@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

臨床試験【りんしょうしけん】

知恵蔵

臨床試験
薬剤や医療器具等の安全性、有効性などを確認するために、治療を兼ねて行われるテストのこと。似た言葉に「治験」があるが、これは新薬や新しい医療器具等の承認を申請する際に必要なデータの収集を目的とし、厚生労働省の承認のもとで実施される。これに対し臨床試験は、承認前のものに限らず行われる点が異なり、すでに承認された薬等を用いる試験であれば多くの場合、厚生労働省の承認は必要とされない。
新薬の治験は、通常、試験管内での実験を経た後、動物実験で安全性や有効性が確かめられたものについて行われる。その薬の承認を得ようとする製薬会社が治験計画を作成し、それまでの実験データ等を付けて厚生労働省に実施申請を行い、承認がおりると医療機関に委託して開始となる。新薬承認に有利になるように、対象者を恣意(しい)的に選択したり、データを改ざんしたりすることのないよう、委託に際しては、製薬会社から直接医師に依頼することはできないシステムになっている。治験の対象は、ヒトである。健康な人に行われるか、特定のその疾患を持つ人に行われるかは薬の種類にもよる。薬によっては、疾患の重症度や治療歴など、対象者の条件が細かく定められていることも多い。また、実施者は、対象者との間に十分なインフォームド・コンセントをとることが求められる。
臨床試験も、治験と同じように、公平性・透明性を確保し、倫理的に十分に配慮する必要がある。
2013年2月、降圧剤「バルサルタン」に関する京都府立医科大チームの論文が3本撤回されたことが発覚。それをきっかけに、同薬の臨床試験における製薬会社社員の関与、及びデータ改ざん問題が明るみに出て、同年4月には東京慈恵会医科大、続いて滋賀医科大で学内調査が始まった。
(石川れい子  ライター / 2013年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

朝日新聞掲載「キーワード」

臨床試験
医薬品の製造承認を得るための臨床試験は「治験」と呼ばれる。多くが製薬会社の主導で進められ、薬事法省令で実施方法が厳しく規制されている。 治験は国の基準を満たした病院で、3段階の試験に分けて実施。第1相では、少人数の健康な志願者で安全性などを調査。第2相は実際の患者に対して治療効果や副作用などを調べる。第3相はより多数の患者で有効性などを検証する。
(2010-03-26 朝日新聞 朝刊 生活2)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

りんしょう‐しけん〔リンシヤウ‐〕【臨床試験】
新薬の効果を確かめたり、既存薬剤追跡調査をしたりするため、患者や健康な人に服用させて試すこと。国に新薬としての承認申請をする場合には、特に治験治療試験)という。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

りんしょうしけん【臨床試験】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

臨床試験
りんしょうしけん
clinical trial
新しい薬剤や診断法、予防法、治療法などの有効性や安全性を科学的な方法で評価するための試験。「臨床研究(臨床現場でヒトを対象に行われるすべての研究)」の一つに位置づけられる。なお、臨床試験のうち、厚生労働省から薬剤や医療機器として承認を得ることを目的として行われるものは「治験」という。臨床試験は大きく「治験」と「医師(研究者)主導臨床試験」に分けられ、後者は医師(研究者)が主体となって行うもので、すでに承認されている薬を組み合わせたり、複数の治療方法を組み合わせたりして、より適切な治療法や診断法をみいだすことなどを目的に行われる。[渡邊清高]

臨床試験の段階

臨床試験は大きく三つの段階(第相)に分けられる。第相では安全性の確認や投与方法の決定、第相では有効性と安全性の確認、第相では従来の治療法(標準治療)と比較した有効性と安全性の総合評価を行う(市販後調査などの臨床試験を第相という場合もある)。段階を追うごとに、より多くの被検者(患者)が試験に参加する。
 臨床試験の結果、その効果と安全性が確認された治療法は新たに治療に取り入れられるようになり、また得られたデータは同じ病気の新しい治療法の開発に役だてられている。[渡邊清高]

臨床試験への参加

患者が臨床試験に参加することは、新しい治療を受けられる可能性がある一方で、期待したほどの効果が得られなかったり、副作用が強く現れたりする場合もある。新しい治療は評価がまだ定まっていないため、参加を希望する際には、専門家から十分な説明を受け、十分納得したうえで同意し、参加する必要がある。
 臨床試験の専門家として、医師のほか臨床研究コーディネーター(治験コーディネーター)とよばれる専門の医療従事者が、研究全体のコーディネートを担っている。臨床研究コーディネーターは、臨床研究が円滑に行われるように、研究の全体像を把握し、被検者(患者)と医師や製薬企業との連絡・調整業務や、被検者の心身両面のサポートなどを担う存在であり、臨床経験の豊富な看護師や薬剤師がその役割を務めていることが多い。
 患者の臨床試験への参加は、こうした専門家からの十分な説明やサポートのもとに、患者自身の自由意思に基づいて決定されるものであり、同意した後であっても、治療が始まってからでも、参加を取りやめることができる。
 現在日本国内で行われている臨床試験の情報は、国立保健医療科学院が運営するウェブサイト「臨床研究情報ポータルサイト」などで検索することができる。[渡邊清高]
『国立保健医療科学院. 臨床研究情報ポータルサイトhttp://rctportal.niph.go.jp/』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

臨床試験」の用語解説はコトバンクが提供しています。

臨床試験の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation