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筧網【かけいあみ】

日本大百科全書(ニッポニカ)

筧網
かけいあみ
漁業の網漁具の一種。敷網類のうち、雑敷網に属する。鹿児島県屋久(やく)島、種子(たねが)島周辺で行われていたトビ敷網に、箕(みの)状の袋(嚢(ふくろ))網と長い袖網(そであみ)と引綱を取り付けたもので、敷網に巻網の漁獲方法を加えた形態である。このような網型を別名で八田縫切(はちだぬいき)り網、八手(やつで)縫切り網ともよび、かつては九州方面でさかんに操業されていた。筧網の操業は、漁具規模が大きく、30~40人で夜間集魚灯による集魚を行ういわゆる夜焚(よだ)き方法による。
 漁具は、箕状の袋網、袖網と浮子(あば)綱、乗上げ綱、手綱、引綱から構成される。袖網の引綱側は大目網仕立てで、浮子は浮樽、浮子玉を使い、沈子(ちんし)はオデ石(自然石)を袋網の下部の乗上げ綱(添綱)に5~6個取り付け、乗上げ綱を沈降させて網口を広げる。引綱側でない袖網下部には鉛製の沈子を取り付ける。
 灯船(ひぶね)、網船、口船(くちぶね)の3種の船を用いる。操業の手順として、あらかじめ灯船が魚群を袋網のほうに誘導し、網船2隻は舫(もやい)を取って並走し、漁場では灯船の潮下で舫を解いて魚捕部から身網を投入する。灯船は徐々に魚群を網船の方に誘導する。網船と灯船との距離は50~70メートルで、両網船は左右に分かれ袖網から引綱の順に投入していく。口船2隻は、両袖網が潮流に流されないように中央部付近の浮子綱にロープをつけて両袖を横に拡張させる。引綱を投入し終わった両網船は接舷し舫を取り、魚群が下方へ逃げる通路を断つべく手綱を絞り、引綱を繰り込んで袖網部に達したら、沈子部を船首側にして浮子方は船尾部に揚網する。灯船は消灯して網外に脱出する。口船は、網船が揚網中に袋側へ寄らないよう網船を潮上に向けて引っ張る。最後は漁獲物を口船に収容する。
 漁期は4~6月、8~12月の2期あるが、主要漁期は秋季で一般に晴天の暗夜、凪(なぎ)の日が好漁、漁場は夏季は沿岸側、秋季は沖合で水深60~80メートル、網裾(あみすそ)は着底させないで操業するよう配慮する。[添田秀男]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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