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表面張力【ひょうめんちょうりょく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

表面張力
ひょうめんちょうりょく
surface tension
液体はすべてその表面をできるだけ小さくしようとする傾向をもつ。これは,液体の表面に沿って一種の張力が働くためであり,この張力を表面張力という。液体の表面をある線によって2つの部分に分けると,2つの部分は互いに引合うが,この力は線に垂直であり,単位長さあたりの力を表面張力の大きさとする。表面張力は熱力学的に考えると,表面積単位面積だけ等温的に増加させるのに必要な仕事となり,単位表面積あたりにたくわえられるギブズ自由エネルギーに等しい。表面張力は2つの互いに混らない液体の境界面にも存在する。このような一般的な場合には,界面張力という。液体の表面張力は,一般に温度の上昇とともに減少する。これをエトベシュ法則という。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ひょうめん‐ちょうりょく〔ヘウメンチヤウリヨク〕【表面張力】
液体に働く、その表面積をできるだけ小さくしようとする力。分子間の引力によって、表面の分子が内部から引かれるために起こる。

出典:小学館
監修:松村明
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栄養・生化学辞典

表面張力
 界面エネルギー表面エネルギー,界面張力ともいう.液体が気体と接しているときには表面積を最小にしようとする現象がみられ,このエネルギー(力)を単位長さあたりの縮める力として表した値が表面張力.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

ひょうめんちょうりょく【表面張力 surface tension】
液体の表面積を縮小させようとする力。外力の影響がなければ液体は球形になる。面内に微小線分をとるとき,両側の面は,線分をはさんでその線に垂直でかつ面内にある,互いに引き合う力をおよぼし合うが,その大きさは線分の方向によらない。ふつう,単位長さ当りの力をとって表面張力という。 表面張力は液体内部では等方的に働いている分子間力が,表面ではあまって現れるものであり,温度を一定に保って表面積を単位面積だけ広げるに要する仕事に等しい。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

表面張力
ひょうめんちょうりょく
surface tension

通常、液体の表面でその表面積を小さくするように働く力をいう。水滴や水銀の粒子が丸くなるのはこの力のためであることはよく知られている。一般的には、気相、液相、固相の組合せで、気‐液、気‐固、液‐液、液‐固、固‐固の5種類の界面が考えられるが、とくに気‐液および気‐固の界面を表面といい、したがって表面張力は、二相間の界面において生じる、界面の面積を縮小するように働く力、すなわち界面張力の一種である。

 表面張力が生じるのは、表面における液体分子の分布と配向が相の内部と異なるためである。液体内にある分子は、その周囲に存在する分子から引力を受けているが、表面にある分子は、その周囲にある分子数が内部の分子に比べて半分となり、受ける引力も半分となる。このことは、表面の分子は内部の分子に比べて余分のエネルギーをもっていることを意味する。このように表面における分子の状態が表面張力を決定している。

 表面張力は、通常、単位長さ当りの力(dyn/cm=10-3N/m)で表される。もし液体の表面を広げようとすると、この張力に抗して仕事をしなければならない。液体の単位面積の表面をつくるのに要する仕事もすなわち表面張力と同じである。この仕事は自由エネルギーとして表面に蓄えられるわけであるから、表面張力は単位面積当りの表面自由エネルギー(erg/cm2=10-3J/m2)とも等しい。

 多くの液体の表面張力は常温付近では温度に対して直線的に低下する。液体の温度が上昇すると、分子の熱運動が盛んになって分子間距離が増大し、そのため分子間引力は小さくなって表面張力は低下する。臨界温度になれば表面張力はゼロになる。

 いくつかの物質の常温における表面張力を次に示す。水=72.75、エタノール=22.55、ベンゼン=28.9、クロロホルム=27.2、酢酸=27.7、トルエン=28.4、水銀=475(20℃、dyn/cm)。水銀の表面張力が非常に大きく、また水の表面張力も他の有機溶媒に比べて大きいことがわかる。水に界面活性剤を加えると、わずかの量でも表面張力が急激に減少する。これは、溶液の表面自由エネルギーが減少するように活性剤が溶液表面に移動し、表面の濃度が内部に比べて大きくなるためである。

[篠塚則子]

表面張力の測定法

静的な条件で測定する方法と動的な条件で測定する方法がある。純粋な液体では表面張力はすぐ平衡に達するが、溶液では平衡に達するのに時間がかかる場合があり、静的な方法での測定には細心の注意が必要である。

 静的測定の代表的方法に、毛管法、滴重法、泡圧法、輪環法などがある。このうち、毛管法はもっとも簡便で、液体でぬれるような毛細管を液中に浸し、毛管中を上昇した液の高さが表面張力と比例することを利用する方法である。輪環法はジュヌーイの表面張力計とよばれ、白金の環を液面に水平に触れさせ、静かに引き上げて液面から離れようとする瞬間に環に作用する表面張力とつり合う力を秤(はかり)で測定する方法である。

 動的方法には、液面に小さな波をおこしてその進行速度と波長を測る表面張力波法や、ジェット法などがある。

[篠塚則子]

『中垣正幸著『表面状態とコロイド状態』(1968・東京化学同人)』『渡辺信淳・渡辺昌・玉井康勝著『表面および界面』(1973・共立出版)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ひょうめん‐ちょうりょく ヘウメンチャウリョク【表面張力】
〘名〙 液体の表面に沿って働く張力。液体分子間に作用する引力によって、表面の分子には中心に引き寄せられるような力が働くため、液体は自ら収縮してできるだけ小さな表面積をとろうとする傾向をもつ。この性質が表面に沿う一種の張力として現われたもの。界面張力。〔稿本化学語彙(1900)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

表面張力
ヒョウメンチョウリョク
surface tension

液体にはすべてその表面積をできるだけ小さくしようとする傾向があって,外力の作用が無視できるようなときには球形に近い形をとる.これは液体の分子間力のため,表面の分子を液体内部に引き込もうとする結果として現れる現象で,液体表面上にはたらく収縮力あるいは張力となる.これを(液体の)表面張力といい,液面上の直線に直角にはたらく力として観測される.これはこの表面を単位面積だけ等温的に拡張するのに要する仕事と数値的に等価であって,熱力学的には単位表面積に蓄えられる自由エネルギーと考えることができる.全表面エネルギーをU,表面自由エネルギー(表面張力)をγ,絶対温度をTとすれば,

となる.右辺第二項は表面潜熱である.液体の表面は可逆的に伸縮するので,一種の弾性力のようにみえるが,表面積の変化と力との間にはフックの法則(Hooke's law)は適用されない.この種のエネルギーは液体表面だけでなく,液-液,液-固,気-固,固-固など,各種の界面にも同様に考えることができる.これを界面エネルギーという.しかし,固体面では分子の運動が束縛されているので,短い時間内の現象としてその伸縮を観察することは困難で,したがって一般に固体の表面張力の測定は困難であるが,液体と固体との付着性(ぬれ)では重要な問題となる.液体の表面張力γと絶対温度Tとの関係はRamsay-Schields(1893年)によって,

で示された.ここに,Mは液体の分子量,ρは密度,Tc は液体の臨界温度kは定数,τは6°に近い値で,γは Tc 付近で消滅することを示す.[別用語参照]ラムゼー-シールズの式

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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