●胚乳【はいにゅう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
胚乳
はいにゅう
albumen
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デジタル大辞泉
はい‐にゅう【×胚乳】
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栄養・生化学辞典
胚乳
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世界大百科事典 第2版
はいにゅう【胚乳 endosperm】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
胚乳
はいにゅう
albumen
endosperm
二通りの意味がある。広義には裸子植物および被子植物の種子に含まれる胚以外のすべての栄養貯蔵組織をさす。この意味の英語はalbumenである。狭義には被子植物の内胚乳(内乳)をさす。この意味の英語はendospermである。
裸子植物の種子の栄養組織は雌性配偶体(前葉体ともいう)であり、成熟した雌性配偶体は種子の体積の大部分を占める。たとえば、イチョウの種子(銀杏(ぎんなん))の種皮を割ると、中から緑色で球形の組織塊が現れる。これが雌性配偶体であり、その細胞の中には多量のデンプン粒を蓄えている。また、マツなどの針葉樹ではデンプン粒もあるが、主体となるのは脂質とタンパク質からなるアリューロン粒である。
被子植物の種子の栄養組織には、外胚乳(外乳)と内胚乳とがある。外胚乳は、珠心の組織の一部が受精後もさらに発達して栄養を貯蔵するようになったものである。たとえば、スイレンでは種子の体積の大部分を外胚乳が占め、その細胞は肥大して、中にデンプン粒をもっている。珠孔寄りには小さな内胚乳があり、胚はその中に包まれている。
内胚乳は重複受精の結果つくられるもので、被子植物ではもっとも主要な栄養組織である。被子植物の雌性配偶体は胚嚢(はいのう)とよばれ、普通は8個の核をもっている。このうち、中央にある2個の極核が合体し、さらに花粉管のもつ2個の精核のうちの一つがこれと合体して、内胚乳のもとになる。したがって、内胚乳の核相は3(三倍体)であり、理論上は胞子体とも配偶体とも異なる独立した植物体とされる。内肺乳の初期の発達には三つの方式がある。その一つは、始めに自由核分裂をして、中央部には液胞、周辺部には細胞質と多数の核をもつようになる自由核型(アブラナ科など)であり、二つ目は、初めから細胞壁の仕切りりをつくる細胞型(キク科など)であり、三つ目は、第一回の分裂のときに細胞壁をつくり、その後は自由核分裂をする沼生(しょうせい)型(ユリ科など)である。なお、ラン科などでは、内胚乳はごく初期に数回だけ核分裂し、その後は退化していく。また、自由核型や沼生型であっても、さらに発達が進めば、周辺部から細胞壁をつくり始める。マメ科の内胚乳は、細胞壁をつくる段階まで発達するが、その後は胚が急速に肥大して内胚乳を吸収し尽くし、栄養は胚の子葉の中に移っていく。イネ科などでは内胚乳の中央まで細胞が詰まり、多量のデンプン粒をもつようになる。内胚乳の貯蔵物質としてもっとも一般的なのはデンプンであり、内胚乳の最外層は、普通、タンパクを含むアリューロン層となる。しかし、ユリ科などの内胚乳にはデンプンがなく、脂質とタンパク質、および肥厚した細胞壁についているヘミセルロースが含まれる。
[山下貴司]
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精選版 日本国語大辞典
はい‐にゅう【胚乳】
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