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算額【さんがく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

算額
さんがく
江戸時代に和算家数学の問題を書いて神社仏閣に奉納した額をいう。これに対して,解答しえた問題を額に書いて奉納したものを額面題という。関孝和青年期寛文延宝年間 (1661~81) 頃,江戸の神社に掲げられるようになった。記録によると明暦年間 (55~58) に始るといわれる。この風習は,文化文政期 (1818~30) には1年に 100枚をこすほどになった。寛政1 (1789) 年には算額のなかから1額1問を選んで 84問を集めた『神壁算法』が藤田貞資,嘉言父子によって編まれ,文化4 (1807) 年,同じ父子によって『続神壁算法』が出版されて,以後算額集の著書が相次いで出た。算額の問題には親しみやすいものが多く,和算を全国に広めるうえでの貢献は大きかった。現在算額は各地の郷土史家たちによって研究が続けられ,和算史の解明に重要な資料となっている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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朝日新聞掲載「キーワード」

算額
和算の問題や答え、説いた人物名を書き、神社に奉納した木の額。時に自慢の種、時には成果を発表する手段として時の数学マニアがこぞって奉納した。そのレベルの高さは折り紙付き。神奈川・寒川神社に1822年に奉納された算額には、ノーベル化学賞の受賞者が1936年に発表した「六球連鎖の定理」と同じものが書かれている。
(2009-07-23 朝日新聞 朝刊 福島全県 2地方)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

さん‐がく【算額】
創案した数学の問題やその解法を書いて社寺に奉納した絵馬。江戸時代中期に始まったとされ、和算家市井の数学愛好家らが、数学の問題が解けたことを神仏に感謝するという意味合いがあった。また、あえて難問を出して解答を求めたり、その解答のみを記した算額を奉納したりすることも行われていた。額面題。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

さんがく【算額】
数学の問答の書かれた絵馬。記録に残る最古の算額は《算法勿憚改》(1673(延宝1))にある東京の目黒不動の額で,分数方程式になる問題が提示されている。江戸初期にはすでに多くの算額が奉納されていた。現存最古の算額は栃木県佐野市の星宮神社に村山吉重が奉納した1683年(天和3)の額で,続いて京都の北野天満宮(1686年(貞享3),今西小右衛門),京都の八坂神社(1691年(元禄4),長谷川鄰完),福井県武生市の大塩八幡宮(1701年,蜂屋頼哉)と続く。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

算額
さんがく

数学(和算)の研究や勉強の祈願のために、神社仏閣に奉納した絵馬(えま)をいう。村瀬義益(よします)の『算学淵底記(えんていき)』(1681)によれば、17世紀中ごろには江戸の各地に算額があったことがわかる。同書に、目黒不動の算額の問題が紹介されている。京、大坂にはさらに早くから算額があったと思われる。数学書ばかりでなく、算額に書かれた問答でも勉強ができたので、17世紀後半には、算額に書かれた問題を集めて数学書にする者も現れた。

 算額集の出版の最初は藤田貞資(さだすけ)の『神壁(しんぺき)算法』(1789)で、以後これに倣って算額集の出版が続いた。現存最古の算額は栃木県佐野市の星宮神社の1683年(天和3)の額で、次に京都市の北野天満宮(1686)、同八坂神社(1691)、福井県越前(えちぜん)市の大塩八幡宮(はちまんぐう)(1701)、埼玉県本庄(ほんじょう)市の都島正観音(1726)である。現存数は約800面。奉納の目的は、かならずしも数学の力が上達する祈願とは限らない。たとえば、京都の八坂神社の算額は、1683年奉納の伏見の御香宮(ごこうのみや)算額の解答額であり、数学書の遺題継承と似ている。算額による問答も珍しくなく、なかには最上(さいじょう)流と関流の論争にまで発展した会田安明(あいだやすあき)の芝愛宕(あたご)山(江戸)奉納算額の例もある。算額奉納は日本独特の風習であるが、その目的のなかには、家内安全、塾の繁栄とか、孫の誕生を祝うもの、さらに、難問が解けた、よい問題ができたとか、数学書が全部理解できた、あるいは自慢のためなど、いろいろである。

[下平和夫]

『岩井宏実著『絵馬秘史』(1979・日本放送出版協会)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

さん‐がく【算額】
〘名〙 和算家が数学の問題や解答を書いて神社などに奉納した額。創案した問題を知らせたり、広く解答を求める手段として寛文(一六六一‐七三)頃から行なわれた。

出典:精選版 日本国語大辞典
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