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胡弓【こきゅう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

胡弓
こきゅう
東洋に行われる擦弦楽器総称であるが,狭義には日本で行われるものだけをいい,中国の胡の総称としては胡琴朝鮮のものは奚琴,琉球のものは提琴というが,現在の沖縄では胡弓ともいっている。日本では鼓弓,小弓とも書き,三味線を小型にして縦に持ち,馬尾を張った弓で奏する。日本には石村検校が琉球から伝えたものともいわれるが,詳細は未詳。江戸時代の初期には門付芸の楽器として行われた。八橋検校も胡弓の改良者として伝えられる。宝暦頃の大坂では,品川検校門下の政島検校が芸術音楽としての胡弓独奏曲を整理し,その系統の森岡正甫が寛政7 (1795) 年江戸に伝えた。ただし,江戸には別に宝暦頃に胡弓名人といわれた藤植検校が4弦 (ただし第3,第4弦は同律) の胡弓を創始し,藤植流 (ふじえりゅう) として山田流箏曲と結びついて伝承された。ほかに,名古屋の関松翁を祖とする松翁流も山田流と結びついて現在にいたっている。京都では,文化頃に腕崎検校という名手がいたとの記録があるが,その後の関西における伝承は未詳。現在藤植流胡弓本曲として伝えられるものは,『栄獅子』『唐子楽』『下り葉』『鶴の巣籠』など 12曲,名古屋および関西では,『鶴の巣籠』のほかには吉沢検校作曲の『千鳥の曲』『蝉の曲』などのみが胡弓本曲として行われている。なお,かつては,三曲合奏として三弦,,胡弓の3種の組合せが主流であったが,今日では尺八にその位置を奪われてしまった。このほか,歌舞伎や文楽においても,『沼津』『阿古屋琴責』『御所五郎蔵』など特定のものに部分的に用いられ,また,民謡でも『越中おわら』や『麦や節』などの伴奏に用いられる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

こ‐きゅう【×胡弓/鼓弓】
日本の弦楽器。三味線を小さくしたような形の擦弦楽器で、3弦と4弦との2種がある。独奏曲もあるが、箏(そう)や三味線と合奏することが多い。
東洋の弦楽器で、弓で奏する、1と似た構造のもの。胡琴(こきん)提琴奚琴(けいきん)など。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

こきゅう【胡弓】
広義には東洋のリュート属擦弦楽器の総称で,中国の胡琴こきん),朝鮮の奚琴(けいきん)なども含まれる(イラスト)。狭義には日本のものを指し,鼓弓,小弓とも書く。日本の胡弓は三味線とほぼ同じ形で,少し小さい。各部分の名称は三味線と同じ。四角形の胴に,猫の皮を張り,長い棹をもつ。棹は三味線と同様,木枠の胴にくし刺しになっており,その先端(中子先(なかごさき))は三味線に比べるとかなり長い。胴の皮の棹に近い方に(木製で,多くの場合演奏者自身が作製

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

胡弓
こきゅう
広義には東洋の弓奏弦楽器の総称、狭義にはそれらのうち日本で用いられているものをいい、鼓弓または小弓とも書く。胡弓は日本でほとんど唯一の弓奏弦楽器で、三味線の改造とも沖縄の胡弓の改造ともいわれる。さらに、ヨーロッパのレベックを模したという説もある。3弦と4弦の2種があり、形は三味線に似てやや小さく全長約70センチメートル、演奏の際にはこれを膝(ひざ)の上、ないし両膝の間に立てて持ち、馬の尾を張った長い弓で弦をこする。ある弦から他の弦に移るときは、弓の角度を変えるのでなく、楽器そのものを回転させる。江戸時代初期から遊芸人が奏したが、検校(けんぎょう)たちによって芸術的に高められ、組歌(くみうた)や本曲(ほんぎょく)がつくられた。義太夫節(ぎだゆうぶし)では「阿古屋(あこや)の琴責(ことぜめ)」など部分的に使用され、哀切な気分を醸し出す。またとくに地歌(じうた)、箏曲(そうきょく)では三曲合奏の楽器として盛んに用いられたが、明治以後はその位置を尺八が占めるようになった。[千葉潤之介]

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