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裁判官【さいばんかん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

裁判官
さいばんかん
judge; justice
広くはおよそ紛争法律的に裁定する権限をもつをいうが,通例は,裁判所を構成し裁判事務を担当することを本来の任務とする者をさす。日本では,最高裁判所長官最高裁判所判事高等裁判所長官,判事,判事補および簡易裁判所判事の6種類がある。最高裁判所長官は内閣指名に基づいて天皇が任命し (憲法6条2項) ,その他の最高裁判所判事は内閣が任命する (79条1項) 。高等裁判所長官,判事,判事補および簡易裁判所判事は,最高裁判所が指名した者の名簿によって内閣が任命する (80条1項,裁判所法 40) 。裁判官はその良心に従い独立して職権を行い,憲法および法律にのみ拘束されるものとされる (憲法 76条3項) 。身分保障について,憲法は,裁判官の罷免弾劾による罷免および執務不能の裁判による罷免に限定し (なお,最高裁判所裁判官については,このほか国民審査による罷免の可能性がある) ,また裁判官の懲戒処分は行政機関が行うことができないとしている (78条) 。罷免は上記2つの場合に限られ,懲戒処分として罷免することはできないとされている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

さいばん‐かん〔‐クワン〕【裁判官】
裁判所の構成員として裁判事務を担当する国家公務員最高裁判所長官・最高裁判所判事・高等裁判所長官・判事判事補簡易裁判所判事の6種がある。憲法と法律にのみ拘束され、良心に従い独立してその権を行う。

出典:小学館
監修:松村明
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とっさの日本語便利帳

裁判官
裁判所で法的紛争を解決する目的で、公権的な判断をする者。司法権の独立を担う。高裁・地裁家裁に置かれる判事の他に、最高裁判所長官、最高裁判所判事、高等裁判所長官、判事補、簡易裁判所判事と合計六種類ある。判事は一〇年以上、判事補・検察官・弁護士・大学教授などの職にあったものから任命される。

出典:(株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」

世界大百科事典 第2版

さいばんかん【裁判官】
訴訟事件の審理・裁判をすることを職務とする公務員。日本の現行制度では,裁判官は公選制ではなく,任命制となっている。また,日本では,大多数の者が,法曹資格取得後他の法律職(検察官,弁護士等)に就くことなく,はじめから裁判官に任命され,その組織の中で養成され,順次昇進,昇給していくのが普通であり(キャリア・システム),他の法律職としての経験が豊富な者の中から,裁判官を任命するという法曹一元の理念は,実現されていない。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

さいばんかん【裁判官】
裁判所に所属し、裁判事務を担当し、裁判権を行使する国家公務員。すべての権力から独立し、憲法・法律のみに拘束され、良心に従い職権を行使する。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

裁判官
さいばんかん
裁判所職員のうち裁判権および司法行政権を実行する機関を構成する公務員をいう。イギリスでは裁判官judgeの資質として、公平であること、哀れみ深いこと、高潔であること、決心を曲げないことが要請されているが、日本でも同様であろう。[内田一郎]

種類

裁判官には最高裁判所長官、最高裁判所判事、高等裁判所長官、判事、判事補、および簡易裁判所判事の別がある(裁判所法5条)。[内田一郎]

任命資格

最高裁判所の裁判官は、識見の高い、法律の素養のある年齢40年以上の者のなかからこれを任命する。そのうち少なくとも10人は、10年以上高等裁判所長官および判事の職の一つもしくは二つにあった者、または高等裁判所長官、判事、簡易裁判所判事、検察官、弁護士、別に法律で定める大学の法律学の教授または准教授の職の一つもしくは二つ以上にあってその年数を通算して20年以上になる者などの資格を要する(裁判所法41条)。高等裁判所長官および判事は、判事補、簡易裁判所判事、検察官、弁護士、裁判所調査官、司法研修所教官または裁判所職員総合研修所教官、別に法律で定める大学の法律学の教授または准教授の職の一つまたは二つ以上にあってその年数を通算して10年以上になる者などのうちからこれを任命する(同法42条)。判事補は、司法修習生の修習を終えた者のなかからこれを任命する(同法43条)。簡易裁判所判事は、一定の有資格者のなかからこれを任命するほか、選考任命も行われる(同法44条、45条)。[内田一郎]

任命・補職

任命の欠格事由については、裁判所法以外の法律の定めるところにより一般の官吏に任命されることができない者のほか、禁錮以上の刑に処せられた者、弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者の一つに該当する者は、これを裁判官に任命することができない(裁判所法46条)。
 裁判官の任命は、最高裁判所長官については、内閣の指名に基づいて、天皇がこれを任命する(憲法6条2項、裁判所法39条1項)。最高裁判所判事は、内閣でこれを任命する(憲法79条1項、裁判所法39条2項)。最高裁判所判事の任免は、天皇がこれを認証する(裁判所法39条3項)。高等裁判所長官、判事、判事補、簡易裁判所判事は、最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣でこれを任命する(憲法80条1項前段、裁判所法40条1項)。高等裁判所長官の任免は、天皇がこれを認証する(裁判所法40条2項)。下級裁判所の裁判官は、その官に任命された日から10年を経過したときは、その任期を終えるものとし、再任されることができる(同法40条3項)。
 補職については、下級裁判所の裁判官の職は、最高裁判所がこれを補する(同法47条)。たとえば、甲判事を東京地方裁判所判事に補するというようなのがこれである。[内田一郎]

裁判官の独立

すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、憲法および法律にのみ拘束される(憲法76条3項)。判例は、裁判官が良心に従うというのは、裁判官が有形無形の外部の圧迫ないし誘惑に屈しないで自己の内心の良識と道徳観に従うという意味であるとしている。裁判官の独立は、司法権の独立の根幹をなすものであり、司法権の独立は、1891年(明治24)の大津事件で実質的に確立された。また司法行政の監督権は、裁判官の裁判権に影響を及ぼし、またはこれを制限することはない(裁判所法81条)。[内田一郎]

身分保障

裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務をとることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行うことができない(憲法78条)。最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない(憲法79条6項)。下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない(憲法80条2項)。裁判官は、公の弾劾または国民の審査に関する法律による場合、および別に法律で定めるところにより心身の故障のため職務をとることができないと裁判された場合を除いては、その意思に反して、免官、転官、転所、職務の停止または報酬の減額をされることはない(裁判所法48条)。[内田一郎]

国民審査

最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際、国民審査に付し、その後10年を経過したのち初めて行われる衆議院議員総選挙の際さらに審査に付し、その後も同様とする。この場合において、罷免を可とする投票が可としない投票より多い裁判官は罷免される。審査に関する事項は法律でこれを定める(憲法79条2項~4項)。最高裁判所裁判官国民審査法がこれである。[内田一郎]

裁判官の弾劾

国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。弾劾に関する事項は法律でこれを定める(憲法64条)。裁判官弾劾法がこれである。弾劾により裁判官を罷免するのは、(1)職務上の義務に著しく違反し、または職務を甚だしく怠ったとき、(2)その他職務の内外を問わず、裁判官としての威信を著しく失うべき非行があったとき、である(裁判官弾劾法2条)。裁判は、審理に関与した裁判員の過半数の意見による。ただし、罷免の裁判をするには、審理に関与した裁判員の3分の2以上の多数の意見による(同法31条2項)。裁判官は、罷免の裁判の宣告により罷免される(同法37条)。[内田一郎]

裁判官の懲戒

裁判官は、職務上の義務に違反し、もしくは職務を怠り、または品位を辱める行状があったときは、別に法律で定めるところにより裁判によって懲戒される(裁判所法49条)。裁判官分限法がこれである。裁判官の懲戒は、戒告または1万円以下の過料とする(裁判官分限法2条)。[内田一郎]

定年

最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達したときに退官する(憲法79条5項)。下級裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達したときには退官する(憲法80条1項但書)。すなわち、最高裁判所の裁判官は年齢70年、高等裁判所、地方裁判所または家庭裁判所の裁判官は年齢65年、簡易裁判所の裁判官は年齢70年に達したときに退官する(裁判所法50条)。[内田一郎]

裁判官の政治運動等の禁止

裁判官は、在任中、次の行為をすることができない(裁判所法52条)。
(1)国会もしくは地方公共団体の議会の議員となり、または積極的に政治運動をすること
(2)最高裁判所の許可のある場合を除いて、報酬のある他の職務に従事すること
(3)商業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行うこと
 さらに裁判官は、日本国憲法を尊重し擁護する義務を負う(憲法99条)。[内田一郎]

裁判官の除斥・忌避・回避

憲法第37条第1項は、被告人に公平な裁判所の裁判を受ける権利を保障する。そこで、裁判官が特定の事件につき現実にその職務を行う資格を一定の事由により喪失する場合がある。除斥、忌避、回避がこれである(民事訴訟法23条~26条、刑事訴訟法20条~25条、刑事訴訟規則9条~14条)。[内田一郎]

裁判員制度

日本の裁判官制度では、もっぱら職業裁判官という法律専門家がその職を担ってきた。過去には、1928年(昭和3)から1943年まで陪審制度が実施されたことがあったが、定着するに至らなかった。これに対して、2001年(平成13)の司法制度改革審議会意見書が、刑事訴訟手続への国民の新たな参加制度を提言し、これに基づいて2004年に裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(平成16年法律第63号)が成立し、2009年より実施された。裁判員制度は、国民のなかから選任された裁判員が、裁判官とともに刑事訴訟手続に関与することが、司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資することから導入された(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律1条)。裁判員は、独立してその職権を行うとされ(同法8条)、裁判員も司法権の独立の一翼を担うこととされている。裁判員は、公平誠実にその職務を行わなければならない等の義務規定が設けられている(同法9条)。裁判員には、旅費、日当および宿泊費が支給される(同法11条)。[田口守一]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

さいばん‐かん ‥クヮン【裁判官】
〘名〙 裁判所において、法定の手続きにより、事実を認定し、法律的判断を下す権限をもつ者。日本では、現在、最高裁判所および下級裁判所に所属し、裁判事務を担当する特別職の国家公務員。最高裁判所長官・最高裁判所判事・高等裁判所長官・判事・判事補・簡易裁判所判事の六種類がある。裁判官になるためには一定の資格が必要であるが、ひとたび任命されると身分および独立性が保障され、他の国家機関の指揮、命令を受けずに職権を行なう。
※寄笑新聞(1875)〈梅亭金鵞〉三号「公裁を請る者絶て無く裁判官(サイバンクヮン)は只主人に忠義親に孝行の人夥しく殖しを以て是に遣る褒美の調べにのみ世話しかりしかは」

出典:精選版 日本国語大辞典
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