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腟カンジダ症【ちつカンジダしょう】

世界大百科事典 第2版

ちつカンジダしょう【腟カンジダ症 vaginal candidiasis】
カンジダ腟炎ともいう。真菌(カビ)の一種であるカンジダ感染によっておこる腟炎であり,通常は外陰炎を併発している。白色泥状,チーズ状の帯下を伴う激しい搔痒(そうよう)感,灼熱感,痛みが特徴的な症状である。性交,手,タオル衣類などによって伝播するといわれているが,元来カンジダは生体内に広く常在するものであり,妊娠,糖尿病罹患,長期抗生物質投与,ピル内服などにより腟内環境がカンジダの増殖に好都合なものに変化すると,腟内に生着,発育,増殖して発症するにいたる。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

腟カンジダ症
ちつかんじだしょう
カンジダ腟炎ともいい、真菌(カビ)の一種であるカンジダによる腟炎で、産婦人科領域における真菌症の一つ。しばしば外陰症状を伴い、外陰腟真菌症(外陰腟カンジダ症)の病態を示すことが多い。慢性化すると腟の症状が軽くなり、外陰の症状が主となってくる。性行為感染症の一つとしてみられるほか、真菌の菌交代症、あるいは日和見(ひよりみ)感染によるものがある。
 症状としては、外陰掻痒(そうよう)感が強く、帯下(たいげ)感を欠くこともある。帯下(おりもの)は酒粕(さけかす)様、チーズ様で、腟トリコモナス症のように液状となることはない。妊娠、糖尿病、長期間の抗生物質剤の投与、経口避妊薬の使用などにより腟内環境がカンジダの増殖に適した状態になると発症するので、これは診断の参考になる。治療には抗真菌剤を用いる。[新井正夫]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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六訂版 家庭医学大全科

腟カンジダ症
ちつカンジダしょう
Vaginal candidiasis
(女性の病気と妊娠・出産)

どんな病気か

 生殖年齢にある女性では卵巣機能が活発で、エストロゲン(女性ホルモン)の作用により、多量のグリコーゲンを含んだ腟上皮(ちつじょうひ)細胞が増殖分化します。

 腟内にはデーデルライン腟桿菌(ちつかんきん)(腟乳酸菌桿菌)という菌が常在していて、このグリコーゲンを乳酸に分解して腟内を酸性に保ち、ほかの細菌の侵入を阻止しています(自浄作用)。しかし、何らかの原因により、この自浄作用が破綻した場合に、いろいろな腟炎外陰炎が発症します。

 腟カンジダ症は、やはり腟に常在しているカンジダという真菌が異常増殖して発症する病気です。その誘因としては、エストロゲン分泌亢進による、腟内㏗の低下に伴う細菌(そう)の変動、糖尿病、抗生剤投与による菌交代現象、妊娠、副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬の大量投与などがあげられます。

 感染経路は、性交、便や尿、手指やタオルなどが考えられます。

 腟カンジダ症は、外陰腟真菌症(がいいんちつしんきんしょう)の90%程度を占めます。75%ほどの女性は生涯に1回は、また45%ほどの女性は2回以上、外陰腟カンジダ症を経験するといわれています。

症状の現れ方

 外陰部に瘙痒感(そうようかん)(かゆみ)、灼熱感(しゃくねつかん)が強く現れます。粥状(じゅくじょう)、酒粕状の帯下(たいげ)(おりもの)が増加します。外陰部の発赤、はれがみられ、周辺に紅斑や小膿疱(しょうのうほう)を伴うこともあります。

 カンジダに感染していても症状のないこともあり、通常は症状がある場合に治療を行います。

検査と診断

 前記の症状と、帯下の所見、菌の検出により診断します。菌の検出には直接、帯下を顕微鏡で観察し、菌体を検出する方法(鏡検)と、帯下を培養する方法があります。培養法のほうが鏡検より検出率はよくなります。

治療の方法

 抗真菌薬配合の腟錠を使用し、同時に軟膏やクリームを外陰部に塗ります。ステロイド軟膏の使用は禁忌です。薬剤は一般的に、イミダゾール系(アデスタンG300、オキナゾールV600など)を1週間程度使用し、効果が不十分な場合は、さらに1週間使用します。

 難治性の場合は、原因の検索を行い、経口薬の投与も行うことがあります。ただし妊婦の場合、経口薬は使用しません。

病気に気づいたらどうする

 前記の症状が現れたら、産婦人科を受診してください。また、妊娠中は子宮内感染や産道感染の予防のため、妊娠13週以降から治療を行います。

藤原 敏博

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

腟カンジダ症
ちつカンジダしょう
真菌性腟炎」のページをご覧ください

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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