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脳浮腫【のうふしゅ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

脳浮腫
のうふしゅ
brain edema
脳の間質組織 (細胞外腔) の含水量が異常に増加した状態をいう。脳出血脳梗塞の急性期,脳腫瘍脳膿瘍外傷などの病巣の周辺部にみられる。脳浮腫が高度になると,脳容積増大により脳幹が圧迫されて,小脳テント切痕ヘルニア大後頭孔ヘルニアなどを引起すことがある。副腎皮質ホルモン投与減圧術,原因疾患に対する治療などが行われる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

のう‐ふしゅ〔ナウ‐〕【脳浮腫】
頭部外傷・脳腫瘍(のうしゅよう)脳内出血や脳の感染症などにより、脳の組織内に水分が異常にたまった状態。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

のうふしゅ【脳浮腫 brain edema】
脳に生じた水腫で,水分量の増加により脳の容積が増大した状態をいう。おもな症状頭蓋内圧の亢進による頭痛嘔吐鬱血(うつけつ)乳頭などであり,さらに進行すると意識障害,徐脈呼吸異常などが起こってくる。原因は二つに大別される。一つは,毒物や低酸素状態などにより細胞の物質代謝が阻害されるために起こるもので,細胞内に水とナトリウムイオンNaが流入し,細胞は腫大する。このような脳浮腫を細胞障害性浮腫cytotoxic edemaという。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

脳浮腫
のうふしゅ

脳細胞周囲や脳血管周囲などの細胞外腔(がいくう)(組織間隙(かんげき))に水分が異常に貯留した状態をいう。脳細胞内や脳血管床(脳内の血管が占める部分)の増大は脳腫脹(のうしゅちょう)とよばれるが、電子顕微鏡的には脳浮腫と脳腫脹を厳密に区別することは困難である。発生機序としては、クラッツォKlatzo 、フィシュマンFischman、その他の研究により3型に分けることができる。

(1)血管原性浮腫(vasogenic edema)毛細血管の内皮細胞と隣接する星細胞がつくる血液脳関門の破綻(はたん)による透過性の亢進(こうしん)により、血漿(けっしょう)成分が細胞外腔に漏出貯留する。おもに、白質に生じる。原因としては脳挫傷(ざしょう)、出血、膿瘍(のうよう)、腫瘍(しゅよう)など占拠性病変に伴うことが多い。

(2)細胞毒性浮腫(cytotoxic edema)血管内皮細胞、グリア細胞、神経細胞内の液体成分が増加することによって生ずるもので、原因は低酸素症、中毒、代謝障害などで、血液・脳関門の障害はないとされている。しかし、実際には血管原性浮腫から時間の経過によって移行してくるものもある。白質、灰白質いずれにもおこる。

(3)周囲組織内浮腫(interstitial edema)(hydrocephalic edema)水頭症の際にみられるもので、脳室内の水分が脳室上衣を介して周囲脳組織に浸透するもの。

 これに対し、急性脳腫脹の発生は、脳血管麻痺(まひ)による血管床の増大が重視されている。その背景としては、乏酸素状態(anoxia)や高CO2状態(hypercapnea)による血管トーヌス低下、脳血管緊張支配中枢(視床下部)の障害、アシドーシスによる血管緊張低下などが考えられる。

 脳浮腫は脳挫傷、脳腫瘍、脳出血、髄膜炎、無酸素症など種々の疾患で生ずるが、脳容積の増大は頭蓋(とうがい)内圧を亢進させて脳ヘルニアを引き起こし死を招くため、その予防と治療は中枢神経系疾患における最重要課題である。治療は、原因となるものの除去をはじめ、過換気療法、脱水療法、ステロイド療法、血行改善療法、外科療法のほか、高圧酸素療法やバルビツレート療法、低体温法などが行われる。

[加川瑞夫]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

のう‐ふしゅ ナウ‥【脳浮腫】
〘名〙 脳組織の中に含まれる水分量が増加した状態。尿毒症、肝硬変などの全身性疾患や、脳出血、脳腫瘍(のうしゅよう)、脳挫傷などの脳組織の病気の時に見られる。意識障害、痙攣(けいれん)などを起こし死に至ることが多い。

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