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第四紀【だいよんき】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

第四紀
だいよんき
Quaternary
地質時代の年代区分の一つで,新生代新第三紀末の約 258万年前から現在にいたる更新世完新世に二分される。新第三紀末に比べ顕著に気温が低下し,氷河発達,数回の氷期間氷期の繰り返しがみられ,更新世は最大の氷河時代であった。これに伴って古気候海水準生物群の変動が認められる。この時期に現在の地形景観形成が行なわれた。生物はほぼ現在と変わらないが,人類が出現し活動しだした時期である。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

だいよん‐き【第四紀】
地質時代の区分の一。新生代最後の時代で、約170万年前から現在まで。更新世完新世とに区分される。氷河時代にあたり、人類が発展し、現在の地形が形成された。だいしき。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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だいし‐き【第四紀】

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世界大百科事典 第2版

だいよんき【第四紀 Quaternary period】
新生代の第三紀の後につづく紀で,地質時代の最後の紀である。第四紀はさらに氷河時代の更新世(洪積世)と後氷期の完新世(沖積世)に区分され,全体が約200万年前から現在までを含む時代である。なお,慣用的に〈だいよんき〉と読まれるが,正しくは〈だいしき〉と読む。 第四紀の名は,はじめ1829年にデノアイエJ.Desnoyersがパリ盆地で第三系に重なる海成の砂礫層の年代名とした。C.ライエルは1833年,貝化石の現生種の百分率にもとづく区分で,第三系の最上層を新鮮新,そして人類の遺物を含む地層を人類の時代という意味の現世と命名した。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

だいしき【第四紀】

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日本大百科全書(ニッポニカ)

第四紀
だいよんき
Quaternary period

地質時代の区分の一つ。第四紀は約258万年前から現在に至るまでの時代である。第四紀に形成された地層を第四系という。18世紀ころから地層を、堅さ、変質度、構造などをもとに分けて、古いほうから第一紀(Primary)、第二紀(Secondary)、第三紀(Tertiary)とよんで区分していた。1829年フランスの地質学者デノワイエJules Desnoyers(1800―1887)は、パリ盆地の第三紀層を覆う砂礫(れき)層に対しこれを第四紀層とよぶことを提唱した。19世紀後半には第一紀、第二紀ということばは、ヨーロッパ各地でさまざまに使われたため矛盾が多くなり、ほとんど使用されなくなった。化石の対比をもとに、古生代、中生代、新生代という新しい概念も生まれてきた。第三紀と第四紀は新生代とされた。

 第四紀は更新世(約258万年前~約1万1700年前)と完新世(約1万1700年前~現在)とからなる。第四紀は、ほかの地質時代区分と比較して非常に短い期間であるが、人類の出現と進化の時代であること、および過去の情報がほかの時代と比べて大量によく保存されていることなどが特徴である。

 第四紀の始まり(鮮新世―更新世の境界)についてはさまざまな議論を経てきた。まず1948年の万国地質学会議で、イタリアのカラブリアン(海成層)とビラフランキアン(陸成層)の下限とするように勧告された。その後1984年になってようやく、イタリア南部のブリカの地層(ブリカセクション)を指定し、地磁気で決定する時代であるオルドバイ正磁極亜期の上限約180万年前を第四紀の始まりとした。ところが1992年の京都の万国地質学会議では松山逆磁極期とガウス正磁極期の境界である約260万年前を第四紀の始まりにしたいという意見が大勢を占めた。第四紀の特徴であるホモ属の出現、急激な気候の周期変化、黄土(レス)の堆積(たいせき)開始が期せずして松山―ガウス境界にあたること、逆に、これまで第三紀と第四紀の境界の模式地とされていたイタリアのブリカの地層では、この境界をはさんで地層に大きな断絶がなく、連続していることなどが理由としてあげられた。その後もさまざまな議論があり、ようやく2009年に国際地質科学連合(IUGS)により「第四紀は約258万年前から現在」と再定義された。前年の2008年には、これまで古第三紀(Paleogene)と新第三紀(Neogene)の総称であった第三紀は非公式用語となり、地質時代の名前のうち順番を表すものは、最後の第四紀のみが残った。

 第四紀はいわゆる氷河時代であり、気候は第四紀以前の新第三紀に比較して寒冷である。寒冷化は一方的に進行したのではなく、寒冷化と温暖化は交互に起こり、氷床や山岳氷河の拡大と縮小、世界的な海面の低下と上昇、生物分布域の移動などが繰り返し起きた。振幅の大きい急激な気候の周期変化は、表面海水の温度の変動を導き、地球化学的には酸素同位体比の変動として記録される。セルビアの天文学者で数学者のミランコビッチMilutin Milankovitch(1879―1958)は1930年に、地球軌道要素(地軸の傾き、公転軌道の離心率、地軸の歳差運動)の周期的変化によって気候変化が生じるとした(ミランコビッチ・サイクル)。1970年代より、深海堆積物に残された記録が丁寧に調査され、ミランコビッチの唱えた変動が確認されている。寒冷化に伴って地球規模での乾燥化も促進され、世界各地に黄土などの特殊な陸成堆積物が分布している。

[矢島道子 2015年8月19日]

生物

生物群は現生種との共通性が非常に高いが、更新世に繁栄した陸生動物には絶滅したものもある。北半球の高緯度地帯に生息したマンモスゾウやケナガサイなどはその好例である。中緯度地方では寒冷気候下に生息するものと、温暖気候下に生息するものの両者が交互に現れ、気候の変動とともに広域にわたる生物の移動が行われたことがわかる。気候変化だけでなく、氷河の発達と縮小に起因する海退、海進は生物の分布に大きな影響を与えた。

 最初の人類であるアウストラロピテクスの仲間は700万年前のサヘラントロプス・チャデンシスSahelanthropus tchadensis(アフリカ中部に生息していた霊長類)と考えられているが、約260万年前にはアウストラロピテクスの歩んだ道とは別のホモ属が現れ、約150万年前にはアウストラロピテクスのほうは絶滅してしまった。人類は気候変化の激しい更新世を生き続け、進化して、熱帯から寒帯まで、旧大陸から新大陸・オセアニアまで分布範囲を広げ、完新世を迎えて世界各地で農業を開始し、人口が爆発的に増加し、文化を発展させた。

[矢島道子 2015年8月19日]

日本の第四紀

一般に第四紀層は氷河成砂礫層や段丘堆積物で特徴づけられるが、日本では各地に段丘堆積物がみられるとともに、非常によく連続した海成堆積物が地殻変動の影響で陸化した房総半島、男鹿(おが)半島、大阪平野などにみることができる。しかも絶対年代のわかる火山灰鍵(かぎ)層が無数に確認され、第四紀の実相はよくわかってきている。

[矢島道子 2015年8月19日]

『町田洋・新井房夫・森脇広著『地層の知識――第四紀をさぐる』改訂新版(2000・東京美術)』『田渕洋編著、阿部祥人・岩田修二・小泉武栄他著『自然環境の生い立ち――第四紀と現在』第3版(2002・朝倉書店)』『池田安隆他編『第四紀逆断層アトラス』(2002・東京大学出版会)』『町田洋・大場忠道・小野昭他編著『第四紀学』(2003・朝倉書店)』『日本第四紀学会・町田洋・岩田修二・小野昭編『地球史が語る近未来の環境』(2007・東京大学出版会)』

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精選版 日本国語大辞典

だいし‐き【第四紀】
〘名〙 =だいよんき(第四紀)〔英和和英地学字彙(1914)〕

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だいよん‐き【第四紀】
〘名〙 地質時代の一区分。新生代の最後の紀で、約一七〇万年前から現在に至る。数回の氷河期と間氷期が訪れ、その間に栄えたマンモスは最終の氷河期に絶滅したが、温暖化が始まって人類は大きく発展した。第四紀の大部分を更新世(洪積世)、最近の約一万年を完新世(沖積世)と分ける。だいしき。

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旺文社世界史事典 三訂版

第四紀
だいよんき
地質年代の新生代末期を占める時代で,約250万年前から現在に至る期間をさす
生物はほとんど現生種で,初めて人類が出現した。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
執筆者一覧(50音順)
小豆畑和之 石井栄二 今泉博 仮屋園巌 津野田興一 三木健詞
 
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第四紀
だいしき

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