●葛城の神【カツラギノカミ】
デジタル大辞泉
かつらぎ‐の‐かみ【葛城の神】
大和の葛城山に住むとされる神。一言主神(ひとことぬしのかみ)をいう。役(えん)の行者の命令で葛城山と金峰山(きんぶせん)との間に岩橋を架けることになったが、容貌(ようぼう)の醜いのを恥じ、夜しか働かなかったので完成しなかったという伝説から、物事が成就しないときや、顔の醜い人などの例に引かれる。→久米の岩橋
「つたなや蔦(つた)の葉の―姿、恥づかしや由なや」〈謡・定家〉
「つたなや蔦(つた)の葉の―姿、恥づかしや由なや」〈謡・定家〉
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
精選版 日本国語大辞典
かつらぎ【葛城】 の 神(かみ)
奈良県葛城山の山神。特に、一言主神(ひとことぬしのかみ)。また、昔、役行者(えんのぎょうじゃ)の命で葛城山と吉野の金峰山(きんぷせん)との間に岩橋をかけようとした一言主神が、容貌の醜いのを恥じて、夜間だけ仕事をしたため、完成しなかったという伝説から、恋愛や物事が成就しないことのたとえや、醜い顔を恥じたり、昼間や明るい所を恥じたりするたとえなどにも用いられる。
※清正集(10C中)「かづらきやくめのつぎはしつぎつぎもわたしもはてじかづらきのかみ」
※枕(10C終)一六一「あまりあかうなりしかば、『かづらきの神、いまぞずちなき』とて、逃げおはしにしを」
出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「葛城の神」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●葛城の神の関連情報