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自律神経失調症【じりつしんけいしっちょうしょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

自律神経失調症
じりつしんけいしっちょうしょう
autonomic imbalance
自律神経不安定症,自律神経緊張異常症ともいう。自律神経の失調状態を,H.エッピンゲルと L.ヘスは,交感神経緊張状態と副交感神経緊張状態とに分類した (1909) が,G.ベルクマンはこれを批判し,交感,副交感神経がともに緊張しやすいもの,またはともに不安定ないし敏感なものなどのすべてを含めて自律神経不安定症とした (28) 。これとほぼ同義で,自律神経の失調による種々の自覚症状があり,臓器に器質的障害を認めない。症状としては不定愁訴が多く,全身倦怠,疲れやすい,頭痛,頭重感,のぼせ冷え症寝汗などの全身症状,緊張,抑うつ,不安,健忘などの精神症状,動悸息切れめまいなどの循環・呼吸器症状,食欲不振,吐き気,腹痛などの消化器症状,頻尿,夜尿などの泌尿器症状その他がある。特定の臓器に限定された訴えには,多訴性 (多くの症状を同時に訴える) ,症候移動性 (症状が種々の臓器を移動する) といった特徴がある。思春期から 40歳代に好発し,女性に多い。対策としては,まず器質的疾患のないことを確かめ,次いで精神療法や薬物療法を行う。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

じりつしんけいしっちょう‐しょう〔ジリツシンケイシツテウシヤウ〕【自律神経失調症】
自律神経均衡が乱れて、種々の症状を示す病気。頭痛・めまい・微熱・疲労感・不眠・息切れ・胸苦しさ・食欲不振・冷え・発汗異常・便秘・下痢(げり)・嘔吐(おうと)・性機能障害など症状はさまざま。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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とっさの日本語便利帳

自律神経失調症
正式な医学用語ではなく、いわゆる不定愁訴をこう診断することが多い。不定愁訴とは、特定の疾患を思わせる症状が揃っているわけではなく、全身倦怠、頭痛、食欲不振、不眠など様々な症状はあるが、特にその原因となるような器質的な変化や機能的な変化が見られない場合。

出典:(株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」

家庭医学館

じりつしんけいしっちょうしょう【自律神経失調症】
 病気らしい症状があるのに、診察や検査で原因となる病気がわからないことがあります。
 この場合、自律神経失調症という病名が用いられることがありますが、とりあえずの診断名であって、原因がはっきりすれば、その病名が用いられます。
●症状
 自律神経失調症という病名が用いられる症状には、さまざまなものがありますが、だるさ、めまい、集中力の低下に用いられることが多いようです。
 自律神経失調症の場合、症状が強いのは午前中で、午後になると軽くなり、夜になると元気になる傾向があります。
 若い女性や更年期(こうねんき)の女性に多く、夏に悪化しがちです。
①全身症状
 疲れやすさ、だるさ、のぼせ、冷えなど。
②脳神経系の症状
 めまい、頭重(ずじゅう)・頭痛、集中力の低下、しびれなど。
③循環器系の症状
 立ちくらみ、脈の乱れ、胸苦しさ、動悸(どうき)など。
④呼吸器系の症状
 息切れ、のどの不快感、あくび、せきなど。
⑤消化器系の症状
 食欲不振、便秘、下痢(げり)、吐(は)き気(け)・嘔吐(おうと)、げっぷ、胃部不快感など。
⑥運動器の症状
 後頭部の筋肉痛、肩こり、腰痛(ようつう)など。
⑦皮膚の症状
 青白い皮膚、発汗の異常(過剰・過少)、手足の冷え、顔面紅潮(がんめんこうちょう)など。
⑧泌尿器(ひにょうき)・性器の症状
 頻尿(ひんにょう)、性欲減退など。
●治療
 症状をやわらげる薬の使用が、治療の中心になります。
 この種の病気の治療を得意としているのは心療内科です。なかなか解消しない場合は、心療内科を受診するのも1つの方法です。
 自分のからだの特性、あるいは特徴としてとらえ、自己調節の訓練を重ねることがたいせつです。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

じりつしんけいしっちょうしょう【自律神経失調症 autonomic imbalance】
生体は外界の環境や刺激に対応して自律神経を介して巧みな適応調節を行っているが,この適応に変調をきたし種々の自律神経症状が出現するようになったとき自律神経失調症と呼ばれる。通常はっきりした器質的疾患に伴う自律神経症状は除外され,本症は機能的異常であり,神経症の身体的表現としての不定愁訴症候群と理解されている。原因としては先天的素因のほか,種々の後天的要因があり,外傷,高熱性疾患,ショック,妊娠分娩慢性疾患などの身体的要因,幼児期のしつけ,成長後の教育,職業,家庭,自然環境などの精神的要因が関与している。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

自律神経失調症
じりつしんけいしっちょうしょう

自律神経不安定症ともいう。自律神経の働きが種々の原因によって障害され、いろいろの症状が現れてくる場合を総称してよばれる。自律神経は交感神経系と副交感神経系の二つの拮抗(きっこう)する神経系のバランスによって調節されており、内分泌系と協調して全身の代謝や機能保持を自動的に行っている。これが障害されると多種多様の症状がみられるが、交感神経緊張症や副交感神経緊張症など緊張亢進(こうしん)を示すものと、逆に緊張低下をそれぞれの自律神経が示す場合に分けられる。一般には本来の自律神経系の異常ではなく、体がだるいとか、心臓がどきどきするとか、胃が重いなど不定の訴え(不定愁訴(しゅうそ))をもっているか、はっきりした異常を認めないものまで含めてよんでいるが、これらは心因によるもので、軽いうつ病ないし神経症であることが多く、本来の自律神経失調症とは異なるものである。神経系の変性を主とする病気、たとえばパーキンソン病、脊髄(せきずい)小脳変性症、多発性神経炎などでは無汗症、体温調節不能、性欲減退、起立性低血圧、失禁、失神発作などの症状がみられる。また、レイノー病や血管性(クインケ)浮腫(ふしゅ)など局所性の自律神経異常による循環障害を示す場合もある。糖尿病や種々の代謝異常による神経疾患では、高血圧や低血圧など全身症状を含めて自律神経失調症を示すことが多い。まれには、自律神経系のみを強く冒すシャイ・ドレーガー症候群Shy-Drager syndromeなどでは起立性低血圧、失神、便秘、下痢、無汗症などが主症状であり、アミロイド神経炎や他の多発神経炎でも同様な症状を呈する。

 一方、種々の精神緊張が持続すると胃潰瘍(かいよう)になったり、吐血したりするが、これらの精神緊張の異常により、種々の臓器の機能障害を示してくるものを心身症などとよんでいる。自律神経系の異常は心因によっても強い影響を受けるので、精神科ないし心療内科での加療も有効な場合があり、精神安定剤(トランキライザー)も有効であるが、器質性の病気によって生じた自律神経失調症には、あまり有効な薬剤や治療法はなく、効果をあげられない場合が少なくない。

[里吉営二郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

じりつしんけいしっちょう‐しょう ‥シッテウシャウ【自律神経失調症】
〘名〙 交感神経と副交感神経の緊張度が平衡を失った状態。自律神経の機能が侵され、めまい、発汗、喘息様気管支痙攣(けいれん)、下痢、嘔吐、性的不能症などの症状を示す。自律神経不安定症。

出典:精選版 日本国語大辞典
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六訂版 家庭医学大全科

自律神経失調症
じりつしんけいしっちょうしょう
Autonomic imbalance
(こころの病気)

 よく使われる病名ですが、確立した疾患概念や診断基準があるわけではありません。自律神経系の不定愁訴(ふていしゅうそ)があっても、その症状が一般的な疾患概念にあてはまらない場合にこの病名をつけることが多くなっています。

 よくみられる自律神経症状には表20にあげるようなものがあります。自律神経系の症状は、心理・社会的ストレスの影響を受けやすいことや、原因不明の愁訴であることから、心療内科に受診する患者さんに多くみられます。

 よく似た病名として不定愁訴症候群、身体化障害(しんたいかしょうがい)などがあります。最近では医学の発展に伴い、これらの症状のうちまとまりがあるものを、一つひとつの疾患として考えるようになってきています。

 たとえば、起立性調節障害(起立性低血圧)、過敏性腸(かびんせいちょう)症候群緊張性頭痛(きんちょうせいずつう)片頭痛(へんずつう)、メニエール症候群、過呼吸(かこきゅう)症候群、機能性消化不良、逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)などです。

石川 俊男

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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