●習慣【しゅうかん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
習慣
しゅうかん
habit
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
デジタル大辞泉
しゅう‐かん〔シフクワン〕【習慣】
2 その国やその地方の人々のあいだで、普通に行われる物事のやり方。社会的なしきたり。ならわし。慣習。「盆暮れに贈り物をする
3 心理学で、学習によって後天的に獲得され、反復によって固定化された個人の行動様式。
[用法]習慣・慣習――「土地の習慣(慣習)に従う」「これまでの習慣(慣習)を破る」など、ならわし・しきたりの意では相通じて用いられる。◇「習慣」は「毎朝のジョギングを習慣にしている」「イスラム教徒の女性はベールをつける習慣がある」など、個人的な事柄にも、社会的な事柄にも使う。◇「慣習」は「村の慣習として、祭りの当番は持ち回りにする」「慣習法」など、社会的に行われているものをいう。◇類似の語「しきたり」「ならわし」は、「町のしきたり」「世のならわし」のように「慣習」とほぼ同じ意。
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
世界大百科事典 第2版
しゅうかん【習慣】
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
日本大百科全書(ニッポニカ)
習慣
しゅうかん
habit
同じ状況のもとで繰り返された行動が、状況に応じて安定化し、自動化されて遂行される場合をさしていう。日常の行動で、たとえば戸を開けるとか、箸(はし)を使うとか、着替えをするとか、定時的に反復するうちに、そのときの状況に適応して、行動が一定のテンポで自動的に経過するようになることである。
[小川 隆]
行動の定型化と安定化
習慣は行動の具体的動作面でいわれるだけでなく、言語習慣、思考習慣などというように象徴的な面についても用いられるし、また個人的行動に限らず、社会的、文化的行動についてもいわれる。「習俗」「しきたり」「習わし」などという定型化した行動は、習慣の一種である。
行動の反復により、その行動は鋭敏化sensitizationする場合と、慣れhabituationで低下する場合とがあり、反射などの生得的行動では、反復の初期には鋭敏化が、後期には低下が認められる。習慣は習得的行動であってこれとは異なり、安定化が特徴である。
幼児が箸を持つことを習い出した当初はぎごちなく、不適切な持ち方をするが、反復練習するうちに、適切な仕方で、一定のテンポでできるようになる。つまり、習得した行動が繰り返されるうちにむだが省け安定した場合が、習慣である。安定化は行動の定型化によって遂行され、エネルギーの消耗を避ける意味で有効であり、また、社会的習慣としての定型化した行動は、それを通じてコミュニケーションを円滑にするうえに役だつことにもなっている。外国人の行動、違った地方の人の行動が、その国、その地方の習慣と異なる場合がこのことを如実に示している。しかし習慣は、形成時、一定の要求をその状況に応じて実現する行動として習得されても、「癖」として定型化し、状況が変化しても自動化した行動が固執されることがあり、かならずしも合理的適応性を示すものではない。
[小川 隆]
習慣形成
習慣形成は、早い時期に行われることがたいせつであるとされている。このため、幼児期が習慣形成の適時期とされ、家庭・幼稚園・保育所での教育の課題となる。なかでも「基本的生活習慣」とよばれる食事、睡眠、排泄(はいせつ)、着脱衣、清潔についての習慣と、「社会的習慣」とよばれる挨拶(あいさつ)、後かたづけ、物をたいせつにする、生活のルールを守るなどの習慣の形成が目ざされる。また、安全を守る習慣も重視されてきている。習慣形成には、やりたくないことを強要してはいけないが、同じように繰り返し行うようにすることが必要である。できるだけ例外を少なくする。また、子供の周囲にいるもの、とくに親が、形成したい習慣について、つねによいモデルになっていることが重要である。子供は、模倣しながら学習する特性をもっており、習慣形成においても親の日常的生活態度が強い影響を及ぼす。
年齢が高くなるにしたがい、それぞれの習慣的行動のもつ意味を理解するようにすることが望まれる。よく噛(か)んで食べるという食事の習慣は消化をよくするためのものであるなどである。また、子供が自分から進んで一定の習慣的行動をとるよう、やろうとする気持ちをおこさせることが必要である。このためには、よくできた場合、賞賛してやるなどのくふうをする。
習慣形成によって、自分の身の回りのことが自分でできるようになり、自立心が育つとともに、社会的な適応もでき、社会化された個人の確立に役だつ。しかし、親の養育態度が過保護ないし過干渉、放任などのため、適切な習慣形成が阻害される危険が大きい。
[岡田正章]
『山下俊郎著『幼児心理学』(1961・朝倉書店)』▽『岡田正章・加藤照子編『生活習慣』(1977・チャイルド本社)』
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
精選版 日本国語大辞典
しゅう‐かん シフクヮン【習慣】
出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「習慣」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●習慣の関連情報