●葵上【あおいのうえ】
デジタル版 日本人名大辞典+Plus
葵上 あおいのうえ
左大臣の長女。母は桐壺帝の妹大宮。4歳年下の光源氏と結婚するが,源氏にうとまれる。26歳のとき男子夕霧を出産直後,源氏の愛人のひとり六条御息所(みやすどころ)の物の怪になやまされ,息をひきとる。
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世界大百科事典 第2版
あおいのうえ【葵上】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
葵上
あおいのうえ
能の曲目。四番目物。五流現行曲。世阿弥(ぜあみ)の伝書『申楽談儀(さるがくだんぎ)』にも記載があり、近江(おうみ)猿楽系の古作を世阿弥が改作した曲。出典は『源氏物語』の「葵」の巻。高貴な女性の心理の深層に潜む嫉妬(しっと)の恐ろしさを、みごとな詞章、作曲と、華麗な演出の妙で見せる名作。物の怪(もののけ)に苦しむ葵上(光源氏の正妻)は、舞台先に延べた1枚の小袖(こそで)で表現する。臣下の者が巫女(みこ)(ツレ)を呼び出して、たたっている者の正体を現す呪法(じゅほう)を命じる。六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)の生霊(いきりょう)(前シテ)が登場。昨日の花は今日の夢となった元皇太子妃の華やかな生活との別離、光源氏の愛の衰えを嘆き、興奮に身をゆだねて葵上を打ち据え、賀茂の祭で葵上から屈辱を受けたその破れ車に乗せて連れ去ろうとする。病状の急変に横川小聖(よかわのこひじり)(ワキ)が招かれ、祈り始めると、鬼形(きぎょう)となった生霊(後シテ)が現れ、法力と争い、葵上を取り殺そうとするが、ついに屈服し、恨みの心を捨てて終わる。『葵上』は海外公演も含め上演頻度最高の能で、山田流箏曲(そうきょく)など邦楽や舞踊、戯曲など後世への影響が大きい。三島由紀夫の『近代能楽集』の題材ともなった。
[増田正造]
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精選版 日本国語大辞典
あおい‐の‐うえ あふひのうへ【葵上】
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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典
葵上
あおいのうえ
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