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装飾写本【そうしょくしゃほん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

装飾写本
そうしょくしゃほん
Illuminated manuscript
各種の素材の上に書かれた文書に挿絵や文様で装飾を施したもの。すでにシュメールの楔形文字を記した円筒印章に象徴的神話モチーフが彫られているが,確実に文章の内容を挿絵にしている最古の例は古代エジプト中王朝の『死者の書』のパピルス巻物である。ギリシアではヘレニズム期にアレクサンドリアに大図書館が設立され,ナイルの豊富なパピルスを利用し,莫大な数の巻子本 (かんすぼん) を生産したが,そのなかには多くの挿絵つきのものがあったと思われる。2世紀頃からは,より堅牢な羊皮紙の冊子本 (コデックス) に次第に取って代られ,400年前後には後者が主流となり,同時に写本装飾も芸術的に飛躍的な発展をとげた。古代末期と中世はこのような羊皮紙あるいは犢皮紙の冊子本装飾の全盛期で,バチカンの『ウェルギリウス写本』 (4世紀末) ,ウィーンの『創世記』写本 (6世紀) ,パリの『詩篇』 (10世紀) ,ウィーンの『戴冠福音書』 (9世紀) ,バンベルクの『黙示録』 (11世紀) ,聖ルイ王の『詩篇』 (13世紀) など数々の傑作がある。なかでも中世末期の国際ゴシック様式の時代のフランスは『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』 (1412~15,ランブール兄弟作) をはじめとする写本芸術の粋ともいうべき作品を生んだ。 15世紀にはドイツにおける印刷術の発明とともに,木版,銅版を用い紙に印刷した挿絵入り本が民間に多数流布するようになった。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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