのアンデスに続く山脈が古第三紀に主たる造山期を経て、新第三紀の激しい隆起によって形成された。気候は中新世中期以降、温暖から寒冷へと移り変わった。始新世および中新世初期の海進は著しく、漸新世および鮮新世は海退期で特徴づけられる。
第三紀が中生代ともっとも異なる点は、アンモナイトや恐竜などの中生代型生物の中生代末の絶滅から現代型の生物へと移り変わったことである。また第三紀は二枚貝、巻き貝、ウニ類、有孔虫類、甲殻類の分化や多様化が進んだことによっても特徴づけられる。新生代は哺乳(ほにゅう)類の時代とよばれるように、哺乳類の発展が特徴的である。最初の哺乳類はすでに中生代の三畳紀後期に出現した。以来哺乳類は約1億年以上の間、大形の恐竜と共存してきた。しかし、この哺乳類はずっと小形で、恐竜のように陸上の支配者にはなれなかった。第三紀に入ってからの哺乳類の繁栄は、中生代末の恐竜の集団的絶滅や陸上の環境要因の変化や花を咲かせる被子植物の発展などと深く関係する。恐竜の占めていた生活空間は哺乳類がかわって占有するようになった。このような恐竜や他の中生代型の生物の白亜紀末の集団的絶滅を説明する多くの説が提案されてきたが、その一つに、隕石衝突説(いんせきしょうとつせつ)がある。隕石の地球への衝突に伴って、火山活動の活発化や気候の寒冷化や海水準の低下など各種の環境変動が知られるようになった。隕石衝突の証拠は地球の表層にはない重い元素イリジウムと衝撃石英を含む粘土鉱物層の存在にあるという。前者は、地球外から隕石によってもたらされたといわれ、また後者は、並行で平滑な幾対もの割れ目の存在で隕石の衝突によって形成されたと考えられている。それらの存在の前後で化石生物相に大きな変化(大量絶滅)があったことは確かであるが、同じ原因が白亜紀後半の約3000万年間に、化石生物相の生物の大規模な分類群の減少をもたらしたのではない。第三紀には、始新世後期(3650万年前)や中新世中期(1500万年前)にも生物の大規模な絶滅が知られているが、それらも隕石衝突とは異なる原因の絶滅と考えられる。第三紀の植物の特徴は、中生代白亜紀以降発展した被子植物の全盛である。古第三紀と新第三紀の植物は大差ないが、後者は気候帯の分化や地域化が著しい。それらは中生代白亜紀よりも現代的な様相をもつ。
[山口寿之 2015年8月19日]
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精選版 日本国語大辞典
だいさん‐き【第三紀】
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旺文社世界史事典 三訂版
第三紀
だいさんき
現在に近い生物,哺乳 (ほにゆう) 類,被子植物が繁栄・発展した。
出典:旺文社世界史事典 三訂版
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