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自我障害【じがしょうがい】

日本大百科全書(ニッポニカ)

自我障害
じがしょうがい

自我は普通、意識の背景にぼんやりと感じられているにすぎないが、神経症や精神病ではこの自我の意識がさまざまな障害を被り、前景に現れてくる。これらの障害を自我障害と総称する。一般に、自我を構成する四つの標識(能動性、単一性、同一性、自他対立性の意識)に従って分類される。第一の能動性意識の障害には、自分のすることに自分がしているという感じのない離人症、自分でも不合理とわかる考えが浮かび上がり、どうしても払いのけられない強迫体験、自分の意志や思考が自分以外のだれかに支配されていると感じる作為体験(させられ体験)などがある。第二の単一性意識の障害には、自分が神や霊にのりうつられていると感じる憑依(ひょうい)体験(憑(つ)きもの体験)、もう1人の自分を外部に認める自己像幻視(二重身、いわゆるドッペルゲンガーDoppelgänger)などがある。第三の同一性意識の障害には、本来の自分と別の第二の自分が時間的に交代して現れる交代人格(俗にいう二重人格。交代する自我の数が多くなれば、いわゆる多重人格)などがあり、第四の自他対立性意識の障害には、自分の考えがいつのまにか周囲に伝わっていると感じる考想伝播(こうそうでんぱ)、他人の考えが自分の頭へ押し込まれると感じる思考吹入(しこうすいにゅう)、自分と神とが一つに融合していると感じる恍惚(こうこつ)(エクスタシー)などがある。

 自我障害はあらゆる精神病理現象の中核を占めるものであり、その意味で精神科の診断や治療に際してもっとも重視される。

[宮本忠雄]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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