●草枕【くさまくら】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
草枕
くさまくら
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デジタル大辞泉
くさ‐まくら【草枕】

「衣うつ音を聞くにぞ知られぬる里遠からぬ―とは」〈千載・秋下〉

1 「旅」「旅寝」および同音の「度(たび)」にかかる。
「―旅にしあれば」〈万・一四二〉
2 《草の枕を「ゆふ」意から》「結ふ」および同音の「夕(ゆふ)」などにかかる。
「―夕風寒くなりにけり衣うつなる宿やからまし」〈新古今・羇旅〉
3 地名の「多胡(たご)」にかかる。
「―多胡の入野の奥もかなしも」〈万・三四〇三〉
[補説]3については、頭音が「旅」と同じ「た」であるところからとする説がある。書名別項。→草枕
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くさまくら【草枕】[書名]
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日本大百科全書(ニッポニカ)
草枕
くさまくら
夏目漱石(そうせき)の中編小説。1906年(明治39)9月『新小説』に発表、07年1月刊の短編集『鶉籠(うずらかご)』に収める。作者自身、「美を生命とする俳句的小説で……美しい感じが読者の頭に残りさへすればよい」(「余が『草枕』」)と説くように、ロマンチシズムの傾向を濃くとどめた初期の芸術観を具体化した作品。「智(ち)に働けば角(かど)が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地(いじ)を通せば窮屈だ」との書き出しはとくに有名である。とかく住みにくい人の世の煩いを逃れ、芸術のための桃源郷を求めて熊本郊外の温泉を訪れた画工が、宿の美しい娘那美(なみ)の妖(あや)しい言動に驚かされるというのが発端。那美は出戻りで、不羈奔放(ふきほんぽう)な魅力に富む女性だが、彼女を画中の人にしようとする画工の苦心を通じて、人の世はものの「見様(みよう)」でどうにでもなる、俗塵(ぞくじん)を離れた心持ちになれる詩こそ真の芸術だという独自の文学観、いわゆる非人情の美学が語られる。しかし、この文学観はのちに作者によって否定された。
[三好行雄]
『『草枕』(岩波文庫・旺文社文庫・講談社文庫・新潮文庫)』▽『越智治雄著『漱石私論』(1971・角川書店)』
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精選版 日本国語大辞典
くさ‐まくら【草枕】
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旺文社日本史事典 三訂版
草枕
くさまくら
1906年発表。主人公の画工に託して,作者の当時抱いていた芸術観・非人情の考え方を表現した作品。
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