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結膜炎【けつまくえん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

結膜炎
けつまくえん
conjunctivitis
結膜が充血して,目やにが出たり,異物感があったり,不愉快なかゆみを感じたりするの病気。円蓋部結膜にリンパ組織が増殖してろ胞が形成され,発赤などの炎症症状を伴うものをろ胞性結膜炎という。急性のものは独立疾患として扱われる。結膜炎は一般にサルファ剤,抗生物質,ステロイドホルモンの点眼,内服でなおるが,眼の安静と清潔に注意する必要がある。一度かかると再発しやすい。原因は種々あり,細菌ウイルス,物理的・化学的刺激 (たとえば大気汚染,強い日光) によるほか,アレルギー性のものもある。流行性角結膜炎 (はやりめ) はアデノウイルスによる結膜炎で,この場合は特に伝染防止に努める必要がある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

けつまく‐えん【結膜炎】
結膜の炎症の総称細菌ウイルス感染アレルギーによって起こる。症状は結膜の充血、目やに・の増加、濾胞(ろほう)偽膜の形成など。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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家庭医学館

けつまくえん【結膜炎 (Conjunctivitis)】
◎結膜に生じた炎症の総称
 結膜は、白目(しろめ)の部分の眼球結膜(がんきゅうけつまく)と、まぶた(眼瞼(がんけん))の裏側をおおう眼瞼結膜(がんけんけつまく)からなっています。これら眼球結膜と眼瞼結膜は、結膜円蓋(けつまくえんがい)でつながっていて、連続した1枚の粘膜(ねんまく)で構成されています。
 目を閉じた状態では、結膜と角膜(かくまく)(黒目(くろめ))で囲まれた袋状のスペースができますが、これを結膜嚢(けつまくのう)と呼んでいます。
●外界の刺激にさらされる結膜
 角結膜(角膜と結膜)は外界と直接接しているために、さまざまな刺激にさらされています。このような刺激や乾燥から角結膜を保護するために、角結膜表面は涙液(るいえき)によって、常にうるおった状態になっています。
●結膜を保護する涙液
 涙液は、粘液層、水層、油層の3層構造からなっています。涙液が角結膜の表面に均一に広がって安定化し、角結膜が乾燥しにくいようにしています。
 また、涙液には細菌などの病原体が繁殖するのを抑えるはたらきがあります。結膜が常に病原体の感染にさらされているにもかかわらず、めったに感染がおこらないのは、この涙液のはたらきのためです。
●結膜炎をおこす原因
 原因は何であれ、結膜に炎症がおこった状態を結膜炎と呼んでいます。原因としては、細菌やウイルスなどの病原体による感染、アレルギー、外傷などがあります。
◎結膜炎の原因別診断名
 病気に対する正式な診断は、原因に応じてつけられますが、初診時には原因がわからないため、病気の経過や症状から判断して、つぎのような診断名がつけられます。
 原因がわかれば、それぞれに応じた診断名が用いられ、適切な治療がなされます。
■急性結膜炎(きゅうせいけつまくえん)
 急激におこった炎症で、原因が確定できないときに用いられる病名です。
■慢性結膜炎(まんせいけつまくえん)
 軽い症状が長く続いているときに用いられます。お年寄りなど自浄作用が低下している人におこりやすいものです。
濾胞性結膜炎(ろほうせいけつまくえん)
 結膜の表面にあるリンパ組織が炎症のために腫(は)れ、まぶたの裏に小さな隆起(濾胞)ができるもので、ウイルス性結膜炎に多くみられます。
■乳頭性結膜炎(にゅうとうせいけつまくえん)
 結膜に刺激が加わって、まぶたの裏に乳頭と呼ばれる血管性の小さな隆起ができるものです。アレルギー性結膜炎に多くみられます。
■偽膜性結膜炎(ぎまくせいけつまくえん)
 まぶたの裏に膜状の組織ができるものです。乳幼児のウイルス性結膜炎によくみられます。
■カタル性結膜炎(せいけつまくえん)
 涙、めやに(眼脂(がんし))など分泌物(ぶんぴつぶつ)が多く出る結膜炎に用いられる病名です。細菌による結膜炎によくみられます。
■化膿性結膜炎(かのうせいけつまくえん)
 多量の膿性の分泌物をともなう結膜炎で、淋菌(りんきん)による結膜炎に特徴的です。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

けつまくえん【結膜炎】

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

けつまくえん【結膜炎】
結膜の炎症。結膜が充血・腫脹し、眼脂めやにや涙が出、まぶしさ・眼の痛みを感じる。細菌・ウイルスの感染・アレルギー・物理化学的刺激などが原因。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

結膜炎
けつまくえん
結膜におこる炎症で、おもな症状は目やに(眼脂)と充血である。原因的にみると、病原体の感染、アレルギー、体質、全身病、物理的化学的刺激によるものなどがある。また、経過からみて急性と慢性に分けられるほか、臨床所見によってカタル性、濾胞(ろほう)性、偽膜性などの区別も行われる。
 原因別に主要なものを次にあげる。
 病原体の感染によるものには、まずウイルス性があり、なかでもアデノウイルス群によるものは頻度が高い。成人では急性濾胞性、幼小児では偽膜性の形をとる。流行性角結膜炎といって結膜炎後に点状表層角膜炎を合併する病型、あるいは咽頭(いんとう)炎や発熱を伴う咽頭結膜熱などがある。咽頭結膜熱はしばしばプールを介して流行し、プール結膜炎ともよばれる。エンテロウイルス70型を病原とする急性出血性結膜炎は、結膜下出血をおこす頻度が高い。これらのウイルス性結膜炎はいわゆる「はやり目」として伝染性が強く、有効性の確かな治療法はない。次に細菌性結膜炎としては、急性型にブドウ球菌、肺炎球菌、コッホ‐ウィークスKoch-Weeks菌、インフルエンザ菌などによるものがあり、とくに淋(りん)菌性は膿(のう)様の分泌があって症状も激しく重篤である。慢性型としてはブドウ球菌やモラックス‐アクセンフェルドMorax-Axenfeld桿(かん)菌による眼瞼(がんけん)炎に合併するものがある。一般に細菌性結膜炎には抗生物質の点眼が効く。トラコーマはクラミジアに属する病原体の感染でおこり、結膜に著明な濾胞をつくる。慢性に経過して瘢痕(はんこん)をつくり、結膜のほか眼瞼(まぶた)、涙道、角膜などにも種々の障害をおこす。
 涙道の異常によっておこる結膜炎もある。これは、鼻涙管が閉塞(へいそく)すると涙嚢(るいのう)に細菌が繁殖して膿がたまり、その刺激で結膜炎となる。
 アレルギー性結膜炎には数種ある。花粉症は季節的にみられ、急に流涙、かゆみ、眼瞼の腫(は)れがおこる。スギ、マツ、イネ科植物など種々の植物の花粉がアレルゲンとなる。また、屋内のほこり、カビ、動物の毛、薬品などによるものもある。特殊な病状を示すものに春季カタルがある。小児期から青少年期に罹患(りかん)し、結膜に著明な乳頭増殖をきたして瞼結膜では石垣状となる。かゆみと粘性の目やにがあり、春から夏にかけて増悪する。
 全身病である痛風、関節リウマチ、甲状腺(せん)機能亢進(こうしん)症などに結膜炎が合併することがある。体質的に皮脂の分泌異常がみられる脂漏性の場合、眼瞼縁炎(ただれ目)とともに結膜炎を伴う。また湿疹(しっしん)をはじめ、天疱瘡(てんぽうそう)、多形紅斑(こうはん)など種々の皮膚疾患においても、結膜が同時に冒されることがある。
 物理的化学的刺激によるものとしては、有害ガス、熱線、紫外線などの影響でおこる結膜炎がある。光化学スモッグによって結膜炎症状が現れることもある。[内田幸男]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

けつまく‐えん【結膜炎】
〘名〙 結膜の炎症。結膜が赤く腫(は)れ、目やにがでるほか、眼痛、目のかゆみなどがある。細菌・ウイルスの感染、アレルギー、物理的化学的刺激などを原因とする。急性と慢性とがある。〔医語類聚(1872)〕

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