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膝内障【しつないしょう】

家庭医学館

しつないしょう【膝内障 Internal Derangement of the Knee Joint】
[どんな病気か]
 (ひざ)の関節を構成している骨、半月板(はんげつばん)、靱帯(じんたい)、関節軟骨などの要素のいずれかに傷があり、そのどれが原因であるかはっきりしないけれども、腫(は)れや痛みなどの症状がある、といった場合に、「膝内障」という病名が使われます。
 検査などによって原因がはっきりした時点で、それぞれの病名をつけることになります。
 逆にいえば、いろいろな検査をしたものの、腫れや痛みなどの原因がはっきりしない際に、「膝内障」という診断名で呼ばざるをえないことがある、ということです。
 いずれにしても、膝が腫れる、膝を動かしたときにひっかかるような感じがする、膝を完全に伸ばせない、膝に不安定感があるなどの症状がある場合は、早めに専門医(整形外科)を受診するべきです。

出典:小学館
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

世界大百科事典 第2版

しつないしょう【膝内障 internal derangement of the knee joint】
膝関節を構成する十字靱帯(じんたい),側副靱帯,半月板などの損傷や障害によって起こる疾患総称膝関節上体重みを受けることから,他の関節に比して複雑な構造となっているが,スポーツなどで異常な方向に異常な力が加わりやすい。この結果,いわゆる捻挫の状態となって,靱帯などに損傷を与える。これらの損傷や障害を受けると,関節痛をはじめ,関節にゆるみを生じて,動揺したり,弾発状態(ひざの動きがぎくしゃくすること)となり,日常生活上,多大な妨げとなる。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

膝内障
しつないしょう
膝関節を補強している半月板、側副靭帯(じんたい)、十字靭帯の傷害を一括して膝内障とよんでいる。半月板損傷は膝関節を捻挫(ねんざ)したときにおこり、スポーツ外傷としておこることが多い。内側半月板にも外側半月板にも発生する。関節の内側あるいは外側に疼痛(とうつう)があり、関節は腫脹(しゅちょう)し、膝関節は屈曲位で跛行(はこう)し、普通に歩けない。屈伸時に弾撥(だんぱつ)音があり、ばね現象を呈することがある(ばね膝(ひざ)という)。手術的に半月板を摘出しないと完治しないことが多い。円板状半月は外側半月板に多く、先天的なものと考えられ、ばね膝となり、疼痛を伴う。摘出手術を要することが多い。
 側副靭帯の損傷も捻挫の場合と同様な外力でおこり、スポーツ外傷として多くみられる。内側側副靭帯損傷のほうが外側よりも多い。疼痛があり、内側のものでは外転異常可動性があるが、外側のものでは内転異常可動性を認める。十字靭帯の損傷は膝関節の過度の伸展などでおこり、引出し症状が認められる。すなわち、仰臥(ぎょうが)位で膝を90度に曲げ、大腿(だいたい)四頭筋を弛緩(しかん)させ、両手で脛骨(けいこつ)上端をつかんで脛骨を前後に動かすと、前方あるいは後方に移動するのがわかる。このような靭帯損傷に対する治療は、早期に膝伸展位でギプス固定する。手術的に靭帯の縫合あるいは補強手術をしなければならないこともある。また、半月板損傷と靭帯損傷は合併することがある。なお、膝関節の捻挫とよばれるものには、このような半月板や靭帯の損傷もみられるので、膝の外傷を軽視してはいけない。[永井 隆]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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六訂版 家庭医学大全科

膝内障
しつないしょう
Internal derangement of the knee
(外傷)

どんな障害か

 膝内障とは、以前は膝関節の嵌頓(かんとん)症状(関節内で半月板や遊離体などが引っかかって屈伸ができない状態)を示す一連の疾患を包括したものでした。医学の進歩とともに膝内障の内容が分析され、いくつかの独立した診断名が確立されました。そして膝内障は、これら数多くの膝関節の損傷・障害の総称として使われるようになりました。

 臨床的に分類すると、①半月板(はんげつばん)損傷、②靭帯(じんたい)損傷、③その他の損傷・障害の3つに分けられます。

半月板損傷

 半月板は膝関節の内側と外側にあり、脛骨(けいこつ)関節面の辺縁部をおおう線維性軟骨です。膝のスポーツ外傷として最も頻度が高い障害です。

 症状としては、膝関節の疼痛、ひっかかり感、嵌頓、関節水症などがみられます。小児期では先天性の円板状半月の損傷があり、明らかな外傷がなくても膝の伸展障害を示します。

 診断は、以前は関節造影が行われていましたが、現在はMRIで診断可能です。治療は、膝関節鏡を使った半月板部分切除術や半月板縫合術を行います。術後の成績は良好でスポーツをすることも可能です。

②靭帯損傷

 前項の膝関節捻挫(ねんざ)を参照してください。

③その他の損傷・障害

 関節内遊離体(ゆうりたい)離断性(りだんせい)骨軟骨炎膝蓋軟骨(しつがいなんこつ)軟化症、膝特発性骨壊死(こつえし)、棚障害、関節内腫瘍や腫瘤(しゅりゅう)、大腿四頭筋断裂、膝蓋腱断裂などが含まれます。

 膝蓋軟骨軟化症は若年の女性に多く、膝の前面の痛みが主訴になります。膝特発性骨壊死は60歳以上の女性に多く、膝関節の大腿骨内側顆部(ないそくかぶ)関節面に好発し、夜間痛があり、特徴的なX線像やMRIで診断されます。

 最近は、これらの疾患は一つひとつが独立した疾患として扱われ、膝内障という病名は次第に使われなくなっています。現在ではむしろ確定診断がまだついていない膝の損傷・障害に使い、診断がついた時点で、たとえば半月板が痛みの原因とわかれば、半月板損傷という診断に変えます。

中川 研二

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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