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胚細胞系腫瘍

内科学 第10版

胚細胞系腫瘍(脳腫瘍各論)
(6)胚細胞系腫瘍(germ cell tumor)
 生殖器原発のきわめて多彩な組織像を呈する腫瘍群の総称で,わが国の統計では全脳腫瘍の約3%を占め,欧米に比べ発生頻度の高い腫瘍である.胚細胞腫(germinoma),卵黄囊腫瘍(yolk sac tumor),絨毛癌(choriocarcinoma),奇形腫(teratoma),胎児性癌(embryonal carcinoma)の5組織型と,おのおのの成分が混ざる混合型がある.胚細胞腫以外の腫瘍をnon-germinomatous germ cell tumorと一括するが,成熟型の奇形腫を除くといずれもきわめて悪性度の高い腫瘍である.
好発部位・好発年齢・性差
 松果体と鞍上部に好発する.20歳以下に多く,男性に圧倒的に多いが,鞍上部に発生するものにはほとんど性差をみない.
臨床症状
 松果体部に発生するものでは,中脳水道狭窄あるいは閉塞による水頭症,上方注視麻痺(Parinaud徴候)やArgyll Robertson瞳孔をみる.鞍上部に発生するものは,視力・視野障害,尿崩症,下垂体前葉の機能障害が特徴的である.hCG産生腫瘍では,男性例でときに思春期早発症をみることがある.
診断
 MRI上,胚細胞腫は境界明瞭で強く均一に造影される病変として描出される(図15-14-6).奇形腫は石灰化や囊胞を伴う.その他の腫瘍は,不整形で不均一に造影されることが多いが,その鑑別には前述の腫瘍マーカー(HCG,AFP)を参考にする必要がある(表15-14-3).
治療・予後
 成熟型の奇形腫に関しては,手術による全摘出で治癒を期待することが可能である.胚細胞腫は放射線感受性が高く,手術によって組織診断を得た後に放射線治療を行えば,10年生存率80%以上が期待できる.未熟型の奇形腫を含むその他の腫瘍はきわめて悪性で,手術と放射線治療に加えシスプラチンやカルボプラチンを中心に多剤併用の化学療法を行う.しかし,その治療成績は必ずしも満足できるものではなく,卵黄囊腫瘍,絨毛癌,胎児性癌の再発率は90%以上に及ぶ.[新井 一]

出典:内科学 第10版
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それぞれの用語は原書刊行時(2013年)の時点での最新のものです.常に最新の内容であることを保証するものではありません。また,権利関係の都合で一部表示できない図や画像があります。

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