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血液製剤【けつえきせいざい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

血液製剤
けつえきせいざい
blood derivatives
血液成分欠損や大量の出血時に行う輸血用,および熱傷時などの体液成分の補給用に準備された製剤。全血製剤,血液成分製剤血漿蛋白分画製剤に大別される。全血製剤 (新鮮血および保存血) と血液成分製剤 (赤血球血小板白血球血漿 ) は,日本ではすべて日赤血液センター献血材料から製造されている。一方,血漿蛋白分画製剤 (血清アルブミン,加熱血漿蛋白,免疫グロブリン血液凝固因子) の大半は輸入血漿を原料として民間製薬会社により製造販売されている。日本のエイズ患者の多くは血友病の治療に用いる輸入血液凝固因子に混在しているエイズウイルスによるもので,より安全な製剤の生産が要望されている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

けつえき‐せいざい【血液製剤】
輸血用や治療用に、人間の血液から製する薬剤。全血・血液成分・血漿(けっしょう)分画の各製剤に分けられる。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

けつえきせいざい【血液製剤】

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

けつえきせいざい【血液製剤】
ヒトの血液から分離調整された製剤。全血製剤、血液成分製剤、血漿けつしよう分画製剤などに分けられる。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

血液製剤
けつえきせいざい
blood preparations
ヒトの血液を原料とした医薬品で、血液そのものの全血製剤、血液をその構成成分別に分離して製した血液成分製剤、血漿(けっしょう)を特殊な方法で分画して製した、血漿分画製剤(アルブミン、グロブリンおよびグロブリンに化学的処理を施したもの、血液凝固因子など)の三つに分けられる。[幸保文治]

全血製剤

手術時の出血ややけど、ショック、低タンパク血症などに用いられる。日本薬局方人全血液(ひとぜんけつえき)(旧称保存血液)。人全血液CPD(旧称CPD加新鮮血液)と、輸血による移植片対宿主(しゅくしゅ)病(GVHD:graft versus host disease)を予防する目的で15グレイ以上50グレイ以下の放射線を照射した照射人全血液CPDがある。[幸保文治]

血液成分製剤

それぞれ不足した血液成分を補うために用いられるもので、人赤血球濃厚液、洗浄人赤血球浮遊液、白血球除去人赤血球浮遊液、解凍人赤血球濃厚液、解凍人赤血球浮遊液、新鮮液状人血漿、新鮮凍結人血漿、人血小板濃厚液のほか、ABO式血液型不適合による新生児溶血性疾患に用いる合成血がある。合成血とは、人血液から血漿の大部分を除去したO型の赤血球層を生理食塩液で洗浄した後、AB型の人血漿を加えて製した血液製剤のことである。[幸保文治]

血漿分画製剤

(1)免疫機能の低下している患者に感染予防や治療のために用いられるもの
人免疫グロブリン、乾燥イオン交換樹脂処理人免疫グロブリン、乾燥スルホ化人免疫グロブリン、pH4処理人免疫グロブリン、乾燥pH4処理人免疫グロブリン、乾燥ペプシン処理人免疫グロブリン、ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン、乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン。
(2)血友病の治療に用いられるもの
乾燥人血液凝固第因子、乾燥濃縮人血液凝固第因子、乾燥人血液凝固第因子複合体、乾燥濃縮人血液凝固第因子。
(3)B型肝炎の予防と治療に用いられるもの
抗HBs人免疫グロブリン、乾燥抗HBs人免疫グロブリン、乾燥ポリエチレングリコール処理抗HBs人免疫グロブリン、抗D(Rh0)人免疫グロブリン、乾燥抗D(Rh0)人免疫グロブリン。
(4)その他
抗破傷風人免疫グロブリン、乾燥抗破傷風人免疫グロブリン、乾燥ポリエチレングリコール処理抗破傷風人免疫グロブリンといった破傷風の予防と治療に用いられるもののほか、乾燥濃縮人アンチトロンビン、加熱人血漿タンパク、人ハプトグロビン、人血清アルブミン、乾燥人フィブリノゲン、活性化プロトロンビン複合体がある。また、特殊なものとして遺伝性血管神経性浮腫の急性発作に用いられる乾燥濃縮人C1-インアクチベータ、先天性プロテインC欠乏症に起因する深部静脈血栓症、急性肺血栓塞栓症の治療薬として乾燥濃縮人活性化プロテインCがある。
 血液製剤はすべて保存温度と有効期間が定められている。
 なお日本では、輸入血液を原料とする血液凝固因子製剤の加熱製剤化が1985年(昭和60)まで遅れたうえ、非加熱製剤の回収が不徹底でその後2年間も使用されたため、HIV(エイズウイルス)感染を引き起こし、いわゆる薬害エイズ問題が発生したが、その後は加熱製剤の使用により薬害は防止された。
 また、止血の目的で使用された輸入フィブリノゲン製剤によるC型肝炎の感染も社会問題となっている。
 血液製剤はヒトの血液からつくられていることから、その取扱いに倫理的観念からの配慮が必要であり、すべての血液製剤について自国内での自給を目ざすことが国際的な原則となっている。そのためには血液製剤の適正使用が求められる。厚生省(現、厚生労働省)では1986年(昭和61)「血液製剤の使用適正化基準」を設け、血液製剤の国内自給の達成を目ざした。一方、使用者としての医療機関に対しては1989年(平成1)「輸血療法の適正化に関するガイドライン」がつくられ、1994年には「血小板製剤の使用基準」、1999年には「血液製剤の使用指針」および「輸血療法の実施に関する指針」が示された。さらに2003年(平成15)3月には、国内自給率の向上と感染の可能性を削減するために、血液製剤の国内完全自給、安全性の確保および適正使用を目的とした「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」が施行された。「血液製剤の使用指針」には血液製剤の使用のあり方として、血液製剤の原則、血液製剤使用上の問題点と使用指針のあり方、各製剤ごとの使用指針の考え方、が述べられており、各製剤ごとの適正使用として、目的、使用指針、授与量、不適切な使用、使用上の注意点など、具体的に記されている。
 これらの施策により1992年には濃縮凝固因子製剤の国内自給が達成され、アルブミン製剤、免疫グロブリン製剤の自給率も飛躍的に向上したが、いまだ新鮮凍結血漿などの血液使用量は諸外国に比べて多いので、さらなる縮減が望まれている。[幸保文治]
『野村武夫著『輸血・血液製剤療法の正しい知識』(1998・全日本病院出版会) ▽伊藤和彦著『血液製剤――感染・同種免疫との戦い』(1999・共立出版) ▽喜多村悦史著『血液の基礎知識――血液事業の歴史と方向』第2版(1999・都市文化社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

けつえき‐せいざい【血液製剤】
〘名〙 人の血液から製造した製剤。人全血液もあるが、主として成分に分けてそれぞれの用途に用いる。人赤血濃厚液、アルブミン製剤、免疫グロブリン、血液凝固因子などがある。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

血液製剤
ケツエキセイザイ
blood product

ヒトの血液を原料に生産された医薬品.広い意味では全血や血球製剤も含まれるが,一般には血漿を分画して得られるタンパク質製剤(血液凝固因子製剤,アルブミン製剤,免疫グロブリン製剤)をいう.ウイルス混入の危険がつきまとうため,遺伝子工学的生産に切り替えられつつある.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

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