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結合エネルギー【けつごうエネルギー】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

結合エネルギー
けつごうエネルギー
binding energy
物理系はエネルギーが低いほど一般に安定であるから,2個以上の原子または核子結合して分子または原子核を形成して安定な結合系をつくると余分なエネルギーが放出される。このエネルギーを結合エネルギーという。逆に結合系を分解するには等量のエネルギーを加えなければならない。化学反応や反応において,燃焼核分裂核融合のように反応後の系のほうが安定な場合には結合エネルギーが放出されて発熱するが,不安定な系に移す反応では結合エネルギーを加えなければならないから吸熱する。化学結合のエネルギーは1個の原子あたり数 eV原子核の結合エネルギーは1個の核子あたり数 MeV程度であって 100万倍も大きい。通常の燃焼 (化学エネルギー) に比べて原子力 (核エネルギー) が非常に大きいのは,このためである。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

けつごう‐エネルギー〔ケツガフ‐〕【結合エネルギー】
分子原子核など2個以上の粒子が互いに結びついているとき、結合を切ってばらばらにするために必要なエネルギー。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

結合エネルギー
 化合物を構成する各元素を気体状の原子に解離させるのに必要なエネルギー.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

けつごうエネルギー【結合エネルギー bond energy】
原子核や分子,結晶などのように多数の粒子からなる体系において,これをその構成粒子に分離するのに要するエネルギー。その値が大きいほど結合の度合は強いとみなされる。理論的には,各構成粒子の最低状態におけるエネルギーの和と,体系の最低状態のエネルギーとの差として定義される。ただし原子核の場合には,核を作っている陽子,中性子の質量の和と,実際の核の質量との差を結合エネルギーとして考えるのがふつうである。多くの同種の構成粒子をもつ原子核や結晶では,ふつう1構成粒子当りの結合エネルギーを考え,原子核ではこれを比結合エネルギーと呼んでいる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

けつごうエネルギー【結合エネルギー】
二個以上の粒子が結合しているとき、結合を切って粒子をばらばらにするために必要なエネルギー。分子内の原子の結合エネルギーは一原子あたり数エレクトロンボルト程度、原子核内の核子では一核子あたり平均八メガエレクトロンボルトである。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

結合エネルギー
けつごうえねるぎー
bond energy
分子をばらばらにして構成原子にまで分離するのに要するエネルギーを、分子内の結合に割り当てられるとして算出したエネルギー。この値は結合の強さを知る目安である。二原子分子では結合エネルギーは解離エネルギーに等しい。多原子分子では、標準生成エンタルピーの測定値を用いて、結合エネルギーを求める。たとえば、アンモニアNH3のNH結合の結合エネルギーは1モル当り391キロジュールである。
 炭素と水素との結合エネルギーは1モル当り413.4キロジュール、単結合の炭素‐炭素結合のそれは1モル当り347.7キロジュールとされている。
 アメリカのポーリングは二原子分子の結合エネルギーを比較して、共有結合の部分的イオン性の存在を認め、原子の電気陰性度を提案している。[下沢 隆]

原子核の結合エネルギー

原子核を構成しているすべての核子(陽子と中性子)を互いに完全に引き離して、ばらばらにするのに必要なエネルギーを原子核の全結合エネルギーという。一般に、Z個の陽子とN個の中性子からできている原子核の質量は、陽子質量のZ倍と中性子質量のN倍との和よりも小さい。この質量の少なくなっている分を質量欠損という。全結合エネルギーは質量欠損をエネルギーの単位で表したものとなっており、アインシュタインの特殊相対性理論における「エネルギーと質量の同等性」の一例といえる。核子が互いに引力で引き合って結合しているために、原子核全体の質量がその分だけ軽くなるのである。
 原子核の全結合エネルギーをその核子数で割って得られる1個あたりの平均結合エネルギーは、非常に軽い原子核を除いて、約800万電子ボルトであるが、詳細にみると、核子数の増加とともに増加し、鉄の原子核(核子数56)を頂点としてふたたび減少していく。核分裂や核融合がおこるのはこのように核ごとに安定性が異なるためである。また、マジック・ナンバーまたは魔法の数(2、8、20、28、50、82、126など)とよばれる特別な陽子数または中性子数の原子核では、結合エネルギーがとくに大きいことがわかっている。全結合エネルギーが陽子数と中性子数とによってなぜこのように変わるかを理論的に研究して表したのが、ワイツゼッカーとベーテの質量公式であるが、これは、自然界に存在しない新しい原子核をつくりだしたりするうえで大いに役だっている。結合エネルギーということばは、原子核から1核子を切り離すのに必要な1核子結合エネルギー(分離エネルギー)とか、二つの原子核クラスターに分割するのに必要なエネルギーとかの意味でも用いられる。[坂東弘治・元場俊雄]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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化学辞典 第2版

結合エネルギー
ケツゴウエネルギー
bond energy

分子内の各結合に固有なエネルギーをいう.分子を基底状態の原子に解離するのに要するエネルギーは,各結合に固有な結合エネルギーの和で与えられる.たとえば,水分子のO-H結合のエネルギーは,

    H2O → H + OH(501.7 kJ mol-1)

    OH → O + H(423.4 kJ mol-1)

の平均値457.9 kJ mol-1 として与えられる.このようにして与えられた結合エネルギーを用いて,分子の解離エネルギーを計算することができる.たとえば,エタンの解離エネルギーは2829 kJ mol-1 であるが,これは6本のC-Hの結合エネルギー

6 × 413.4 = 2480 kJ
と1本のC-C結合のエネルギー347.7 kJ の和2828 kJ として求めることができる.しかし,共鳴がある場合にはこのような加成性は成り立たない.たとえば,ベンゼンの場合,ケクレ構造に対して結合エネルギーから計算される値は,共鳴エネルギーのために,実測の解離エネルギーよりも小さくなる.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
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