●緞子【どんす】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
緞子
どんす
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デジタル大辞泉
どん‐す【×緞子】
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世界大百科事典 第2版
どんす【緞子】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
緞子
どんす
段子、閃緞、鈍子とも書く。繻子(しゅす)組織を基本とした紋織物で、綸子(りんず)と異なる点は、機織前にあらかじめ染色した糸を用いて織り上げる「先染め」の織物であること。一般には経(たて)の五枚繻子組織を地として、文様はその裏組織である緯(よこ)の五枚繻子で織り出したものがもっとも多い。特色は、光沢に富み、文様が地と異組織であることによって明瞭(めいりょう)に織り出されることにあり、さらに経緯に異色の色糸を用いることによって、文様が明確に表される。
緞子は『元典章』工部巻の一に「段子」の名が散見されるように、中国元代にはすでに織製されており、日本には繻子織などとともに中世に舶載された。後世それらのうちのあるものは「名物裂(ぎれ)」として伝えられ、珍重されている。しかしこれらの名物緞子類を通観すると、かならずしも繻子組織によっていないものが含まれている。たとえば、「珠光(じゅこう)緞子」の本歌(ほんか)といわれる松屋肩衝(かたつき)茶入の仕覆(しふく)、「笹蔓(ささつる)緞子」「荒磯(あらいそ)緞子」などがそれで、とくに名物緞子のなかでも古様なものほどその傾向が強い。おそらく当初は、地と文様が異組織、異色ではっきりと織り出された紋織物に対して、緞子の名があてられたものと思われる。
しかし明(みん)代以降の繻子織物の隆盛とともに、この種の紋織物も繻子地を基本としたものが一般的となり、日本においても明代の織法をまねて天正(てんしょう)年間(1573~92)のころに織製され始めたと考えられる。京都西陣(にしじん)を主産地とし、江戸時代を通じて小袖(こそで)、帯、羽織裏、夜具地、袈裟(けさ)地として広く利用され、江戸時代末からは桐生(きりゅう)でも織製されるようになった。明治10年代から20年代には緞子の全盛期を迎えるが、その後は他の紋織物に押されて衰退し、現在では表具地や茶器の仕覆や袱紗(ふくさ)など、ごく限られた場でしか活用されていない。
[小笠原小枝]
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精選版 日本国語大辞典
どん‐す【緞子】
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