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縛られたプロメテウス【しばられたプロメテウス】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

縛られたプロメテウス
しばられたプロメテウス
Promētheus Desmōtēs
ギリシアの劇詩人アイスキュロス悲劇。失われた『解放されるプロメテウス』 Promētheus Lȳomenos,『火を運ぶプロメテウス』 Promētheus Pyrphorosとともに3部作をなしていたという説もある。前 468年以後成立。天上の火を盗んで人類に与えたプロメテウスはゼウスの怒りに触れて,スキュチアの山上の岩に縛りつけられる。大洋神オケアノスの娘たちが同情して慰め,オケアノス自身も降伏をすすめるが,自分の正しさと将来の自由とゼウスの運命を知るプロメテウスは応じない。そこへゼウスに犯されて,ヘラによって雌牛に変えられたイオがさまよい現れる。プロメテウスは彼女に目指すべき国と未来の救いを教える。ゼウスはヘルメスをつかわして,自分の支配にかかわる重大な秘密を聞き出そうとするが,プロメテウスが応じないので,大洋神の娘たちともども奈落の底に突落す。『解放されるプロメテウス』の断片は3万年ののちに行われたゼウスとプロメテウスの和解を描いている。

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世界大百科事典 第2版

しばられたプロメテウス【縛られたプロメテウス Promētheus Desmōtēs】
アイスキュロス作のギリシア悲劇。制作,上演年代不詳。巨人神プロメテウスは人間に火を与えたかどで主神ゼウスの怒りをかい,スキュティアの岩山に縛られるが,自己の正義を主張し毅然としてゼウスの暴力に反抗する。そのため彼に同情を寄せる合唱隊,オケアノスの娘らとともに奈落に突き落とされる。彼が〈人間の持つ技術(テクネー)は皆プロメテウスの贈物たるを知れ〉と誇らかに言うせりふはことに有名である。この悲劇は,現存していない《解かれたプロメテウス》《火を運ぶプロメテウス》とともに〈プロメテイア三部作〉を構成,その第1部であったと考えられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

縛られたプロメテウス
しばられたぷろめてうす
Prometheus Desmotes

古代ギリシアの大悲劇詩人アイスキロスの悲劇。上演年代は不明。近代のヨーロッパ文学でもしばしば取り上げられたプロメテウス神話を素材にしている。クロノスとティタンたちとの戦いに勝って世界の支配権を握ったゼウスは人類を滅ぼそうとするが、これを憐(あわ)れんだプロメテウスが人間に火を与えて滅亡から救った。ゼウスはプロメテウスの博愛的行為に怒って彼を岩山に縛り付ける場面から舞台が始まる。合唱隊との対話、オケアノスとの対話を通して、プロメテウスは現在の自分が受けている不当な屈辱を訴える一方、ゼウスの暴虐非道を非難する。そののち、暴君ゼウスの第二の犠牲者として乙女イオが半狂乱の姿で現れ、ゼウスの専横がいっそうあからさまに示される。最後には、プロメテウスはゼウスの脅迫にも屈せず、その抵抗の姿勢を貫き、タルタロスの谷底に投げ込まれる。この作品は、プロメテウスの人間への好意とゼウスの専制横暴とを対立的に描き、プロメテウスの反抗の姿は多くの人々の共感をよんでいるが、アイスキロスの他の作品にみられる正義を守るゼウスへの敬虔(けいけん)な信仰とは相いれない面もあり、いろいろと問題を含んでいる。『解放されるプロメテウス』はこれに続く作品。『火をもたらすプロメテウス』がこの「プロメテウス三部作」のなかで第1作か第3作になるのかは不明。この2作は断片のみが伝わっている。

[橋本隆夫]

『呉茂一他訳『ギリシア悲劇全集Ⅰ 縛られたプロメーテウス・オレステイア三部作・テーバイに向かう七将』(1960・人文書院)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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