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裁着【たっつけ】

日本大百科全書(ニッポニカ)

裁着
たっつけ

袴(はかま)の一種。元来は武士の袴であったが、明治以降、農山村の山袴の一種として利用された。裁着は室町時代から武士の間に用いられ、当時は立付と書かれ、のち裁付、大刀付の語も用いられた。この袴の特色は、四幅(よの)袴の下に脛巾(はばき)を加えて歩行に便利なことである。織田信長の立付が、滋賀県安土(あづち)の総見寺に蔵されている。室町時代末から地方の武士の間に利用され、ことに江戸時代中期以降は山村の狩猟をする人たちに利用され、幕末尊王攘夷(そんのうじょうい)のあわただしい世情のおりには、武士の調練用の袴として、講武所の人たちに利用された。

 明治以降山村では「ゆきばかま」の名称で用いられたが、洋装化により裁着もズボンにかわり、現在では歌舞伎(かぶき)の黒子(くろこ)や相撲(すもう)の呼出し、また祭礼の際の芸者の手古舞(てこまい)姿にみるくらいである。

[遠藤 武]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
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精選版 日本国語大辞典

たち‐・きる【裁着】
〘他カ上一〙 布を裁ち衣服を仕立てて着用する。
※古今(905‐914)秋下・二九六「神なびのみむろの山を秋ゆけば錦たちきる心ちこそすれ〈壬生忠岑〉」

出典:精選版 日本国語大辞典
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