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肝性脳症【カンセイノウショウ】

デジタル大辞泉

かんせい‐のうしょう〔‐ナウシヤウ〕【肝性脳症】
肝機能の低下に伴って意識障害興奮抑鬱昏睡などの中枢神経症状がみられること。肝臓で解毒できなくなったアンモニアなどの有害物質が、体内に蓄積されることで発症するとされる。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

肝性脳症
 重症肝不全の場合にみられる中枢神経障害症状.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

かんせいのうしょう【肝性脳症】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

内科学 第10版

肝性脳症(肝疾患に伴う神経系障害)
(1)肝性脳症(hepatic encephalopathy)
概念
 高度の肝機能異常に伴う代謝異常によって生じる意識障害などの精神神経症状で,大きく急性型と慢性型に分類される.【⇨9-1-4)も参照】
臨床症状
 急性型は劇症肝炎に代表され,急性(8週以内)に広範囲の肝細胞が壊死に陥る急性肝不全に伴って認める神経症状である.倦怠感,食欲不振などの急性肝炎症状で発症し,黄疸,頻脈,血圧低下などの肝不全症状とともに,意識障害を中心として,羽ばたき振戦,構音障害,錐体外路徴候,錐体路徴候,運動失調なども認める.慢性型は肝硬変などの慢性肝疾患に伴って認める神経症状で,症状の変動や再燃がしばしばみられる.おもな症状は意識障害,精神症状(初期には記銘力障害,見当識障害,感情の易変容性,経過が長くなると認知症や人格障害),運動障害,羽ばたき振戦などである.
病因
 慢性型では腸管内で生じるアンモニアなどの神経毒作用物質が肝で解毒されずにシャントを通って大循環を経て直接脳内に達する.アンモニアが肝性脳症を引き起こす原因としてはTCA回路を介するATP産生低下,脳内セロトニン系への関与,アンモニア代謝で産生されるグルタミンの関与などがいわれているが不明な点も多い.アンモニア以外のメルカプトン,芳香族アミノ酸などの関与も示す報告もあるが詳細は不明である.急性型では高アンモニア血症に加えて,脳浮腫の関与が剖検例の検討や画像診断からいわれている.
診断
 肝不全を示す血液データ,血中アンモニアの高値,分岐鎖アミノ酸/芳香族アミノ酸比(Fisher比)の低下,脳波所見,臨床症状から診断する.脳波は肝性脳症の重症度をよく反映し,初期にはα波の徐波化,不規則化,その後5~7 Hzの高振幅θ波が前頭部から後頭にかけて全体に広がる.前昏睡期になると特異的な所見である三相波(図15-12-1)が前頭優位,左右対称性に出現するが,昏睡期になると消失する.また,脳MRIのT1強調画像にて淡蒼球を中心にして大脳基底核に高信号域を認める.
治療
 急性型では急性肝不全の治療とともに,脳浮腫の治療としてマンニトールやグリセロールの投与を行う.慢性型では血中アンモニア上昇の誘因(蛋白の過剰摂取,便秘,消化管出血)の除去,ラクツロースまたはラクチトールの経口投与を行う.それでもアンモニアの低下をみない場合はネオマイシン,ポリミキシンBなどの抗菌薬の投与を行う.分岐鎖アミノ酸製剤は意識覚醒効果や脳症の予防に有効である.[中里雅光]
■文献
Bismuth M, Funakoshi N, et al: Hepatic encephalopathy: from pathophysiology to therapeutic management. Eur J Gastroenterol Hepatol, 23: 8-22, 2011.

出典:内科学 第10版
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六訂版 家庭医学大全科

肝性脳症
かんせいのうしょう
Hepatic encephalopathy
(脳・神経・筋の病気)

どんな病気か

 肝臓は生体のなかで最大の代謝をつかさどる臓器です。肝臓が機能不全に陥るとさまざまな代謝産物が体内にたまることになり、神経有毒物質あるいは神経機能に必要な物質の欠乏により神経症状が現れます。

 肝性脳症は肝硬変(かんこうへん)などによる肝機能不全や、門脈(もんみゃく)の血液が肝臓に入らず、肝臓での処理を受けることなく大循環系に流入する短絡路(たんらくろ)(シャント)による門脈大循環性脳症(もんみゃくだいじゅんかんせいのうしょう)(シャント脳症)、尿素を処理できずアンモニアが大量に生じてしまう尿素(にょうそ)サイクル酵素欠損症(こうそけっそんしょう)などで起こります。症状は急性、間欠性(時々生じる)、あるいは慢性に発症します。

原因は何か

 病気の原因は不明な部分もありますが、2つの要因、すなわち肝不全因子とアンモニアが重要と考えられており、その組み合わせでさまざまな型の肝性脳症が起こると考えられています。アンモニアの毒性機序(仕組み)は確定していませんが、脳内の神経伝達障害や機能障害などが考えられています。またアミノ酸の量的、質的不均衡により、神経伝達の抑制が起こるとする説などがあります。

症状の現れ方

 神経症状としては、意識障害を中心としてさまざまな精神症状と運動系の症状が現れます。昏睡(こんすい)を起こす前の時期では多幸(たこう)気分、異常行動、せん妄(もう)などを示し、見当識(けんとうしき)障害、言語障害も加わり、次第に昏睡になっていきます。また不随意(ふずいい)運動、ミオクローヌス、固定姿勢保持困難、羽ばたき振戦(しんせん)など、さまざまの特異な運動障害がみられます。

検査と診断

 肝臓に基礎疾患があることが基本で、経過中に意識障害などの脳症が現れたら本症を疑います。高アンモニア血症を伴う肝機能障害および、全般性徐波(じょは)(ゆっくりした波が脳全体から出る)で三相波(三相を示す脳波)を示す特徴的な脳波が診断に重要です。

治療の方法

 治療は、食事中の蛋白質制限、腸内窒素(ちっそ)化合物を除去するためのラクツロース、アンモニア産生腸内細菌を抑えるための抗生剤、血漿アミノ酸の不均衡を是正するためのアミノレバンの投与など、専門的治療が必要です。

栗山 勝

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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日本大百科全書(ニッポニカ)

肝性脳症
かんせいのうしょう

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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