●脳卒中【のうそっちゅう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
脳卒中
のうそっちゅう
cerebral apoplexy
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知恵蔵
脳卒中
(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
朝日新聞掲載「キーワード」
脳卒中
(2008-03-24 朝日新聞 朝刊 3総合)
出典:朝日新聞掲載「キーワード」
デジタル大辞泉
のう‐そっちゅう〔ナウ‐〕【脳卒中】
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監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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生活習慣病用語辞典
脳卒中
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世界大百科事典 第2版
のうそっちゅう【脳卒中 cerebral apoplexy】
出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)
脳卒中
のうそっちゅう
cerebral apoplexy
急激に意識を失って倒れ、半身不随に陥るのが典型的な症状である疾患の総称で、脳血管障害の同義語として使われることが多い。卒中とは卒然(突然)邪気や邪風に中(あた)るという意味で、卒中風の略とされており、中気や中風ともよばれた。またapoplexyの語源はギリシア語で、殴られて倒れる状態を意味する。かつては、ほとんどが脳出血であったことから、脳溢血(いっけつ)ともよばれていた。
脳卒中の種類は1969年(昭和44)当時の文部省総合研究班(班長冲中重雄(おきなかしげお))により、脳梗塞(こうそく)(脳血栓、脳塞栓)、頭蓋(とうがい)内出血(脳出血、くも膜下出血)、脳梗塞を伴わない一過性脳虚血発作、高血圧性脳症に分類された。その後、幾度かの変遷があって、一過性脳虚血発作は、局所性神経脱落症状が普通数分続き、24時間を超えることなしに痕跡(こんせき)を残さず治り、血管病変を有する患者にみられ、しばしば再発する傾向があると定義され、低血圧に伴う一過性脳虚血発作は除外された。
一方、アメリカのミリカンMillikanらが1975年に発表した脳卒中の診断基準で、病期による分類をしているのが注目される。すなわち、一過性脳虚血発作のほかに、神経症状変動期として症状が悪化または軽快しつつある時期をあげ、悪化進行しているものを進行型発作progressing strokeとした。また神経症状固定期として、局所症状が24時間以上持続するが3週以内に消失するものを可逆性脳虚血症状reversible ischemic neurological deficit(RIND)といい、局所症状が3週以上固定して存在するものを狭義の完成型発作completed strokeとした。
なお、脳卒中は、わが国では癌(がん)、心臓病とともに死亡率が高い疾患の一つで、1999年度(平成11)の年間死亡者数は約13万9000人で、4分間に1人が死亡する割合となる。また脳出血と脳梗塞の割合は、従来は脳出血が多かったが、1974年から逆転して脳梗塞死が脳出血死より多くなってきている。
[荒木五郎]
発作時の看護
かつては、脳卒中で倒れたらその場を動かさないことが原則とされたが、現在では可能な限り早く脳外科とCT(コンピュータ断層撮影)装置のある病院に運ぶことが原則となっており、倒れて6時間以内が勝負といわれている。CTでは4、5分間で診断が下される。一般に脳卒中の発作時に医師がいる例はほとんどないので、居合わせた人はなるべく次のような事項を調べて医師に報告することが望まれる。
(1)いつ、どんな症状がおこったか
(2)発症したとき、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐(おうと)があったかどうか
(3)意識障害があったかどうか、あった場合はその程度、たとえば、名前を呼んだら反応があったか、大きな声で呼んだらどうか、つねってみると目を覚ますかどうかといったこと
(4)呼吸や脈は規則正しいかどうか、1分間にどのくらいか
(5)高血圧、糖尿病、心臓病の治療中だったかどうか、どんな薬を服用していたか
などである。ただし、あわてて体をゆすったりしてはいけない。
[荒木五郎]
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精選版 日本国語大辞典
のう‐そっちゅう ナウ‥【脳卒中】
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六訂版 家庭医学大全科
脳卒中(脳血管障害)
のうそっちゅう(のうけっかんしょうがい)
Stroke (Cerebrovascular disease)
(脳・神経・筋の病気)
脳卒中とは
脳卒中という言葉は一般的な用語であり、医学用語ではありません。正式には脳血管障害といいます。脳卒中の卒は
これは中国から渡ってきた言葉ですが、西暦760年の日本の書物にすでに見られますから、この病気は日本でも長い歴史をもっていることがわかります。近代医学が発展する前から、人々は卒中という病気があることをある程度理解していたことの証拠でもあります。
脳血管障害の分類
図1に示すように、脳の血管が動脈硬化や、ほかの部位から流れてきたもの(
一方、脳の深部の細い血管に高血圧や加齢によって小さなこぶがたくさんでき、これが急に血圧が上昇した時などに破裂して脳のなかに
そのおのおのについてはあとで詳しく説明します。
脳卒中は日本の国民病のひとつではありますが、その死亡数は年々減る傾向を示しています。しかしそれは主に脳出血による死亡が減っているからで、脳梗塞やくも膜下出血による死亡はあまり減っていません。
むしろ死亡率が下がっているわりには発症率が下がっていないので、実際に病院にかかっている患者さんの数は増えています。
日本におけるある日の調査では、その日に入院中、あるいは外来を訪れた148万人の脳卒中の患者さんのなかで、脳梗塞が約75%、脳出血が15~20%、くも膜下出血が5~10%という結果が出ています。日本で脳卒中で悩む患者さんの4分の3が脳梗塞であることがわかります。
原因は何か
脳卒中を起こす最大の原因は、高血圧と加齢だといわれています。しかしそのほかにもたくさんの原因が知られており、それらは危険因子と呼ばれています。もちろん、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血かによって危険因子は多少違います。
脳出血は高血圧と加齢に加えて、出血性素因(血が固まりにくいこと)や動脈硬化などが危険因子になります。くも膜下出血は動脈瘤の存在と高血圧が最も強い危険因子です。
いちばん数の多い脳梗塞の原因はさまざまです。高血圧、加齢のほかに糖尿病、心臓病、脂質異常症、肥満、喫煙、多量飲酒、ストレス、脱水、炎症、
検査と予防
危険因子の多くは簡単な検査でわかります。健康診断や人間ドックでこれらの因子が見つかれば、早めに生活習慣の改善や治療をすることが脳卒中の予防につながります。加齢や遺伝は治療できませんが、同時に存在する他の危険因子をしっかり治療すれば、脳卒中の予防に十分役立ちます。
脳ドックなどで行うMRI検査で偶然、無症状ではあっても、脳梗塞(かくれ脳梗塞とか
また、破裂する前の動脈瘤が見つかることもあります。この時は、ただ心配するだけではなく、早急に専門の医師(神経内科医、脳外科医、脳卒中専門医など)に相談してください。いろいろな予防法があります。
病気に気づいたらどうする
軽い症状でも脳卒中らしいと感じたら、1分でも1秒でも早く専門医のいる病院へ行くことです。そのためには、家族に脳卒中の危険因子を多くもつ高齢者がいる場合は、万一の場合、近くのどこの病院に運べばよいかを普段から考えておくとよいと思います。
脳卒中は恐ろしい病気ですが、施設の整った専門医のいる病院に1分でも早く連れていくことで、死を免れたり後遺症を少なくすることができます。
篠原 幸人
出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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栄養・生化学辞典
脳卒中
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