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胎盤機能不全症候群【たいばんきのうふぜんしょうこうぐん】

日本大百科全書(ニッポニカ)

胎盤機能不全症候群
たいばんきのうふぜんしょうこうぐん

1954年にアメリカの小児科医クリフォードCliffordが、過熟児に特有な症候群に対し、子宮内で胎盤機能が衰退した結果、胎児への栄養や酸素の供給が不足したことによると考えて命名したものである。症状の程度から次のように分類される。第一期は軽症で、新生児は脂肪が消失して皮膚のしわが多く、老人様の外見を呈する。第二期は中等度の症状で、羊水中に胎便が混入し、これに汚染され緑色に着色している。第三期は重症で、着色が深部組織まで及んでいる。近年は分娩(ぶんべん)監視装置によって第二期や第三期のものはみられなくなった。出生前に診断するためには、胎児胎盤系で大量に産生されるエストリオールの母体尿中排泄(はいせつ)量の多少により、胎盤機能を判定する方法がとられるが、胎盤性ラクトゲンの測定や羊水検査なども行われる。なお、妊娠中毒症、糖尿病、慢性腎(じん)炎などの合併症を伴った妊娠の場合にもみられる。

[新井正夫]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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六訂版 家庭医学大全科

胎盤機能不全症候群
たいばんきのうふぜんしょうこうぐん
Placental dysfunction syndrome
(子どもの病気)

どんな病気か

 胎児は胎盤を介して母体から酸素や栄養をもらって大きくなりますが、その胎盤機能が低下したために胎児が低酸素・低栄養となり、いろいろな症状を起こすものです。

原因は何か

 予定日を過ぎると胎盤機能が次第に衰えてくるので、過期妊娠(妊娠満42週を過ぎても分娩に至らない)は原因のひとつになります。そのほか、母体が妊娠中毒症(にんしんちゅうどくしょう)妊娠高血圧症候群)、糖尿病(とうにょうびょう)腎炎(じんえん)などの合併症をもっている場合、また母体が高齢である場合にも胎盤の機能不全が起こることがあります。

症状の現れ方

 低栄養のため、やせて細長い体型、しわしわの皮膚、皮膚の亀裂や表皮の剥離(はくり)、大人びた顔、長い髪の毛、長い爪などがみられます。また、低酸素のため、胎内で胎便を排泄していることがあり、羊水が胎便でにごっていることがあります。そのために皮膚や臍帯(さいたい)が黄緑色に着色していることがあります。多血症(たけつしょう)や低血糖がみられることもあります。

治療の方法

 低血糖、多血症など、合併する症状に対して治療を行います。

病気に気づいたらどうする

 生まれた直後から症状が現れているので、気づいたら小児科医の診察を受けたほうがよいでしょう。

佐藤 尚

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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