●義経記【ぎけいき】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
義経記
ぎけいき
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デジタル大辞泉
ぎけいき【義経記】
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世界大百科事典 第2版
ぎけいき【義経記】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
義経記
ぎけいき
軍記物語。8巻。作者不明。室町初・中期の成立か。『判官(ほうがん)物語』『義経(よしつね)物語』ともいう。源義経の一代を物語にしたもの。
本書の内容は巻4をつなぎとして前後の2部に分けられる。前半は、平治(へいじ)の乱の敗者源義朝(よしとも)の末子として鞍馬(くらま)寺に預けられた牛若(うしわか)が出自に目覚め、金売吉次(かねうりきちじ)に伴われて奥州へ下る途次で盗賊熊坂長範(くまさかちょうはん)を滅ぼすなどの冒険や、弁慶の生い立ちと、牛若が彼を清水(きよみず)寺で圧倒して郎従とする記事など、いわば幼少の雌伏期の物語である。後半は、平家追討後梶原景時(かじわらかげとき)の讒言(ざんげん)で兄頼朝(よりとも)の疑いを受け、討手(うって)土佐坊正尊(しょうぞん)を討ち取り、九州西下の途次で難船し、吉野山へ逃亡して愛人静(しずか)と別離、さらに北陸路を弁慶の活躍で多くの危機を突破しつつ奥州平泉に到着するが、藤原秀衡(ひでひら)死後、頼朝の甘言につられた泰衡(やすひら)に裏切られて、衣川館(ころもがわのたち)で鎌倉方の大軍を相手に弁慶や鈴木兄弟の奮戦むなしく最期を遂げる逆境の時期の物語であり、義経が平家追討の大将として歴史の進行上華やかに登場した時期はほとんど省略された変則的な伝記となっている。その点で語り本『平家物語』と相補関係にある。『義経記』成立期の義経伝説が幼少の貴公子牛若と流離の判官殿に集約されていたことは確かで、おそらく当時の判官びいきの思潮を背景に、並行して各種存在した義経伝説のうちから一種を選んで一代記風にまとめたものであろう。構想上破綻(はたん)もあるが、全体として義経の史実の像とは異質の、室町物語風なロマンに仕立て上げられている。登場人物の造型は行動的で楽天的だが、歴史の進行の必然性への見通しを欠いたものとなっており、当時の京都の都市庶民の生活感覚が反映していると考えられる。他の文学作品への影響は幸若(こうわか)舞曲の判官物からのほうが強く、『義経記』の真の流布は江戸初期の版本刊行以後である。
[村上 学]
『岡見正雄校注『日本古典文学大系37 義経記』(1959・岩波書店)』▽『梶原正昭校注・訳『日本古典文学全集31 義経記』(1971・小学館)』▽『角川源義著『語り物文芸の発生』(1975・東京堂出版)』
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精選版 日本国語大辞典
ぎけいき【義経記】
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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典
義経記
ぎけいき
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義経記
(通称)
ぎけいき
- 元の外題
- 義経一代記 など
- 初演
- 元禄10.5(大坂・音羽次郎三郎座)
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旺文社日本史事典 三訂版
義経記
ぎけいき
「よしつねき」とも読み,『義経物語』ともいう。8巻。作者不詳。悲運の武将源義経の一代記を英雄伝説的に述べた伝記物語で,判官びいきの民衆感情に支えられ義経伝説の源となる。「判官物」として浄瑠璃・歌舞伎に大きな影響を与えた。
出典:旺文社日本史事典 三訂版
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