●籠手【こて】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
籠手
こて
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デジタル大辞泉
こ‐て【▽籠手/小手】
2 鎧(よろい)の付属具で、肩先から腕を覆うもの。袋状の布地に鉄金具や鎖をとじつけてある。
3 剣道で、指先からひじのあたりまでを覆う防具。
4 剣道で、相手の手首のあたりを打つ技。「―を取る」
出典:小学館
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日本大百科全書(ニッポニカ)
籠手
こて
甲冑(かっちゅう)の小具足(こぐそく)の一種で、戦闘時に腕を防護した。小手とも記す。古代には手纏(たまき)、覆臂(たおおい)といい、中世には手蓋(てがい)とも称した。騎射戦を主とした中世初期には、射戦を行う武士は弓射の便から左手のみにつけ(片籠手(かたごて))、徒立(かちだち)の接戦を主とした下卒などは両手にさし(諸(もろ)籠手)たが、戦闘が熾烈(しれつ)化し太刀(たち)打ち戦が盛んになるに及び諸籠手が普通となった。籠手は座盤(ざばん)の形状や製法によって種々あり、古くは、袋状に仕立てた布帛(ふはく)製の家地(いえじ)に座盤・肘金(ひじがね)・鯰(なまず)手甲(てっこう)などを綴(と)じ付けた鯰籠手を用いたが、座盤を3分割、5分割して蝶番(ちょうつがい)付けした筒(つつ)籠手や、篠(しの)とよぶ細長い板金(いたがね)を鎖繋(くさりつな)ぎにした篠籠手なども賞用され、室町時代の激しい合戦は座盤・手甲などの間に鎖を多用することとなった。近世に至り当世(とうせい)具足が流行すると、綿噛(わたがみ)に鞐(こはぜ)付けする構造をとり、座盤を瓢(ひさご)形につくった瓢籠手(小田(おだ)籠手)、小篠(こしの)を鎖繋ぎにした小篠籠手(越中(えっちゅう)籠手)、鎖地に筏(いかだ)を散らした筏籠手などが盛行し、また、上膊(じょうはく)の座盤のかわりに小形の袖(そで)を仕付(しつ)けた毘沙門(びしゃもん)籠手が用いられ、やがて置袖(おきそで)という小形の袖を併用することが、流行した。現在では、剣道の技や防具の名称の一つとして使われる。
[山岸素夫]
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