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脂肪酸回路【しぼうさんかいろ】

日本大百科全書(ニッポニカ)

脂肪酸回路
しぼうさんかいろ
生体内で脂肪酸を合成したり分解したりする反応を行う回路である。合成回路は、アセチル補酵素Aからマロニル補酵素A(脂肪酸合成の基質)を合成するアセチル補酵素Aカルボキシラーゼと、アセチル補酵素A、マロニル補酵素Aを材料として脂肪酸を合成する脂肪酸合成酵素(リガーゼ)とによって触媒される。マロニル補酵素Aは、脂肪酸合成酵素にすでに結合している脂肪酸部分に、2個の炭素原子の単位を供給する。さらに還元や脱水を経て、酵素上の脂肪酸部分は炭素数をちょうど2個分だけ延長する。このサイクルを7回繰り返して、炭素数16(パルミチン酸)になったときに終了する。パルミチン酸より長鎖の脂肪酸は延長酵素の作用で、また不飽和結合をもった脂肪酸は不飽和化酵素の作用により合成される。
 分解経路は、おもに脂肪酸のカルボキシ基(カルボキシル基)側から炭素2個ずつの単位で次々に切断されてアセチル補酵素Aとなるもので、β酸化(ベータさんか)とよばれる。脂肪酸はATP(アデノシン三リン酸)および補酵素Aと順次反応して脂肪酸アシル補酵素Aとなり、このβ位が新たな短鎖脂肪酸アシル補酵素Aを形成する(炭素鎖2個分短い)。これを繰り返して、脂肪酸は補酵素Aへと分解され、このときNADH(還元型NAD。NADはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの略)が生成する。NADHやアセチル補酵素Aは、それぞれ呼吸鎖、クエン酸回路によって代謝され、エネルギー産生に寄与する。このほかにカルボキシ基の反対側から酸化されるω(オメガ)酸化という分解経路や、カルボキシ基側から一度に炭素原子1個分ずつしか分解しないα(アルファ)酸化も知られている。[若木高善]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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