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脾腫【ひしゅ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

脾腫
ひしゅ
splenomegaly
脾臓が腫大した状態。原因は,(1) 感染症 (亜急性心内膜炎,マラリア寄生虫症) ,(2) うっ (脾性貧血肝硬変) ,(3) 血液病 (溶血性貧血悪性貧血白血病) ,(4) 病的産物の沈着 (ゴーシェ病,ニーマン=ピック病) ,(5) その他 (脾腫瘍,先天異常) である。正常な脾臓の重さは 100g前後で,この約2倍に達すると脾腫として体表上から触れることができる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ひ‐しゅ【×脾腫】
脾臓(ひぞう)が腫れて大きくなった状態。血液疾患・炎症・脂質代謝異常などでみられる。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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家庭医学館

ひしゅ【脾腫 Splenomegaly】
[どんな病気か]
 脾臓(ひぞう)が腫(は)れて大きくなった状態を、脾腫といいます。
 左上腹部の触診で診断できるのがふつうですが、ときには、X線撮影やCTスキャンを行なって確認しなければわからないこともあります。
[原因]
 ①肝硬変(かんこうへん)、門脈(もんみゃく)の閉塞(へいそく)、心不全などのための脾臓のうっ血(けつ)、②細菌、ウイルス、寄生虫の感染による炎症、関節リウマチなどの膠原病(こうげんびょう)に反応した脾臓の細胞の増殖、③脾臓で血球が大量に破壊される溶血性貧血(ようけつせいひんけつ)や特発性血小板減少性紫斑病(とくはつせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう)によるもの、④慢性・急性白血病、悪性(あくせい)リンパ腫(しゅ)、といった血液の病気などが原因でおこります。
 とくに、慢性白血病、骨髄線維症(こつずいせんいしょう)、マラリア、特発性門脈圧亢進症(とくはつせいもんみゃくあつこうしんしょう)といった病気にともなっておこったときには、腫れ方が大きくなります。
[症状]
 脾腫があると左上腹部の腫れや痛み、膨満感(ぼうまんかん)のほか、呼吸困難、吐(は)き気(け)、嘔吐(おうと)、便秘などが現われてきますが、腫れの程度や原因によって症状はさまざまです。
 脾臓が腫れて巨大になったときには、脾臓への血流が障害されます。そのため、脾梗塞(ひこうそく)という脾臓の組織が壊死(えし)におちいった状態になりますが、このときには、左上腹部に激しい痛みがおこります。
[治療]
 原因になっている病気を治療します。
 脾腫をおこした原因にもよりますが、脾腫が周囲の臓器に悪影響をおよぼしているときや、脾臓そのものに病気の原因があるときには、脾臓を摘出することがあります。
[日常生活の注意]
 脾臓が腫れて大きくなっている場合は、破裂する危険性があるために、激しい運動は避けるようにします。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

ひしゅ【脾腫】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

ひしゅ【脾腫】
脾臓が大きくなった状態。肝硬変・造血器疾患・感染症・脂質代謝障害などで見られる。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

ひ‐しゅ【脾腫】
〘名〙 脾臓がはれて大きくなっていること。白血病、カラアザール(黒熱病)、バンチ症候群、肝硬変、敗血症、腸チフスなどに見られる。

出典:精選版 日本国語大辞典
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内科学 第10版

脾腫(症候学)
概念
 脾は左上腹部,横隔膜の直下に位置し,正常ではその重量はおよそ100~130 gであり左肋骨弓に隠れていて触知しない.この脾が後述のさまざまな原因により腫大し,正常の約3倍以上(300 g以上)になると左肋骨弓下に触知するようになる.正常の約8倍以上 (900 g以上)になると,臍下に達し,巨脾(splenomegaly)とよばれる.
脾の構造と機能
 脾の構造は,赤血球が詰まった脾洞と網内系細胞で覆われた脾索からなる赤脾髄(red pulp)と,脾柱動脈から分かれた中心動脈のまわりを取り囲むTリンパ球からなる動脈周囲リンパ球鞘とBリンパ球の集団で構成される胚中心でできている白脾髄(white pulp),および白脾髄の辺縁に存在し,赤脾髄との境界に位置する辺縁帯(marginal zone)からなる.
 脾の機能は①老化した赤血球あるいは欠陥のある赤血球(球状赤血球や鎌状赤血球など)を取り除く,②抗体の結合した細菌や血球を貪食することにより取り除く,③抗体を産生する,などがおもなものである.脾洞には狭い間隙があり変形能のある正常な赤血球はここを通り抜けるが,老化あるいは欠陥赤血球は通過できずに赤脾髄内にとどまり破壊される.また,この間隙を通過する際に核の遺残物であるHowell-Jolly小体,変形したヘモグロビンであるHeinz小体,さらには赤血球に寄生している寄生虫も取り除かれる.骨髄で造血ができなくなる病的状態(骨髄線維症など)においては脾で造血が行われることがあり,これを髄外造血という.また,脾の機能の1つとして,循環血小板および循環好中球を貯蔵(プール)しており,これらは出血や感染症などに際して,一気に放出される.
原因
 脾腫の原因としては前述の脾のおもな3つの機能(①,②,③)が亢進した場合および腫瘍性変化によるもの,うっ血によるものなどがある.表2-16-1に脾腫をきたすおもな疾患を示す.
診断
 身体診察により脾腫の有無をみる.視診では中等度以上の脾腫の場合左上腹部の膨隆がみられる.聴診では中等度以上の脾腫で疼痛を訴えている場合にはfriction rub(摩擦音)を聴くことがある.打診ではTraube三角の部位を打診し,濁音の場合脾腫の存在が疑われる.最も重要なのは触診であり,これは双手診で行う.仰臥位で術者の左手を左肋骨弓部にあて皮膚を下方に引き,患者にゆっくりと深呼吸させ,右手の人差し指で脾の下縁を触れるように触診する.脾切痕を触れれば脾腫であることが確実である.右側臥位で同様に触診すると脾腫はより触れやすい.
 脾の先端(tip)を触れるのみで脾腫か否か確定できない場合や打診上濁音のみで脾を触れない場合には超音波検査,CT検査で確認をする.
鑑別診断
 表2-16-1に示した脾腫の原因となる疾患を考慮しながら詳細な病歴聴取(医療面接)と身体診察を行うことにより感染症,溶血性貧血,肝疾患などによるうっ血脾,炎症性疾患などの可能性をしぼることができる.さらにスクリーニング検査としての基本的検査(尿検査,便検査,血液検査,血液生化学検査,X線検査)を行うことによりほぼ診断可能である.特異的検査として細菌学的検査,ウイルス抗体,遺伝子検査などにより感染症の確定診断ができる.造血器腫瘍の確定診断には骨髄穿刺(あるいは生検),リンパ節生検などの病理学的検査,細胞表面マーカー,遺伝子検査などを行う.うっ血脾の診断には内視鏡,血管造影検査,肝生検などが必要となる場合がある.膠原病などの炎症性疾患の診断には各種自己抗体の検索を要する.溶血性貧血の鑑別には赤血球浸透圧抵抗試験,ヘモグロビン分析,抗赤血球自己抗体,遺伝子検査などを行う.[檀  和夫]

出典:内科学 第10版
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