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脚気【カッケ】

デジタル大辞泉

かっ‐け〔カク‐〕【脚気】
ビタミンB1欠乏により起こる病気。倦怠感(けんたいかん)・手足のしびれ・むくみなどから始まり、末梢神経の麻痺(まひ)や心臓衰弱を呈する。かつて日本で国民病とされた。 夏》

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

脚気
 ビタミンB1欠乏により起こる疾病で多発性神経炎を特徴とする.膝蓋反応などが鈍くなる.ビタミンB1欠乏の起こる原因は,摂取量の少ないことのほか,吸収が悪かったり尿への排泄が多い場合などもある.欠乏時にはチアミンピロリン酸補酵素とする血中のトランスケトラーゼなどの活性が低下する.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

かっけ【脚気 beriberi】
ビタミンB1の欠乏によって起こる栄養障害性の病気。ビタミンB1は酵母,穀類の胚芽,もやし,豆類に多量に含まれているので,日本人の標準的な食事をとっているかぎり,B1欠乏になることは少ない。しかし,精米して胚芽をとり除いた白米にはB1はほとんど含まれていないので,白米ばかり食べているとB1欠乏となる可能性がある。江戸時代の中ごろから白米食の習慣が普及したため,脚気の病因がつきとめられ,その対策がとられるようになる大正時代ころまでは,脚気は日本全国において多発し,毎年2万人以上が脚気のために死亡したという。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

脚気
かっけ

ビタミンB1(チアミン)の欠乏による疾患で、ビタミン発見の端緒となった疾患の一つ。発症の誘因としては、ビタミンB1の摂取量不足、吸収障害、利用障害、所要量の増大が考えられる。摂取量不足には、絶対量の不足と、糖質(炭水化物)の代謝にビタミンB1が必要であり、糖質の過剰摂取のためにビタミンB1が大量に消費され、相対的に不足する場合もある。また、消化器疾患による吸収障害、肝硬変による利用障害もあり、アルコールの過飲は吸収と利用の両面とも障害する。さらに、甲状腺機能亢進(こうしん)症や熱性疾患のほか、激しい運動や肉体労働によっても所要量が増大し、不足をきたしやすくなる。

 夏季に多く、初期には全身や下肢の倦怠感(けんたいかん)、食欲不振などがあり、しだいに下肢のしびれ感や知覚異常がおこり、多発性神経炎の症状が現れる。さらに進行すると、運動麻痺(まひ)が加わり、腱(けん)反射が消失して手足に力が入らず、寝たきりとなる。循環器系の症状として脈が速くなり、体を動かすとひどくなる。血管は弛緩(しかん)するので、拡張期血圧は低下する。進行すると心不全となり、放置すれば脚気衝心とよばれ、ショック状態となって死亡する。そのほか、むくみが全身にくるが、とくに下肢に多く、指で圧すとへこんだままで元にすぐ戻らない。

 治療としては、軽症なら食事療法だけでも改善するが、重症の場合は、まずビタミンB1を5~10ミリグラム注射し、症状が好転すれば1.0ミリグラムの内服に切り替える。予防には、偏食や過労を避け、栄養のバランスを心がけ、ビタミンB1の含有量の多い食品(豚肉、鳥もつ、豆類、卵など)を献立に加える。

[橋詰直孝]

脚気とビタミン

脚気は精白米を常食とする民族に多く発症していた。英語ではベリベリberiberiというが、これは東南アジアの原地語に由来し、スリランカのシンハラ語で「虚弱」の意味をもつ語を二つ重ねたものである。日本では江戸時代の享保(きょうほう)年間(1716~36)に江戸で大流行し、当時は「江戸煩(わずらい)」とよばれ、奇病とされていた。明治になっても脚気による死亡者は年間2万人にも達し、政府は1877年(明治10)12月各府県に脚気の原因究明と療法の調査を命じ、陸海軍当局も調査を始めた。脚気の原因には細菌感染説、真菌説、魚毒説、タンパク質や脂肪の欠乏説などの諸説があった。海軍省医務局長の高木兼寛は1882~84年(明治15~17)に海軍の遠洋航海訓練中の食事改善で脚気の予防に成功し、またバタビア(ジャカルタ)の病理研究所長エイクマンも鳥類白米病を発見した。つまり、脚気は白米摂取との関係が深く、特定物質の欠乏症状である可能性が唱えられ、有効物質の発見に努力が続けられた。1910年(明治43)鈴木梅太郎は特定物質の抽出に成功し、アベリ酸のちにオリザニンと名づけた。翌年、ロンドンのリスター研究所でフンクが同じく特定物質を純粋な形で抽出することに成功し、ビタミンと命名、これが世界的に認められ、ビタミン発見の第一号となった。かくて脚気の原因が判明し、治療法が確立した。しかし、1923年(大正12)には2万7000人もの死者を出したほど日本には典型的な脚気が多発し、結核と並び二大国民病として恐れられた。近年は栄養改善に伴い脚気の発症は激減したが、今日でもなお散発的に報告がある。

[橋詰直孝]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

あし‐け【脚気】
〘名〙 脚の病気。一般に脚の病をさす。また特に、かっけをいう。あしのけ。
※俳諧・曠野(1689)員外「柏木(かしわぎ)の脚気の比のつくづくと〈野水〉 ささやくことのみな聞えつる〈荷兮〉」

出典:精選版 日本国語大辞典
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かっ‐け カク‥【脚気】
〘名〙 足の感覚が麻痺したり、脛(すね)にむくみができる病気。ビタミンB1の欠乏により起こる。全身や足がだるくなり、疲れやすくなる。あしのけ。脚病。江戸わずらい。かけ。脚気症。《季・夏》
※日本後紀‐大同三年(808)一二月甲子「臣生年未幾。眼精稍暗。復患脚気
[補注]昔から難病とされ、藤原定家の持病であったことは有名。江戸時代、享保年間(一七一六‐三六)に江戸で大流行し、箱根山を越えると治るとされたところから「江戸わずらい」と呼ばれたりした。

出典:精選版 日本国語大辞典
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

脚気
かっけ
ビタミンB1」のページをご覧ください

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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