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藤戸【ふじと】

日本大百科全書(ニッポニカ)

藤戸(能)
ふじと
能の曲目。四番目物。五流現行曲。作者不明だが、能の名作の一つ。佐々木盛綱(もりつな)(ワキ)は、藤戸の戦いの恩賞として備前の児島(こじま)の領主となり、意気揚々と赴任し、訴訟ある者は申し出よと布告する。馬で島を攻めることの可能な藤戸の浅瀬を教えたばかりに、機密漏洩(ろうえい)を恐れた盛綱に刺殺された漁師の母(前シテ)は、その理不尽を訴え、わが子と同じように殺せと領主に迫る。後悔した盛綱は、漁師の追善供養を営む。漁師の亡霊(後シテ)は、死骸(しがい)を沈められた海から浮かび上がって、戦功の原因は自分なのだから、どんな恩賞もあってよいはずなのに、殺すとは何事かと恨みを訴えるが、弔いに成仏して終わる。武将の行為を当然の配慮として肯定する原典の『平家物語』に対し、非人道の行為を激しく告発しているところに、能の主張がある。[増田正造]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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