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職業社会学【しょくぎょうしゃかいがく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

職業社会学
しょくぎょうしゃかいがく
occupational sociology
社会生活の要因としての職業の分析を主題とする社会学の一分野で,産業社会学の基礎となるもの。一般に職業は,生計の維持,個性の発揮,社会的役割の実現という3側面の動的統一として把握されるが,職業社会学ではおもに役割実現の側面からとらえて,職業の全面的把握を目指す。そこでの主要な分析方法は,役割と地位を2つの基本概念とする役割分析である。職業を社会学的にとらえようとした研究者には,H.スペンサー,É.デュルケム,M.ウェーバー,さらに職業社会学について記述した K.ドゥンクマン,W.ゾンバルトらがあげられる。体系的に職業社会学を展開しようとしたのは,日本の尾高邦雄で,彼は職業社会学が対象とすべき諸問題として,(1) 職業分化と社会構成の問題,(2) 職業集団の諸問題,(3) 職業のエートスモラールの問題,(4) 職業選択と職業移動の問題,(5) 近代的大経営における職業生活の問題の5つをあげている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)

職業社会学
しょくぎょうしゃかいがく
occupational sociology

職業を契機として繰り広げられる共同生活の実態を実証的に究明し、現代社会における職業のあり方を追究する学問。職業社会学の取り組んでいる主要な研究領域として、第一に、社会的成層の問題がある。これは、職業を社会的地位の指標とみなし、社会的地位の段階的配列である社会的成層とその変動を、職業階層の重層構造である職業構成を介して注目する。一つの社会の職業構成をその社会の社会構造としてとらえ、職業構成の変化を追跡することによって、社会構造の動態を解明していく巨視的な問題領域である。国際比較を通じて、それぞれの社会の流動性や停滞性に関する研究が進められており、工業化社会から脱工業化社会への趨勢(すうせい)のもたらす職業上の課題として、専門的職業化や意思決定への参加の方策などが論議の的になっている。

 第二の研究領域として、職業集団や職場集団の問題がある。職業集団については専門的職業従事者の組織する職能団体や自営業者の組織する同業者団体、さらに、企業別組織という特色をもつ労働組合などの集団構造や集団文化とともに、それらが圧力団体として政治過程に働きかける影響力の強さに関心が向けられている。職場集団については、そのインフォーマル・グループとしての側面に関心が集まり、職場生活における人間関係と社会生活における人間関係が重なり合う傾向の強い日本では、社会生活の場面で作用する職場生活を通じて形成された社会規範の規制力の強さが注目されている。

 第三の研究領域として、職業の格づけ評価や職業観など、職業についての価値態度の問題がある。職業活動としての労働の価値として、生業性と自律性と連帯性のいずれに力点を置いた仕事意識を形成しているかに関心が集まり、職業が自己実現の契機となりうる条件について論議されている。

[本間康平]

『尾高邦雄著『新稿職業社会学』Ⅲ(1953・福村書店)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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