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糖原病【とうげんびょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

糖原病
とうげんびょう
glycogen storage disease
フォン・ギールケ病,糖原蓄積症ともいう。先天的な代謝異常で,体組織にグリコーゲンが異常に蓄積する疾患をいう。肝腫,低血糖,負荷後の血糖曲線遅延,アドレナリン過血糖欠如,尿中ケトン体排泄の増加などがみられる。比較的まれな病気で,1929年ドイツの病理学者 E.ギールケが記載した。本症自体よりは合併症で死亡する場合が多く,根本的な治療法はない。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

とうげん‐びょう〔タウゲンビヤウ〕【糖原病】
グリコーゲンが体内に異常蓄積する病気。グリコーゲンを分解する酵素が先天的に欠如しているために起こり、主に骨格筋または肝臓がおかされる。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

糖原病
 生体組織にグリコーゲンが異常に蓄積する症状.グリコーゲン代謝に関連する酵素の欠損による.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

とうげんびょう【糖原病 glycogenosis】
肝臓,筋肉の貯蔵グリコーゲンの分解機能が低下し,異常蓄積する遺伝病。低血糖発作,肝腫大を示す肝型と,筋力低下を示す筋型,心不全を示す全身型に大別される。先天性代謝異常【中村 了正】

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

糖原病
とうげんびょう
glycogen storage disease
glycogenosis

先天性代謝異常のうち、糖質に関する代謝異常で、酵素の欠損によって過剰なグリコーゲンが肝臓などの臓器や組織の中に蓄積する常染色体劣性の疾患群を総称して糖原病という。したがって、欠損酵素の種類によって病型が異なり、Ⅰ型からⅦ型まで分類できる。

[山口規容子]

Ⅰ型糖原病

フォン・ギールケvon Gierke病ともよばれ、グルコース-6-フォスファターゼの活性低下により、グリコーゲンが肝臓、腎(じん)臓、腸、血球などに蓄積する。症状は、肝腫大(しゅだい)、低身長、低血糖発作、出血傾向が特徴で、早期治療が必要である。

[山口規容子]

Ⅱ型糖原病

ポンペPompe病ともよばれ、心筋にグリコーゲンが蓄積する。生後まもなく呼吸困難、チアノーゼ、筋力低下が出現し、心不全のため生後1~2年で死亡する。

[山口規容子]

Ⅲ型糖原病

グリコーゲン分解が完全に行われないため、肝臓、筋、血球にグリコーゲンが蓄積し、症状はⅠ型糖原病に似るが、概して軽度で、予後は悪くない。

[山口規容子]

Ⅳ型糖原病

これも肝臓にグリコーゲンが蓄積する型で、乳児期より肝脾腫(かんひしゅ)が著明になり、5歳ころまでに肝硬変になり死亡する。

[山口規容子]

Ⅴ型糖原病

筋肉中にグリコーゲンが蓄積するため、筋力が低下して運動を続けることができなくなる。

[山口規容子]

Ⅵ型・Ⅶ型糖原病

いずれも肝臓、筋にグリコーゲンが蓄積し、それぞれⅠ型・Ⅴ型と臨床症状が似ているが、軽度であり、生命の予後は良好である。

 なお、肝フォスフォリラーゼキナーゼの欠損によって肝腫や低血糖などをおこす伴性劣性遺伝する型をⅧ型糖原病とすることもある。

 糖原病の診断は、グリコーゲンが蓄積する肝臓、筋、白血球の生検材料から、蓄積しているグリコーゲンを確認し、酵素の活性低下あるいは欠損を証明することによって確定する。なお、糖原病の根本的治療法はない。

[山口規容子]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

とうげん‐びょう タウゲンビャウ【糖原病】
〘名〙 体内にグリコーゲンが異常蓄積する病気。主に骨格筋または肝臓がおかされる。

出典:精選版 日本国語大辞典
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六訂版 家庭医学大全科

糖原病
とうげんびょう
Glycogenosis
(子どもの病気)

どんな病気か

 糖原(グリコーゲン)は、脂肪と同様に体のなかの貯蔵エネルギーのひとつであり、とくに肝臓と筋に多く蓄えられています。肝臓の糖原は、空腹時にブドウ糖にまで分解されて血液中に放出され、全身で利用されます。筋の糖原は、短時間に大きなエネルギーを要する運動時に分解され、筋で用いられます。

 糖原病は、糖原の利用が障害され、結果として組織に糖原が異常に蓄積する病気です。10種前後の病型があり、蓄積する組織にしたがって肝臓(肝型)、筋(筋型)、肝臓と筋(肝筋(かんきん)型)、心筋(しんきん)(心筋型)に分類されます。

原因は何か

 糖原の分解に関係する各種酵素の遺伝子異常が原因で、大部分は常染色体劣性遺伝(じょうせんしょくたいれっせいいでん)し、一部はX連鎖(れんさ)劣性遺伝します。

症状の現れ方

 肝型では、低血糖、肝臓の腫大(はれて大きくなる)、低身長などが主な症状です。肝臓の糖原から生成されたブドウ糖は血液中に放出され、各組織で(とくに脳など)で利用されます。低血糖になると脳のはたらきが障害され、頭がぼーっとする程度の軽いものから昏睡(こんすい)となる重い意識障害まで、血糖の低さにしたがってさまざまな症状が認められます。肝臓に糖原が脂肪とともに蓄積され、肝臓が腫大し、子どもではおなかが大きくふくらんで見えることもあります。

 成人後には良性の肝腺腫(かんせんしゅ)ができて、悪性化することもあるので、注意が必要です。また、人形様顔貌(にんぎょうようがんぼう)、低身長、高乳酸血症(こうにゅうさんけっしょう)高脂血症高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)肝硬変(かんこうへん)などが認められることもあります。

 筋型では、激しい運動時の疲労、筋力の低下、筋肉痛、筋の崩壊によるミオグロビン尿(褐色尿)などが認められます。

 肝筋型では両者の症状が認められ、心筋型では心臓が拡大し、心不全の症状を示します。

検査と診断

 症状、肝・筋のMRIやCT、フェルナンデスらにより確立された負荷試験、肝・筋生検による糖原の蓄積の確認、血液、肝、筋組織を用いた酵素活性の測定などにより診断されます。最近では、遺伝子解析により簡単に診断される病型も知られています。

治療の方法

 肝型では、特殊ミルクや食事を頻回に分けて与え、血糖の維持を図ることが目標になります。夜間の低血糖が問題になる場合には、経管栄養を施したり、就寝前や夜間にコーンスターチを与えます。病型によっては、乳糖、ガラクトース、果糖などを制限します。筋型では、激しい運動を避け、高蛋白食が有効なこともあります。なお、肝型では肝移植、重症心筋型では心移植が有効な治療法です。

病気に気づいたらどうする

 先天性代謝異常症を専門とする医師の診察を受ける必要があります。

早坂 清

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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糖原病
とうげんびょう
Glycogen strage disease
(遺伝的要因による疾患)

どんな病気か

 消化管から吸収された糖質は、糖原(グリコーゲン)として肝臓を中心に体内に蓄えられます。このグリコーゲン代謝に関係する酵素異常により、主に肝臓に糖原が蓄積する肝型と、筋症状が特徴的な心・筋型が知られています。

症状の現れ方

 肝型糖原病では、肝内に蓄えられたグリコーゲンが利用できないために、肝腫大と低血糖が現れ、次第に低身長が顕著になります。病型により鼻出血が止まりにくい、感染しやすいなどの症状が現れ、痛風(つうふう)尿路結石腎不全肝腺腫(かんせんしゅ)を来すこともあります。

 心・筋型では、筋力低下や心不全を来します。

治療の方法

 肝型は、頻回に食事をしたり、体内でゆっくりと消化吸収されるコーンスターチ(β(ベータ)でんぷん)や糖原病用ミルクを使用した食事療法と、各症状に即した治療を行います。

 心・筋型では、対症療法に加え、欠損酵素の補充療法が行われる場合もあります。

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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