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虚無僧【こむそう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

虚無僧
こむそう
尺八を吹いて物ごいをする (こも) 僧,ぼろんじ,暮露 (ぼろ) ,ぼろぼろともいう。初めは薦をたずさえて流浪する者の称であったと思われる。鎌倉時代,中国普化 (ふけ) の流れをくむ日本の天外明普が虚無宗を開き (永仁年間) ,京都白川で門弟を教導し,尺八吹奏による禅を吹したのに始る。世は虚仮で実体がないと知り,心を虚しくすることからその名があるという。江戸では青梅の鈴江寺,下総小金の一月寺,京都では明暗寺に属し,天蓋 (編笠) をかぶり袈裟を着け尺八を吹いて托鉢して回った。仇討ち浪人密偵などが世を忍んで虚無僧となった者も多い。百姓町人はなれないなどの規則もあったが,のち門付け芸人ともなった。江戸時代中期頃から,尺八を得とする者で,派手な姿で伊達 (だて) 虚無僧となった者もある。

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デジタル大辞泉

こむ‐そう【虚無僧】
普化(ふけ)宗の有髪の僧。宗祖普化禅師の遺風と称して、天蓋(てんがい)とよぶ深編み笠をかぶり、首から袈裟(けさ)餉箱(げばこ)を掛け、尺八を吹いて米銭を乞い、諸国を行脚し修行した。薦(こも)を携えて野宿したところからとも、また、「虚無」は空の意とも人名ともいう。普化僧薦僧(こもそう)。

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世界大百科事典 第2版

こむそう【虚無僧】
菰僧(こもそう),薦僧(こもそう),梵論字(ぼろんじ),梵字(ぼろんじ),暮露(ぼろ),また普化僧(ふけそう)ともいう。禅宗の一派である普化宗の僧の別称で,普化宗を虚無宗とも称する(イラスト)。吉田兼好の《徒然草(つれづれぐさ)》に,〈ぼろぼろ〉〈ぼろんじ〉と見え,我執深く闘争を事にする卑徒としている。《三十二番職人歌合》は,尺八を吹いて門戸にたち托鉢(たくはつ)することをもっぱらの業としたとする。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

こむそう【虚無僧】
普化ふけ宗に属する有髪の托鉢たくはつ僧。天蓋と称する深編み笠をかぶり、首に袈裟けさをかけ、尺八を吹いて諸国を行脚あんぎや修行した。江戸時代には武士のみに許され、浪人者がほとんどであった。普化僧。薦僧こもそう。梵論ぼろ。梵論子ぼろんじ

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日本大百科全書(ニッポニカ)

虚無僧
こむそう
尺八を吹きながら家々を回り、托鉢(たくはつ)を受ける僧。薦(こも)僧、菰(こも)僧というのが本来の呼び名で、諸国を行脚(あんぎゃ)して遊行(ゆぎょう)の生活を送り、雨露をしのぐために菰を持ち歩いたからである。ぼろを身にまとって物乞(ものご)いしたので、暮露(ぼろ)とも梵論字(ぼろんじ)(梵論師)ともよばれた。普化(ふけ)僧ともいう。普化宗は禅宗の一派で、中国の唐代の普化和尚(おしょう)を始祖とし、法燈(ほっとう)国師覚心(かくしん)が宋(そう)から日本に伝来したという。覚心は紀伊国(和歌山県)に興国寺を開山し、宗旨も広まり多くの流派ができた。
 虚無僧寺としては、京都の明暗寺、下総(しもうさ)小金(こがね)(千葉県松戸市)の一月寺(いちがつじ)、武蔵(むさし)青梅(おうめ)(東京都青梅市)の鈴法寺(れいほうじ)などが著名であった。普化宗では、心を虚(むな)しくして尺八を吹き、虚無吹断を禅の至境とした。近世初期には武士以外の入宗(にっそう)を認めず、また幕府も自由の旅を許すなどの特典を与えたが、浪人や無頼の徒が身を隠す手段に利用し、乱暴をはたらくなどの弊害が続出した。普化宗は1871年(明治4)に廃宗となり、88年に京都に明暗教会が設立されたが、虚無僧は宗教から離れ、尺八修業の方便か物乞いの手段かになって影を潜めた。僧とはいいながら半僧半俗で、多くは有髪(うはつ)で、天蓋(てんがい)と称する深編笠(ふかあみがさ)をかぶり、着流しで、首から袈裟(けさ)と頭陀袋(ずだぶくろ)をかけた。手甲(てっこう)・脚絆(きゃはん)なども着けた。古くは草鞋(わらじ)を履いたが、江戸時代の中ごろから高下駄(たかげた)を履くようになった。出没自在、腕のたつこと、無頼性など、不思議な魅力をもつところから、時代劇では善玉としても悪玉としても、しばしば脇役(わきやく)として登場する。[井之口章次]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

こむ‐そう【虚無僧】
〘名〙 禅宗の一派の普化宗(ふけしゅう)の僧。尺八を吹き喜捨を請いながら諸国を行脚修行した有髪の僧。江戸時代、罪を犯した武士は普化宗の僧となれば、刑をまぬがれ保護された。多く小袖に袈裟(けさ)を掛け、深編笠を被り刀を帯した。古くは、「こもそう(薦僧)」ということが多く、もと坐臥用のこもを腰に巻いていたところからという。普化僧。
※慶長見聞集(1614)三「古無僧一人、尺八を吹、我門に立たり」

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典

虚無僧
〔長唄〕
こむそう
歌舞伎・浄瑠璃の外題。
演者
杵屋作十郎(1代)
初演
明和7.3(江戸・市村座)

出典:日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」
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