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肩こり【かたこり】

食の医学館

かたこり【肩こり】

《どんな病気か?》


〈疲労物質が筋肉にたまって起こる〉
 肩の筋肉がこわばり、だるく、重苦しい感じがするのが肩こりです。肩こりは、不自然な姿勢を長く続けたり、精神的ストレスがあると起こりやすくなります。
 これらの条件が加わると、肩の筋肉が緊張して血液の流れが悪くなり、疲労物質がたまったり、ビタミンの補給がうまくいかなくなったりします。
 その結果、筋肉がこわばって肩がこるのです。

《関連する食品》


〈クエン酸、ビタミンB群などで疲労を防ぐ〉
○栄養成分としての働きから
 肩こりには、疲労を防止するクエン酸が有効です。クエン酸はミカン、レモン、グレープフルーツなどの柑橘類(かんきつるい)やモモ、洋ナシ、ウメなどのくだものや、酢に多く含まれています。
 ただ多量に摂取すればよいというものではなく、必須栄養素をバランスよくとったうえでクエン酸を補給すると効果的です。
 とくに、食べものを燃焼させてエネルギーにかえ、老廃物を代謝(たいしゃ)させる働きのあるビタミンB群はたいせつです。
 ビタミンB群を横断的に含む食品には、胚芽米(はいがまい)や全粒紛(ぜんりゅうこ)パン、レバー、牛乳などがあります。
 水溶性で体の中にためておくことができないビタミンなので、毎日とるようにしましょう。
 また、末梢血管(まっしょうけっかん)を拡張するカリウムや、血液の流れをよくするビタミンEも、ぜひとりたい栄養素の1つです。カリウムは柿、トマト、アボカド、サツマイモなどに、ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類やウナギ、カボチャ、アボカドなどに多く含まれています。
○漢方的な働きから
 熱いお湯1リットルに塩小さじ2、酢大さじ2を加えてタオルをひたし、熱いうちに肩にあてると、血行がよくなり、肩こりのつらさが楽になおるといわれています。また、クズ湯を飲むのも肩こりにいいでしょう。

出典:小学館
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。食品は薬品ではありません。病気にかかったら、かならず医師の診察を受けてください。

世界大百科事典 第2版

かたこり【肩こり】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

肩こり
かたこり

肩がだるい、重苦しいといった不快感があって、同時にこわばった筋肉をもんだりすると気持ちのよいものの俗称で、不定愁訴(しゅうそ)の一つとしてもよくみられる。臨床医学的には筋硬症に相当するもので、これは寒冷や筋肉の使いすぎのほか、リウマチ、感冒、代謝障害などにみられる筋肉の有痛性硬結をいう。いわゆる「こり」というもので、その代表的なものが肩こりである。

 肩こりは一般に僧帽筋痛をさす場合が多く、僧帽筋が緊張して肩に全般的な圧痛があり、圧痛点を認めることもある。上腕を体幹から離した位置で作業を続けるなど、不自然な姿勢をとり続けることによって単純に僧帽筋が疲労して発生することもあるが、普通は頸部(けいぶ)に原因があって発生し、いわゆる頸腕症候群の部分的症状として認められることが多い。そのほか、慢性胃炎や肝炎などの消化器疾患、肺結核や気管支喘息(ぜんそく)などの呼吸器疾患、糖尿病などの代謝疾患、狭心症などの循環器疾患や血圧の異常、更年期障害などの内分泌疾患、神経症や心身症など、内科領域のいろいろな慢性疾患の症状としてもみられる。

 一般的な原因としては、精神的な緊張や不自然な姿勢のために、僧帽筋などの筋肉が緊張して血流が悪くなり、乳酸などの疲労物質がたまったりビタミンの欠乏などをおこし、筋肉の硬結を招いて肩こりと感じられるのである。したがって、肩こりそのものに対する治療としては、僧帽筋の血液循環をよくするために温熱療法、マッサージ、体操などが行われ、入浴も効果がある。鍼(はり)や灸(きゅう)が古くから行われているが、これらも、局所の刺激によって循環をよくするために効果があるものと考えられる。パップ剤の湿布も同様の意味で効果がある。内服薬としては筋弛緩(しかん)剤、鎮痛剤、末梢(まっしょう)循環促進剤、トランキライザーなどが用いられる。なお、慢性疾患によるものは原因疾患の治癒が必要で、肩こりが治りにくいのもこの理由による。

[永井 隆]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
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六訂版 家庭医学大全科

肩こり
かたこり
Stiff shoulder
(運動器系の病気(外傷を含む))

どんな病気か

 後頭部から肩、および肩甲部にかけての筋肉の緊張を中心とする不快感、違和感、鈍痛などの症状を伴う病気です。厚生労働省の国民生活基礎調査(2008年)によると、男性の1000人に58人、女性の1000人に123人が肩こりを訴えています。

 「頸部(けいぶ)痛(首痛)」や「肩痛」を表現する英語があるのに対し「肩こり」を表現する英語がないとよくいわれており、日本人の多くが自覚する慢性的な違和感や緊張感を伴った症状の病気です。症状が悪化すれば、こりを感じる部分が拡大したり、頭痛、顔面、上肢の痛みを伴う場合もあります。

原因は何か

 上肢と体幹は、骨としては鎖骨のみでつながっており、肩甲骨を介して肋骨の上に浮いているだけの状態になっています。このため、僧帽筋(ぞうぼうきん)をはじめとする頭頸部から肩甲骨についている筋肉が肩、腕の重みをすべて支え、非常に負担がかかりやすい構造になっています。

 肩こりとは症状を表した病名であり、肩こりを来す病気にはさまざまなものがあります。基礎疾患を伴わない(身体に明らかな損傷のない)いわゆる「肩こり」と、整形外科(脊椎(せきつい)・肩・末梢神経疾患など)、内科(心筋梗塞(しんきんこうそく)肺疾患(はいしっかん)肝胆道疾患(かんたんどうしっかん)パーキンソン病リウマチ性多発筋痛症など)、眼科・耳鼻科・歯科疾患などの基礎疾患を伴う肩こり、そして心因性(ストレスなど)のものに大別できます。

 基礎疾患を伴わないいわゆる肩こりは、若者の場合は、骨の成長が筋・腱の成長よりも急速なために生じる体の柔軟性の低下や不良姿勢に起因した場合が多く、働き盛りの年代では、長時間の精神的緊張下での単純作業中に発生することが多いといわれています。高齢者では、老化に伴う基礎疾患を伴った肩こりの割合が多くみられます。

 肩こりを誘発する基礎疾患としては、胸郭出口(きょうかくでぐち)症候群頸椎症(けいついしょう)といわれる疾患群があります。

 頸部から出て上肢へ行く神経は、いったん頸部の筋肉間や鎖骨下を通過しますが、この部位で神経や血管が引っ張られたり圧迫されたりすると、首、肩、腕、手などの痛みやしびれが生じます。これを胸郭出口症候群といい、肩こりが続発することもあります。

 また、頸椎の骨棘(こっきょく)が生じたり、椎間板(ついかんばん)の高さが減少すると頸椎症といわれる病態になり、頸椎部の根本で神経の根本や脊髄(せきずい)が圧迫されることがあります。この場合も肩こりが続発しやすくなります。

治療の方法

 基本的には両肩周囲の筋肉の疲労や過緊張が原因になるので、筋肉や姿勢に対するアプローチが有効なことが多いです。疼痛が強い場合には、消炎鎮痛薬や筋弛緩薬の内服、パップ剤の貼付(ちょうふ)、電気刺激やレーザー照射による鎮痛処置、局所注射、神経ブロックなどを行います。

 予防するためには、肩甲骨のもち上げや両腕挙上体操を行い、僧帽筋などの筋力を日ごろから鍛えておきます。頸部や肩甲骨のストレッチは血液の循環を促進させて筋を弛緩し、慢性化した局所的な筋緊張の緩和に有効です。自分で筋肉をバランスよく動かしていくことが重要です。

 労働中は、作業中の姿勢に気をくばり、作業机と作業者の体との距離が遠すぎないように、肘や手首を台の上に置いて仕事ができるように工夫することも大切です。

病気に気づいたらどうする

 症状が増悪(ぞうあく)する場合や、作業をやめても変わらない場合は、整形外科へ一度相談に行くべきです。前記の基礎的疾患がなければ、日ごろからの予防により症状の増悪を防ぐことはある程度可能と思われます。

豊田 宏光, 中村 博亮

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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