●薬湯【くすりゆ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
薬湯
くすりゆ
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デジタル大辞泉
くすり‐ゆ【薬湯】
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やく‐とう〔‐タウ〕【薬湯】
2 薬を入れた入浴用の湯。くすりゆ。「
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世界大百科事典 第2版
くすりゆ【薬湯】
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やくとう【薬湯】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
薬湯
くすりゆ
温泉成分や薬用植物を浴剤として入れた湯をいう。古くから疾病や傷の治療に温泉が用いられ、また民間では5月の節供の菖蒲(しょうぶ)湯、冬至の柚(ゆず)湯など、浴槽に植物そのものを入れて、薬湯として親しんできた。温泉成分の効能を期待して、温泉地以外で、また家庭で、温泉と同じ効果を得ようとして考案されたのが浴剤で、初めは温泉成分を乾燥し粉末化したものが用いられた。湯の華(はな)がその例である。
温泉療法に用いられる泉質には、単純泉、食塩泉、重炭酸土類泉、芒硝(ぼうしょう)泉(おもに硫酸ナトリウム)、苦味泉(硫酸塩泉)、アルカリ性泉、酸性泉、明礬(みょうばん)泉、硫黄(いおう)泉、炭酸鉄泉、放射能泉などがある。これらの主成分である無機塩類を用いて、温泉の効果を家庭内で再現しようとして種々の浴剤が開発された。その配合塩類により効果は異なるが、目的としては次のようなものがあげられる。(1)身体を温め、血液の循環をよくし、新陳代謝を高める、(2)鎮静・鎮痛作用をもつ、(3)発汗を促進し、身体の老廃物を除去する、(4)浴後、塩類が被膜となって体表面に付着し、保温効果がある、(5)アルカリ性の場合には、皮脂や体表面の汚れをとり、肌を滑らかにする、(6)硫黄を含むものは殺菌性を有し、皮膚病の治療に有効とされている。市販の浴剤には、塩類のほかに色素と香料を加えたものが多い。
浴剤として用いる薬用植物については、古くは室町時代にさかのぼり、五木八草(ごぼくはっそう)湯、三木一草湯が記されている。五木とは、桑、槐(えんじゅ)、楮(こうぞ)、楡(にれ)、柳、あるいは、桑、槐、桐(きり)、樗(おうち)(センダン)、朴(ほお)、または、桑、槐、桃、楮、柳をいい、八草は、菖蒲、艾葉(がいよう)(ヨモギの葉)、車前(オオバコ)、荷葉(ハスの葉)、蒼耳(そうじ)(オナモミ)、忍冬(にんどう)(スイカズラ)、馬鞭草(ばべんそう)(クマツヅラ)、蘩蔞(はんる)(ハコベ)をいう。江戸時代には、東では温泉の湯を沸かし直して薬湯と称し、西では薬用植物を用いた薬湯が銭湯のほかに出現し、明治中期になり浴用中将湯や浴用実母散が市販された。これらは布袋に生薬(しょうやく)を切ったものを詰め、一定量の湯の中で煎出(せんしゅつ)し、煎出した液といっしょに袋ごと浴槽に入れて薬湯とした。民間療法として浴用に用いられる。これらの植物は、新陳代謝の促進、老廃物の除去、保温性のほかに、タンニン酸類を含むものは収斂(しゅうれん)作用、消炎作用があり、サポニンを含むものは洗浄作用および細菌の発育阻止作用がある。またアズレンを含むものでは皮膚組織の再生を促進し、油脂や粘液質を含むものは皮膚表面の保護作用を有している。
市販の浴剤は温泉成分と薬用植物から発展し、さらに新しい浴用製剤の開発となり、医薬品用部外品として生産・消費量は年々増加の一途をたどっている。
[幸保文治]
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精選版 日本国語大辞典
くすり‐ゆ【薬湯】
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やく‐とう ‥タウ【薬湯】
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