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給人【きゅうにん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

給人
きゅうにん
(1) 古代では,中央政府から年給を賜わった人をいう。年とは年料給分の略で,律令制の変質,崩壊期に現れた一種の俸禄であった。 (2) 中世では,一般に幕府荘園領主から所領恩給を受けた者をいった。室町時代には,この給人を地頭とも称し,また守護から半済 (はんぜい) 分を給与された者を半済給人と呼んだ。戦国時代には,大名から恩給地を与えられて家臣となったものをいった。 (3) 江戸時代には,大から実際に知行地を給与された上級家臣をさし,その知行地を給地といい,支配下の農民を給地百姓といった。江戸時代初期には,このような給人が知行地の農民を直接支配し,年貢額の決定,夫役の徴収,農民の処分などに関し強い権限をもっていた場合が多く,地方によっては給人が知行地に居住し,みずから知行地の一部を手作地として経営する例もあった。大名は自己の領内支配を確立するため,このような給人の恣意的な農民支配を制限し,その支配権を次第に削減していった。その際よくとられた方法は給地を与える地方知行から,蔵米を与える蔵米知行への改変であった。給地を与える制度を残す場合でも,その絶対量を減少させたり支配権にもいろいろな制限を付したり,また特定村落の指定をしないで,年貢量のみを指定したりした。このような改革は諸藩の初期藩政改革の一つの重要な問題点であった。なお,旗本の受けた知行地は,知行所と呼び給所とは呼ばなかった。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

きゅう‐にん〔キフ‐〕【給人】
古代、年給を賜った人。給主。
中世、幕府・主家から恩給としての所領を与えられた者。また、領主の命を受けて領地を支配した者。給主。
江戸時代、幕府・大名から知行地あるいはその格式を与えられた旗本・家臣。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

きゅうにん【給人】
(1)9世紀後半から律令制度にもとづく食封制度の衰退にともない年給をうける人々が出てきて,その年給をうける人のことを給主あるいは給人と呼んだ。この制度はしだいに形骸化しながら江戸時代初期までつづいた。(2)一方12世紀ごろから国衙領や荘園関係の史料に官使給田,下司給,大工給,所司給などと呼ばれる給田を授けられ,そこからの税収の一部を受け,その反対給付として一定奉仕,つまりおのおのの職務遂行を要求される人々が見える。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

きゅうにん【給人】
古代、年給を与えられた人。
中世、幕府や荘園領主から給田などを与えられた人。
戦国時代、大名被官として所領を保障され在地支配を行なった武士。代官。
江戸時代、蔵米くらまいではなく知行地を与えられた武士。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

給人
きゅうにん
平安時代には年給を賜った人。鎌倉時代以降、幕府や荘園(しょうえん)領主から所領の恩給や給田を受けた人。戦国時代から江戸時代には、旗本や陪臣のうち俸禄(ほうろく)として知行地(ちぎょうち)を与えられた人をいい、地頭(じとう)、知行取り、地方(じかた)取りともいった。戦国より江戸前期の給人は、知行地および農民を直接支配し、年貢徴収、農民使役、処罰権を保持し、ときには知行地に屋敷を構えて手作り経営を行うものもいた。この知行形態を地方知行という。給人の支配権の強さは大名の領内支配権を弱めるため、藩政の確立を目ざす大名の多くは、一村を数名の給人に分割して給付したり(相給(あいきゅう)という)、給人の支配権をしだいに剥奪(はくだつ)して大名の支配権を強化し、さらに知行地を召し上げて家臣には俸禄として蔵米(くらまい)を与えるという蔵米知行に移行させた。ただし東北・九州などの外様(とざま)の大藩では地方知行が幕末まで残り、幕府でも旗本のほとんどは地方知行であった。[根岸茂夫]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

きゅう‐にん キフ‥【給人】
〘名〙
① 年給を賜わる人。
※江次第鈔(1480頃か)四「直物〈略〉去年給若当年給等不任人之官姓名只書給人官姓許也」
② 中世、主家から恩給、扶持を受けて家臣となっている者。また、領主の命を受けて領地を支配する者。
※吾妻鏡‐元暦二年(1185)三月二日「止給人景清妨
③ 給分をうける人。
※大乗院寺社雑事記‐文正元年(1466)三月八日「東御方以下給人方可支配之由仰了」
④ 江戸時代、武家で扶持米を与えて、抱えて置く平侍(ひらざむらい)
※浄瑠璃・百日曾我(1700頃)二「御家人、給人、商人、見物、行かふ人にまぎれても」

出典:精選版 日本国語大辞典
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きゅう‐じん キフ‥【給人】

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旺文社日本史事典 三訂版

給人
きゅうにん
戦国〜江戸時代,大名の家臣のうち支配地(知行地)を有した者
①古代,年給をうけた人。
②鎌倉時代,将軍から所領の恩給をうけた人。
領主権の強化をめざす大名は給人の知行権の制限につとめた。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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