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【そう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典


そう
中国,日本の弦楽器名。ロング・ツィター属の一種。箏の起源は中国にあるが,日本の箏およびその音楽が代表的。日本では普通「こと」と呼ばれる。朝鮮にも同様の構造をもつ大箏,伽 倻があるが,大箏は現在は用いられない。またモンゴルにも中国の古箏と同様なシトクがあり,ベトナムには中国の新しい金属 16箏と同じダン・トランがある。箏は女性的で繊細な音色をもち,管弦合奏,独奏,歌の伴奏に用いられる。箏は中国の戦国時代 (前 403~221) に秦でつくられたといわれる。初めは5弦であったらしいが,漢代には 12弦となり,のちに 13弦,14弦,15弦,16弦箏ができた。現在中国では 13弦箏と 16弦箏が行われ,金属弦の 16弦箏が普及しているが,これは,金属弦を尾部上面の糸巻に巻いて調律するところが古製と異なる。日本へは奈良時代に唐製 13弦箏が伝来し,楽箏筑紫箏俗箏,琉球箏などとして広く用いられている。日本のこれらの箏は,形態および構造に大きな差異はない。古くから箏全体を竜にたとえて,竜甲,竜腹,竜額,竜尾などの名称をつけている。胴 (槽) の長さは楽箏では 195cm,俗箏では約 180cmのものが一般に用いられており,幅はいずれも約 25cm,厚さは4~5cmである。胴はキリでつくり,胴面と水平に 13本の絹弦を張り,各弦に可動の (じ) を立てて調律する。弦は,頭部を右にして手前へ,一二三四五六七八九十斗 (と) 為 (い) 巾 (きん) と呼ぶ。弾奏用の爪は箏の種類,流派により材料,大きさが異なり,楽箏が竹製で最も小さく,筑紫箏はそれよりやや大きい。俗箏の爪は象牙か獣骨製で,現在では,生田流は四角い角爪,山田流は楕円形の丸爪を用いる。奏者は箏の頭部を右にしてすわり,右手の親指,人差指,中指に爪をはめて弾き,左手で柱の左側の弦を押して音を高めたり,装飾音を生じる。調弦法は楽箏では,現在では主として6種類,俗箏には最も基本的な平調子雲井調子のほか,半雲井調子,中空調子 (なかぞらちょうし) など多くの種類があるが,平調子,雲井調子以外の調弦名は流派,系統によって一定しない。

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デジタル大辞泉

そう〔サウ〕【×箏】
弦楽器の一。長さ180センチ前後の中空の胴の上に絹製の弦を13本張り、柱(じ)で音階を調節し、右手の指にはめた爪(つめ)で演奏する。奈良時代に中国から伝来。雅楽用の楽箏(がくそう)のほか、箏曲用の筑紫箏(つくしごと)・俗箏(ぞくそう)などがある。→琴(きん)琴(こと)

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監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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そう【箏】[漢字項目]
[音]ソウ(サウ)(漢) [訓]こと
弦楽器の一。そうのこと。「箏曲楽箏

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世界大百科事典 第2版

そう【箏】
弦楽器。東アジアの琴・箏類(ロング・チター属)の一種。細長い胴の表面に水平に多数の弦を張り,柱(じ)を立てて調律したもの。1弦1音を原則とするが,弦を左手で押したり引いたりすることにより半音から1全音半くらい音高を上げ下げすることができる。柱を用いない琴(きん)とは異なるが,日本や朝鮮では,古くから〈琴〉の字をあてて箏類をもさすことがある。単に箏と称するもののほかに,同類の楽器として,中国の瑟(しつ),朝鮮の伽倻琴(かやきん),大箏(たいそう),牙箏(がそう),日本の和琴(わごん),モンゴルのシトク(ヤトク,ヤタグともいう),ベトナムのダン・チャンなどがあり,撥弦楽器が主流であるが,牙箏のように擦奏するものもある。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)


そう

東アジアのチター属長胴撥弦(はつげん)楽器。単に「箏」といわれるもの以外に、中国の瑟(しつ)、朝鮮の伽倻琴(かやきん)、日本の和琴(わごん)なども箏に類する。日本では近世以来、箏の別名を「琴(こと)」といったために琴(きん)と箏とは紛らわしいが、厳密には調弦用の柱(じ)のないものを琴(きん)、柱のあるものを箏として区別している。

[平山けい子]

歴史と種類

箏は中国の戦国時代(前5~前3世紀)に侯国の一つ秦(しん)で生まれたといわれ、秦箏ともよばれた5弦の楽器であった。漢代、ことに後漢(ごかん)(25~220)には俗楽の一種である清楽(せいがく)用として12弦の箏があり、同じころか少し遅れて13弦の箏も現れる。続いて三国時代と晋(しん)代には12弦の箏が一般的であったが、唐代(618~907)では12弦を清楽に用い、その他は13弦が一般に用いられた。

 日本へはこの13弦の箏が奈良時代に伝来して、雅楽の管絃(かんげん)の編成楽器として用いられた。これを楽箏(がくそう)という。その後、室町時代に雅楽と中国の七絃琴の音楽の影響下に、九州・久留米(くるめ)の善導寺(ぜんどうじ)において賢順(けんじゅん)(?―1636)が筑紫(つくし)流箏曲(筑紫箏(ごと))を確立した。これを母体として、江戸時代初期の八橋検校(やつはしけんぎょう)以降、近世箏曲(八橋流、生田(いくた)流、山田流(やまだりゅう)などのいわゆる俗箏(ぞくそう))が成立し、大発展を遂げた。さらに、大正時代、新箏曲の出現とともに、低音用の十七絃、十五絃、独奏楽器としての八十絃、三十絃、二十絃などの多弦箏がつくられた。

 箏は使用される音楽の種類により、雅楽の楽箏、筑紫流箏曲の筑箏(ちくそう)、近世箏曲の俗箏、新箏曲の新箏と分類されるが、筑箏も含めて俗箏ということもあり、いずれも便宜的な名称にすぎない。現在では一般に箏または「こと」といえば、生田流や山田流で使用される箏をさす。それぞれの箏は、大まかな構造や形態はよく似ており、付属の柱や爪(つめ)に相違がある。

[平山けい子]

構造

普通、箏を竜の体に例え、竜頭(りゅうとう)、竜腹(りゅうふく)、竜尾(りゅうび)などという。材質は、槽(そう)(胴)には桐(きり)、両端の装飾部と竜角(りゅうかく)、雲角(うんかく)には唐木を用い、象牙(ぞうげ)で飾ることもある。また、金蒔絵(まきえ)や螺鈿(らでん)などを施した装飾のあるものもある。大きさはいろいろあり長さは一定しない。普通全長5~6.4尺(152~194センチメートル)くらいのものを用いる。幅は頭部で約25センチメートル、尾部はやや細くなっており、厚さは3~4センチメートルである。弦は絹製の13弦を平行に張り、頭部を右にして向こう側から順に一、二、三……十、斗(と)、為(い)、巾(きん)とよぶ。最近では、ナイロン、テトロンなどの化学繊維のものも用いられる。太さは箏の種類、流派、演奏者個人によって異なる。各弦の中間の胴面に可動の柱(琴柱(ことじ)、箏柱(ことじ))を立てて、その位置の調節により音の高さを定める。柱は、シタン、象牙、プラスチック製のものがある。

 弾奏に用いる爪(琴爪(ことづめ))は、爪頭(つめがしら)と爪帯(爪袋ともいう)からなる。爪頭は、箏の種類、流派により形と大きさが異なり、楽箏用がもっとも小さく、筑紫箏、生田流、山田流の順に大きい。形は、生田流は現在では長方形で、角爪(かくづめ)とよぶ。山田流は楕円(だえん)形に近く、先端をややとがらせてある。これを丸爪(まるづめ)とよぶ。材質は、楽箏用は竹または獣骨や鹿(しか)の角など、俗箏用は象牙である。爪帯は楽箏用がもっとも太く猫皮製、俗箏では生田流のものがもっとも細く、革、布、紙などでつくる。

[平山けい子]

奏法

演奏者は箏の頭部を右にして座る。楽箏では安座し(あぐらをかき)、俗箏では正座する。なお、生田流だけが箏に向かって斜め、ほかは直角に座る。そして、琴爪を右手の親指、人差し指、中指にはめ、柱と竜角との間の竜角に近い箇所の弦を弾奏する。楽箏ではおもに右手は単音を奏したり、分散和音風な旋律型を奏する(閑掻(しずがき)、早掻(はやがき))。左手は、古くは臨時的な音を補うのに使われたが、室町末期に廃れ、現在では用いられない。俗箏では右手は五拍の分散和音風の旋律型を奏したり(かけ爪)、爪の裏を利用してグリッサンドを奏する(裏連(うられん))など、多種の手法がある。左手は、右手で弾奏する際に柱のやや左を押して調弦音よりも高い音を出したり(押し手)、余韻を消したり(消し)など、いろいろな装飾音的手法に使われる。また、明治以降には左手で弦を弾(はじ)くピチカート奏法も行われるようになった。

[平山けい子]

調弦

楽箏には、現在では平調(ひょうじょう)、黄鐘調(おうしきちょう)、盤渉調(ばんしきちょう)、壱越調(いちこっちょう)、双調(そうじょう)、大食調(たいしきちょう)の6種類がおもに用いられる。また、筑紫箏は楽箏の調弦法を用いる。しかし、俗箏は、八橋検校が筑紫箏から改革して陰音階による平調子(ひらじょうし)を考案したといわれ、その後、雲井調子(くもいじょうし)、中空調子(なかぞらじょうし)など、種々の調弦がくふうされた。しかし、その音高は絶対音ではなく、声の調子などにより変えるので、各弦間の音程だけが定められている。また、その名称は流派、地域によって異なり、同一名称でも違う調弦の場合も多い。さらに、曲によっては途中で柱を動かして調弦を変える場合もあり、名称がなくても実用されている調弦もかなりある。また明治以降、新しくくふうされ特定の名称をつけたものなど、非常に多種の調弦法がある。

[平山けい子]

『津田道子著『箏の基礎知識』(1983・音楽之友社)』

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精選版 日本国語大辞典

しょう シャウ【箏】
〘名〙 (「じょう」とも。「しょう」は「箏」の呉音) 弦楽器の一つ。一三弦を細長い木製の胴の上に張り、柱(じ)で弦の張りぐあいを調節し、右手の親指、食指、中指に義爪をはめて弦をはじいて鳴らす。しょうのこと。そうのこと。そう。〔色葉字類抄(1177‐81)〕

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そう サウ【箏】
〘名〙 弦楽器の一つ。長さ五尺(約一・五メートル)から六尺(約一・八メートル)の木(桐が普通)の胴に一三本の弦を張り、各弦を山形の柱(じ)という駒で支え、その位置によって音高を整え、右手の爪で弾くもの。現在「こと」といえば、普通これをさす。もと、十数本の弦をもつものが中国で発達し、奈良朝前に日本に伝来し、雅楽に用いられていたが、室町時代に筑紫流箏曲が起こり、近代箏曲のもととなっている。雅楽で用いるものを楽箏(がくそう)、一般に行なわれているものを俗箏(ぞくそう)と称している。平安時代には「箏(そう)のこと」といって他の弦楽器(琴(きん)など)から区別した。しょうのこと。しょう。
※正倉院文書‐天平勝宝八年(756)六月二一日・東大寺献物帳「桐木箏一張 木画兼瑇瑁、納臈纈袋、緑裏」
※落窪(10C後)三「右の大臣殿、中納言殿に、〈略〉、世に名高きさう二つ奉り給ふ」 〔史記‐李斯伝〕

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