●表皮【ヒョウヒ】
デジタル大辞泉
ひょう‐ひ〔ヘウ‐〕【表皮】
2 動物の皮膚の最表層の組織。真皮の外側にあり、人間では表面から角質層・淡明(透明)層・顆粒(かりゅう)層・有棘(ゆうきょく)層・基底層からなる。
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栄養・生化学辞典
表皮
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世界大百科事典 第2版
ひょうひ【表皮 epidermis】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
表皮
ひょうひ
茎頂や根端から直接由来した一次植物体の表面を覆う細胞層をいう。そのほとんどは一細胞層であるが、表皮として分化する前の前表皮の並層分裂によって多層となったものは多層表皮という。茎や葉の表皮は茎頂分裂組織の最外層から起源するが、被子植物や一部の裸子植物では、茎頂は細胞分裂の極性(細胞や組織が、ある軸に沿って形態的、生理的に異なる性質を示すこと)から外衣と内体とに区分され、表皮は外衣第一層の始原細胞群から直接由来する。これに対して、大部分の裸子植物とシダ植物では、最外層の細胞は内部へも細胞を切り出して独立していない。根の表皮は茎や葉の場合と異なり、胚(はい)の表皮とは連続せず、内部に生じた根端分裂組織から由来し、独立した表皮の始原細胞群をもつものと、もたないものとがある。二次肥大などに表皮が破壊されると、その内部にコルク形成層が生じ、周皮をつくって、表皮に代わって植物体の表面を覆う。
表皮は生きた細胞からなり、もっとも普通には平板状で、すきまなく並んで植物体の表面を覆う。地上部の表皮では、外側の細胞壁やその外へペクチンという脂質を分泌してクチクラ層をつくり、水の蒸散を防ぐ。根ではクチクラ層がほとんどない。また、地上部の表皮細胞では、アントシアニンなどの色素を含むことがあり、シダ植物や裸子植物では葉緑体を含むことが普通である。
特殊な構造の表皮としては、葉や茎で気孔をつくる孔辺細胞、毛、鱗片(りんぺん)、根毛などがある。気孔は二つの孔辺細胞間のすきまにでき、特殊な構造の細胞壁をもつ孔辺細胞の膨圧の変化によって開閉し、とくに葉での光合成と呼吸のためのガス交換と蒸散の通路となる。孔辺細胞は助細胞を伴うことがあり、これらをまとめて気孔装置という。気孔装置の発生過程はいくつかの型に区分され、分類群によってそれぞれ特徴がある。表皮細胞が外側へ長く伸長したものが毛で、細胞分裂が伴うと多細胞の毛となる。毛にはさまざまな構造と機能があり、分類のうえでは重要な形質となる。毛は、その形によって、たとえば綿毛(めんもう)、棘毛(きょくもう)、鉤状(こうじょう)毛、排水毛、腺毛(せんもう)、刺毛、感覚毛などに分類される。綿繊維として利用されるのは、ワタの種子の毛である。根毛は、根の先端近くの伸長成長が終わった部分の表皮細胞が長く伸長したものである。根毛は根の表面積を著しく拡大し、土中の水や養分の吸収に働くが短命で、次々と根の先端側に生じる新しい根毛へと交替する。
なお、動物の表皮については別項「皮膚」を参照されたい。
[西野栄正]
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精選版 日本国語大辞典
ひょう‐ひ ヘウ‥【表皮】
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