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【も】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典


裙とも書く。女子用和服の一つ。女子の上衣下衣の2部式被服構成の時代に,下衣として用いられたもの。その形態は5~6世紀に盛行した埴輪土偶の女子像にみられ,奈良時代礼服 (らいふく) の際には重ね裳の風習があったが,承和7 (840) 年に勅令で禁じられた。この結果,の上に裳を当てを長く引くこととなり,平安時代女房装束が完成してからは,引 (飾り紐) の美しさが女装の美しさとなった。さらに鎌倉時代以降,女装における袴の不便と宮中儀式の衰退につれて,裳的な湯巻や裳と袴を兼用する裳袴 (もばかま) というものができることとなった。しかし盛装には形態が変っても裳をすることはなかった。

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デジタル大辞泉

しょう【裳】[漢字項目]
人名用漢字] [音]ショウ(シャウ)(漢) [訓]も もすそ
〈ショウ〉下半身に着るスカート状の衣類。「衣裳霓裳(げいしょう)
〈も〉「裳裾(もすそ)玉裳(たまも)

出典:小学館
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チマ【裳】
《〈朝鮮語〉》朝鮮民族の女性用民族服で、胸からくるぶしまでの長さの巻きスカートチョゴリ(短い上着)とともに用いる。→朝鮮服

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も【×裳】
古代、腰から下にまとった衣服の総称。
律令制の男子の礼服で、表袴(うえのはかま)の上につけたもの。
平安時代以後の女房の装束で、表着(うわぎ)袿(うちき)の上に、腰部から下の後方だけにまとった服。
僧侶が腰につける衣。

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世界大百科事典 第2版

も【裳】
古代の上流階級女子がはいたロングスカート状の衣服,および平安時代以降女房装束(十二単)に着装された服具。古墳時代の女子人物埴輪にあらわされた上下二部式衣服の腰衣が,《古事記》に見られる裳に当たると思われる。飛鳥時代の裳については,聖徳太子の薨去後,冥福を祈って作られた《天寿国繡帳(てんじゆこくしゆうちよう)》に立縞横縞の女子の裳が描かれている。《万葉集》に,はねず色や紅の赤裳というものが散見し,高松塚古墳壁画女子像の裳は立縞文様となっていて裾に飾襞(かざりひだ)がつけられている。

出典:株式会社平凡社
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しょう【裳】

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大辞林 第三版

も【裳】
腰から下にまとう衣服。
奈良時代、律令制による礼服のときに、男女とも用いた腰巻式のもの。
平安時代以後、公家の女房などが正装するとき、袴はかまの上につけ、後方のみにたれた襞ひだ飾りのあるもの。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)


古墳時代以来、上流階級や僧侶(そうりょ)に用いられた腰部につける衣服。裙とも書かれる。古墳時代の女子人物埴輪(はにわ)に表された上下二部式衣服の腰衣が裳にあたると思われる。飛鳥(あすか)時代初期における女子の裳と男女の褶(ひらみ)については、中宮寺の天寿国繍帳(てんじゅこくしゅうちょう)にそのあらましが認められる。後期の裳は高松塚古墳壁画女子像が示唆してくれる。これは3、4色の立縞(たてじま)文で裾(すそ)に飾襞(かざりひだ)がつけられている。養老(ようろう)の「衣服令(りょう)」では、文官の礼服(らいふく)における白袴(しろきはかま)の上に褶を着けるとし、女子の礼服には褶を着け、その下に纈裙(ゆはたのも)(裳)をはくと定めている。この裙の色は蘇芳(すおう)、深浅紫、緑である。女子の朝服には褶を省き、六位以下の者は緑・縹(はなだ)の纈紕裙(ゆはたのそえのも)としている。紕裙は、色絹を縦に細くはぎ合わせた裳である。官人の制服には緑か縹か紺の纈、または紅裙(くれないのも)を用いるとある。当時の形式は、薬師寺伝来「吉祥天(きちじょうてん)画像」、正倉院宝物「鳥毛立女屏風(とりげりつじょのびょうぶ)」そのほか、および実物遺品にうかがえる。『延喜式(えんぎしき)』縫殿(ぬいどの)寮の巻、中宮の年中御服の項に、上裙・下裙の別、平絹や羅(ら)などの材質、色彩と必要量をあげていて、奈良時代から平安時代初期の裳を知る手掛りとなっている。
 平安時代中期以後、衣服の和様化、長大化によって女子は裳をはかなくなり、正装である女房装束(十二単(ひとえ))において裳の腰とよばれる紐(ひも)を後ろから前に回して結んで着けるか、裾を後方に長く引く形式的で装飾的な構成具の一つとなった。そこで従来の裳の前部の名残(なごり)をとどめて、上方両脇(わき)に短い頒幅(あがちの)といわれる部分をつけ、十幅(との)仕立ての裳の主要部を裾とよんだ。そこには摺(す)り絵や描き絵で、祝日には海賦(かいぶ)文や松鶴(まつつる)の吉祥文を、一日晴(いちにちばれ)といってその日のみ衣服に好みの色や文様を許されるときには、象眼(ぞうがん)や金銀の箔(はく)押しを加えて歌絵を表し、文学的趣向をも凝らした。室町時代後期から江戸時代後期までの裳は、八幅(やの)仕立てで頒幅はなく、丈が短くなり、懸帯(かけおび)といわれるもので肩から吊(つ)るしかける形式になった。しかし江戸時代末期に古様に改められ、腰部で締めて後ろに引く形式に戻った。[高田倭男]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しょう シャウ【裳】
〘名〙 腰から下の部分をおおう衣服。も。もすそ。〔詩経‐衛風・有狐〕

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チマ【裳】
〘名〙 (ci-ma) 朝鮮の女性が用いるスカートに似た裳(も)。上着のチョゴリとともに着用し、みぞおちのあたりを紐で結び、くるぶしまでをおおう。
※温泉宿(1929‐30)〈川端康成〉秋深き「女達〈略〉は井戸端に白い袴(チマ)を膨らませて」

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も【裳】
〘名〙
① 古代、腰から下にまきつけた衣服の総称。
※肥前風土記(732‐739頃)松浦「針を勾げて鈎となし〈略〉裳の糸を緡(つりを)となして」
② 男子の礼服の時、表袴の上につけるもの。上は四幅、下は六幅であるものを一二襞に畳んで縫いつける。上部に紐があって、着用する時は腰に引きまわし、前で引き違えて結ぶ。
③ 宮廷奉仕の婦人、またそれに相当する貴族の婦人の正装の時、表着(うわぎ)や袿(うちき)の上に腰部より下の後方にだけまとう服。腰に当たる部分を大腰といい、左右に引腰と称する紐を長く垂れて装飾とし、別に紐を左右の腰の脇より下へまわして結んで止める。これを小腰という。
※竹取(9C末‐10C初)「よき程なる人に成りぬれば、〈略〉も着す」
④ 僧侶の腰につける衣。
※法隆寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747)「合袈裟壱拾壱領〈略〉裳壱腰」

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旺文社日本史事典 三訂版


上代〜平安時代,女性が下半身にまとった衣服
上裳は表面に,下裳内面に着用。数枚重ねることもある。平安時代の十二単 (じゆうにひとえ) では背面につけた。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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